インリーソーラーは経営危機で倒産したって噂は、事実なの!?
太陽光発電事業は継続しているか、一緒に確認していこう♪
インリーソーラーは経営危機?倒産の噂は本当?
インリーソーラーは、1998年に中国で設立された太陽光発電メーカー「インリー・グリーンエナジー株式会社」のブランドです。
2012年にはパネル供給量世界一になるなど、優れた変換効率と高い耐久性のモジュールをウリに、国際的な信用を掴み取ってきたインリーソーラーですが、華々しい実績とは裏腹、2014年の決算では約2億ドルの赤字を計上するなど、徐々にインリー・グリーンエナジーの経営面が不安視されるようになりました。
2017年には、中国政府推進の技術プロジェクトとして、内モンゴル自治区(烏海市)で出力100MWのメガソーラーを建設するなど国際的に注目されていたにも関わらず、インリーソーラーが経営危機とは本当なのでしょうか。
倒産の噂について、確かめていきましょう。
倒産はせず太陽光発電事業を継続
ドイツの太陽光発電関連メディア「pv magazine」の中で、インリー・グリーンエナジーの生産が停止しているという情報が報じられました。
メディア側の情報によると、債権者との協議が決裂したことで、資金繰りが行き詰っていることを推測していましたが、公式見解の表明において、インリーソーラーはその後も経営を継続しており、現在も日本法人である「インリー・グリーンエナジージャパン株式会社」の公式サイトの閲覧も可能な状態です。
2020年11月には、インリーソーラーの再建計画も承認され、2021年8月には屋根一体型のソーラーカーポートの販売を開始するなど、事業再建計画は順調に推移している模様。
インリーソーラーの太陽光パネルも購入可能なことから、倒産はしておらず、太陽光発電事業を継続していることが分かります。
経営状況は下向きか
日本国内において、インリーソーラーの住宅用太陽光発電の導入事例は、大手国内メーカーと比べると少ないのが現状です。
そのため、インリーソーラーの太陽光発電に関する相場データもあまり公開されておらず、IR(Investor Relations)情報も検索したものの、残念ながら表示されませんでした。
詳しい財務状況は調査できなかったのですが、「Yahoo!ファイナンス」によると、2018年~2020年の株価は2年連続で下落し続けているため、経営状況も下向きではないかと推測されています。
株価の下落=会社の価値が安くなることを意味し、同じ分野で新規開拓を試みる新進気鋭の会社などに買収されてしまう可能性も懸念されています。
突然買収されてしまうと、保証(補償)内容やアフターサポートの有無など、経営方針が一気に変わることが予想されますから、引き続きインリーソーラーの経営状態に注視しておきたいところです。
負債資産比率は減少
2021年4月、再編成されたインリー・グリーンエナジーでは株主総会・取締役会が開催され、新しい取締役および経営陣が承認。その際、負債資産比率は59.26%にまで減少したことが発表され、会社経営は上向きとなっています。
また公式のプレスリリースによると、負債資産比率は減少している(好転の兆候)と書かれているため、最も経営状況が悪かった頃に比べると、経営状況は改善されていることが推測されます。
さらに2021年末までに、最新のテクノロジーを取り入れることで、製造を大幅にアップすることを決定。具体的には、セル生産能力を5GWに、PVモジュールの生産能力を10GW(今後2年以内には15GW)に拡大することを目指しており、今後の負債資産比率はさらに減少していくものと期待されています。
インリーソーラーの会社概要
1998年に設立された中国企業の「インリーソーラー」は、世界90ヶ国で8500万枚以上のパネルを出荷した実績もあり、パネルメーカーとして世界的なブランドを確立してきました。
経営不振により倒産が危ぶまれた時期もあった模様ですが、2021年には、日本初国交省「飛び火認定(DR)」取得ソーラーカーポート「MOENZO」を販売開始し、日本国内の累計出荷量は2.8GW、世界の累計出荷出荷量は28GWを達成。
現在もなお、太陽光発電事業を継続しており、個人、企業、自治体レベルでの再生可能エネルギーの側面から暮らしに関わる課題をサポートしています。
主要事業
インリーソーラーの主な事業は、以下のとおり。
- 太陽電池モジュールの設計・製造・販売
- 太陽電池システムの設計・組み立て・販売・設置
など
会社情報
インリーソーラーの会社概要は、以下のとおり。
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | インリー・グリーンエナジージャパン株式会社 (Yingli Green Energy) |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内三丁目2番2号 丸の内二重橋ビル3階 |
設立年 | 2012年4月 |
資本金 | 1億円 |
代表者 | 張 文波 |
支店情報
インリーソーラーは東京本社のほかに、以下の場所で支店を展開しています。
支店名 | 所在地 |
---|---|
関西支店 | 大阪府大阪市中央区北久宝寺町三丁目6番1号 本町南ガーデンシティ7階 |
九州支店 | 福岡県福岡市博多区博多駅前一丁目15番20号 NMF博多駅前ビル2階 |
インリーソーラーは経営危機?太陽光発電事業は継続中
近年、「インリーソーラーは経営危機か?」と噂されていましたが、現在も太陽光発電事業は継続中ですので、ひとまず安心してよさそうです。
今般インリーソーラーが経営破綻を免れた背景に、政府系金融機関(中国開発銀行など)による異例の優遇措置があったとされることから、インリーソーラーが中国の国有企業の傘下に入るという話もあり、今後の動向にも目が離せません。
何よりインリーソーラーのような国際大手企業ですら経営の存続が危ぶまれるのですから、ほかのパネルメーカーの経営状態も気がかりです。太陽光発電の導入は大きな投資ですから、市場価格、保証内容、会社の経緯など自分でも情報収集に努めてください。