太陽光発電に「接続箱」ってあるじゃない?
太陽光発電を構築する機器の1つで、とても重要な役割を持っているんだよ!
私も名前くらいは知っているんだけど、具体的にはどんな役割があるの?あと「集電箱」って名前も聞いたことがあるけど、同じもの?
名前は似ているけど別物だね!
「接続箱」の役割や「集電箱」との違いを解説していくね!
太陽光発電の接続箱とは?
接続箱とは、太陽光パネルとパワーコンディショナーの繋ぎ役です。
太陽光発電システムは、様々な役割を持つ機器が「発電」から「消費(売電)」までの流れを構築しています。
接続箱の役割は、太陽光パネルが発電した電力を取りまとめ、パワーコンディショナーに送ることです。
引用:ハチドリ電力
太陽光パネルが生み出した電力は「直流電力」のため、このままでは、家庭で消費したり、電力会社に売電することができません。
そこで、接続箱が直流電力をパワーコンディショナーに送ることによって「交流電力」に変換され、消費や売電が可能となります。
引用:CHANGE
つまり、接続箱がなければ、パワーコンディショナーは変換する電力を、太陽光パネルから受け取れないんだね!
集電箱との違いは?
「集電箱」は、大規模な太陽光発電システムで生み出された電力を集めて、パワーコンディショナーに送ります。
ちょっと待った!だからそれって「接続箱」と同じってことでしょう?
「接続箱」と「集電箱」の違いを理解するには「大規模な太陽光発電システム」というのが、ポイントになります。
一般家庭に設置する「家庭用」の太陽光発電であれば、直流電力をパワーコンディショナーに送る接続箱は、1つあれば十分です。
ですが「産業用」のように、太陽光パネルが並列して、いくつものブロックを形成している場合、接続箱は1つでは足りません。
各ブロックごとに接続箱を設置して、直流電力をパワーコンディショナーに送ります。
このとき、各接続箱で集めた直流電力を、1つに集約する必要があります。その役目を担うのが「集電箱」なのです。
つまり、以下のような流れになります。
引用:スマエネ
わかった!接続箱たちの「まとめ役」ってことだね!
大正解♬太陽光発電システムの規模が大きくなれば、太陽光パネルから伸びる配線の数も増えるから、それらを1つにまとめるのはとても重要なことだよ!
また、電力をまとめることによって、パワーコンディショナーに送るまでの電力ロスを抑えることができます。
太陽光発電の接続箱の種類
接続箱は、用途によって使い分ける必要があります。
接続箱の種類は、大きく分けると、以下のようになります。
- 家庭用
- 産業用
- 屋内用
- 屋外用
それぞれ、詳しく解説していきます。
家庭用の接続箱
一般的に、太陽光発電システムの容量が「10kW未満」を「家庭用」と言います。
家庭用の場合、接続箱とパワーコンディショナーが一体化しているタイプもありますが、接続箱を設置する場合は、屋内に設置するケースが多いです。
引用:SANGA
産業用の接続箱
一般的に、太陽光発電システムの容量が「10kW以上」を「産業用」と言います。
産業用は、いわゆる「メガソーラー」のことで、大規模な発電所です。
みんなも、郊外の広い土地に、太陽光パネルが整然と並んでいる光景を見たことがあるんじゃないかな?
太陽光パネルの数が増えると、当然ながら、発電する電気量も多くなります。
その場合、家庭用で使われるような接続箱ではなく「最大入力電圧」の高いタイプを設置する必要があります。
「最大入力電圧」が高いほど、1つの接続箱に繋げることができる太陽光パネルの数が増やせるんだよ!
また、大規模な発電所の場合は、接続箱の数も増えるため、配線や電力をまとめる「集電箱」の設置を前提に、発電所の設計を行います。
屋内用の接続箱
「屋内用」の接続箱は、主に家庭用の太陽光発電で用いられます。
先にお伝えしたとおり、パワーコンディショナーと、一体型となっているタイプもありますので、そもそも、家庭用の太陽光発電では、接続箱を設置しないケースもあります。
また、屋内に接続箱を設置する場合は、配線を屋内に引き込むために、住居の壁に穴を開けなければならないというデメリットがあります。
壁に穴を開けるのが嫌な場合は、接続箱は屋外に設置してください。屋外の場合も、壁に穴を開ける必要はありますが、屋内用に比べれば小さな穴で済みます。
屋外用の接続箱
「屋外用」の接続箱は、産業用の太陽光発電システムなどに用いられます。
屋外ということで、雨風や直射日光から守るために、特殊な加工が施されている場合が多く、その分屋内用と比較すると、料金が高く設定されているのがデメリットです。
確かに料金は高くなるけど、故障した場合に修理や交換をすることを考えれば、必要経費だと割り切ったほうがいいかも!
太陽光発電は、構築する機器1つにしても、メーカーや施工会社によって料金が大きく異なるから、必ず見積もりは複数依頼してね!
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接続箱を選ぶポイント 6選
接続箱を選ぶポイントは、以下のとおりです。
- 昇圧機能
- 最大入力電圧
- 施工性
- 防水
- 放熱性
- 逆流対策
それぞれ、詳しく解説をしていきます。
昇圧機能
「昇圧機能」とは、その名のとおり「電圧」を「上げる」機能のことです。
産業用の大規模な太陽光発電所の場合、太陽光パネルを複数枚繋いで、いくつかのブロックを形成します。
様々な要因で、ブロック内の電圧にバラつきが生じた場合、接続箱が干渉して、電圧を均等に揃えるために、低い部分の電圧を上げてくれます。
これが「昇圧機能」です。
ブロック内の電圧が揃っていないと、太陽光パネルを並列接続する場合に、電力ロスが発生してしまいます。
昇圧機能で電圧を揃えることによって、電力ロスを最小限に抑えることができるのです。
最大入力電圧
「最大入力電圧」が高ければ、多くの太陽光パネルを、1つのブロックにまとめることができます。
ブロック数が少なければ、その分、接続箱の数も節約できますし、配線の数が少なくなれば、電力ロスも抑えることができます。
ブロック数が少なくなれば、土地の節約にもなるよね!
広い土地は、買うにしても借りるにしてもお金が掛かるから、最小限の敷地面積で太陽光パネルをたくさん設置できるのは嬉しいね♬
施工性
「施工性」が高い接続箱は、工事期間の短縮に繋がります。
近頃は、従来の接続箱よりも、大きさがコンパクトなタイプが主流となってきています。
太陽光パネルの下など、狭い空間に接続箱を設置する場合、接続箱自体の大きさがコンパクトなら、設置できる箇所の選択肢が増え、工事の手間を減らすことができます。
大規模な太陽光発電システムの場合、使用する接続箱の数も増えるので、工事の手間が減らせるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
防水
「防水」は、接続箱を屋外に設置する場合は、必須の対策となります。
屋外であっても、なるべく軒下などを選んで接続箱を設置しますが、完全に雨風から守れるわけではありません。
そのため、接続箱自体に、防水など特殊な加工を施すことにより、雨風などで故障するリスクを抑えることが重要です。
放熱性
「放熱性」を高めることで、接続箱内の温度上昇を防ぐことができます。
たとえば、携帯ゲーム機や、スマートフォンでも、長時間使用していると、本体が熱を帯びることがありますよね?
あるある!炎天下の中でスマートフォンを操作していたら、内部に熱が籠ってカメラ機能が作動しなくなったことがあるよ!
電気機器が熱を持ってしまうと、性能の低下や、故障に繋がってしまうので、機器の内部で発生した熱を逃がしてくれる「放熱性」は、非常に重要な機能だと言えるでしょう。
逆流対策
「逆流対策」は、太陽光発電に限らず、様々な電気機器で重要なことです。
太陽光発電システムの場合、発電設備から系統側に電力が流れることを「逆潮流」と言います。
逆潮流が発生すると、パワーコンディショナーなどの機器が故障する危険性があるのです。
この事態を防ぐために、接続箱には「逆潮流防止対策」の機能が備わっているタイプがあります。
接続箱の最適な設置場所
接続箱を設置するのに最適なのは「メンテナンスが容易」な場所です。
もちろん、経年劣化や故障を防ぐために、雨風に直接さらされない場所を選ぶことも重要ですが、接続箱も電気機器である以上は、メンテナンスは不可欠です。
どのような電気機器にも寿命がありますが、定期的にメンテナンスを行うことで、故障を防ぐだけでなく、接続箱の寿命を延ばすことができます。
太陽光発電の接続箱とは?まとめ
ここまで、接続箱の「役割」や「集電箱との違い」などを解説してきました。
まとめると、以下のようになります。
接続箱の「役割」と「集電箱」の違い
- 接続箱は太陽光パネルが発電した直流電力をパワーコンディショナーに送る
- 集電箱は複数の接続箱から送られる電力を1つにまとめる
接続箱の種類
- 家庭用
- 産業用
- 屋内用
- 屋外用
接続箱を選ぶポイント 6選
- 昇圧機能
- 最大入力電圧
- 施工性
- 防水
- 放熱性
- 逆流対策
太陽光発電システムにおいて、接続箱は必要不可欠な装置です。
接続箱がパワーコンディショナーに電力を送ることで「自家消費」や「売電」に電力を使うことができます。
接続箱の「種類」や「選ぶポイント」もお伝えしましたので、ぜひ、ご自分に合った接続箱を選択してください。