「安易にオール電化にしちゃうと失敗するよ!」なんて聞くけど、実際のところどうなのか心配……。
オール電化の導入を後悔する理由はいくつかあるから、どのようなものがあるのか解説するね!
オール電化はやめとけと言われる理由
オール電化には弱点があり、簡単にまとめると以下の8つが挙げられます。
- 昼間の光熱費が高くなる
- 導入する際の初期費用が高額である
- メンテナンス費用がかかる
- IHクッキングヒーターが人によって好みが分かれる
- 停電すると何もできない
- お湯を使い切ると一定時間はお湯が使えない
- エコキュートのデメリットが目立つ
- 電磁波の影響が少なからず出る
それぞれどのようなものなのか、1つずつ紹介します。
昼間の光熱費が高くなる
オール電化における最大の弱点とされるのが、光熱費が高くなることです。
オール電化を導入したい方の中には、光熱費が安くなると思っていた方がいるかもしれませんが、実は高くなる可能性があります。
実際に北海道ガス株式会社が試算したデータによると、1年間の光熱費はオール電化よりもエネファームのほうが圧倒的に安いことが分かります。
設備 | 1年間の光熱費 |
---|---|
エネファーム | 22万円 |
オール電化 | 38万円 |
従来型 | 59万円 |
コストがかかるからこそ、もしオール電化にしようと考えているのであれば、お金の部分もチェックしておきましょう。
この背景にあるのが、電気の料金プランです。
電気の料金プランによっては、夜間の時間帯の電気代が安くなるものもあります。
オール電化は夜にお湯を沸かし、そのお湯を給湯に使うというシステムであるため、そのプランのほうが良いと思うかもしれません。
ただ、そういった夜型に重きを置いたプランは昼間の電気代が高くなりやすいというデメリットがあります。
もしそのデメリットを知っていなければ、オール電化を導入した後に光熱費が非常に高くなってしまうことにびっくりして、後悔してしまうかもしれません。
導入する際の初期費用が高額である
オール電化は気軽に導入できるものではなく、導入時の費用がどうしてもかかってしまいます。
例えばエコキュートや蓄熱暖房機の場合、本体費用と工事費が発生します。
その他、基礎工事費用や水道関連の工事費用、電気工事費用などもかかってしまうため、ある程度予算を用意した上で導入するかどうか考えるようにしましょう。
メンテナンス費用がかかる
多くのオール電化機器は精密機械であることから、オール電化は1度導入すればOKというわけではなく、その後のメンテナンスも必要です。
また、何らかの理由で買い替えが求められる場合、その際の費用がかかってしまいます。
ただ、メンテナンス費用がかかるから必ずしも損するとは限りません。
特に太陽光発電システムの場合は電気代の節約につながる上に、余った電力は電気会社に売れるため、お得に活用できるでしょう。
IHクッキングヒーターが人によって好みが分かれる
オール電化の1つとしてIHクッキングヒーターがありますが、人によっては不便に思えるかもしれません。
IHクッキングヒーターは一部の調理器具では利用できない上に、ヒーターの表面や鍋底の具材が焦げてしまう恐れがあります。
そのことから料理が好きな方や好きな調理器具を使いたい方の場合は、IHクッキングヒーターだと使いにくいと思うかもしれません。
停電すると何もできない
オール電化を導入する際には、停電のことも考えなくてはなりません。
オール電化の場合は多くのものが電気で動くようになっているため、もし何らかの理由で停電してしまうと、一気に全てのものが使えなくなってしまいます。
季節によっては、エアコンや給油機などのライフラインがほとんど止まってしまい、死活問題になってしまいます。
お湯を使い切ると一定時間はお湯が使えない
オール電化では、夜間の電気代が安い時間にまとめてお湯を沸かして、お風呂や洗面所の使用に必要な温水を確保します。
しかし、一度にたくさんのお湯を使うと、お湯を使い切ってしまうケースも。
こうなってしまうと、再度お湯を沸かすまでお湯が使えなくなってしまいます。時間帯によっては昼間の電気代が高いため、再度お湯を沸かす際に光熱費が上がってしまうこともあります。
このような点から、オール電化システムを利用する際には、お湯の使い方に注意することが重要と言えます。
エコキュートのデメリットが目立つ
エコキュートは便利なものである一方、後悔する人もいます。
その1つとして挙げられるのが、騒音です。
騒音といっても大音量ではありませんが、エコキュートが動いている最中はジーというような低周波音がします。
基本的にエコキュートは夜に動くものであるため、その音が睡眠を邪魔してしまい、思うように寝付けないかもしれません。
また、エコキュートは設置場所にも気をつけなければならないという欠点もあります。
サイズが大きい機器であるがゆえに場所を選んでしまうため、設置場所を確保したり補強したりするなどの理由で費用がさらにかかることもあるのです。
電磁波の影響が少なからず出る
IHクッキングヒーターはオール電化システムの一部ですが、IHから発せられる電磁波が人体に悪影響を及ぼすという声が挙がることも珍しくありません。
特に妊婦さんは、赤ちゃんに害を及ぼす可能性があるということを心配する方も多いでしょう。
しかし、IHクッキングヒーターの電磁波が実際に人体に悪影響を及ぼすことは現時点では科学的には証明されていません。また、IHクッキングヒーターを使用することで生じる電磁波は、一般的な家庭で使用する電化製品に比べて非常に少ないとされています。
オール電化で後悔しないためのポイント
オール電化は人によって向き不向きがあるからこそ、導入するかどうか悩んでいる方もいるかもしれません。
もしそうであるならば、オール電化を導入して後悔しないためのポイントを踏まえて考えてみるのがおすすめです。
簡単にポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 料金シミュレーションをしておく
- 補助金制度を活用する
- オール電化の家に住んでいる人に聞いてみる
- 太陽光発電との併用を考えておく
ポイントを覚えておくことで、導入後に後悔してしまう可能性を減らせるでしょう。
料金シミュレーションをしておく
オール電化は初期費用がかかるため、導入前にどのくらいの予算を用意しておけばよいのか見積もっておくのがおすすめです。
その際におすすめしたいものが、料金シミュレーションです。
料金シミュレーションを使うことにより、どのくらいの費用がかかるのか把握しやすくなり、予算も決めやすくなるでしょう。
また、業者に見積もってもらった際の金額が安いかどうかも判断しやすくなります。
補助金制度を活用する
オール電化に関する補助金制度は複数あり、地方自治体が行っているものもあります。
そのため、オール電化にしたいと考えているのであれば、国や地方自治体のホームページをチェックしてみましょう。
時期によっては補助金制度の申請期間が終了している可能性もあります。
オール電化の家に住んでいる人に聞いてみる
オール電化は多くの家で導入されているからこそ、実際にオール電化の家に住んでいる人に気になることを聞いてみるのもおすすめです。
実際に住んでみて感じたメリットやデメリットなどを教えてくれるかもしれません。
ただし、業者ではないからこそ、最終的にはオール電化リフォームをしてくれる業者と話し合ってどうするか決めるようにしましょう。
太陽光発電との併用を考えておく
オール電化に関しては、太陽光発電と併用するのもおすすめです。
太陽光発電を使うことで自宅で発電できるようになり、電気代の節約につながります。
その上、余剰分は電気会社へ売れることから、余ってしまった電力を無駄にすることはありません。
ただし、太陽光発電で電気料金がかからなくなるほどまかなうことはできないため、あくまで併用する形で使うようにしましょう。
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オール電化が向いている家庭
上記で紹介したように、オール電化にはいくつかの欠点があり、導入して後悔する人もいます。
ただ、欠点を持っているからといってどのような人にも向いていないというわけではありません。
もしこれからオール電化を導入しようと考えているのであれば、以下で紹介している内容に自分が当てはまるかどうか照らし合わせてみましょう。
昼間に家に人がいない家庭
オール電化の場合、電気の料金プランの影響で光熱費が高額になってしまうことがあります。
しかし、この欠点は昼間家にいない人にはあまり当てはまりません。
オール電化でよく選ばれているプランは昼間の電気代が高くなるというデメリットがあるものの、その時間帯に使わなければ、これまでよりも高くなる可能性が低いでしょう。
家族の安全性を重視している家庭
オール電化にすると、ガスを使う出番がなくなります。
その結果、ガス漏れややけどなどの危険性がなくなり、子どもや高齢者が安心して生活できる空間になります。
もし子どもや高齢者のみで家に過ごす日や時間帯があるならば、オール電化にしたほうが良いでしょう。
オール電化が向いている人
下記のようなニーズを持っている人は、オール電化を導入することで高い満足を得ることができるでしょう。
- 設備を綺麗にしたい人
- 掃除を楽にしたい人
- プロパンガスを利用している人
自身が該当する項目を確認してみてください。
設備を綺麗にしたい人
オール電化に切り替えることで、エコキュートやIHクッキングヒーターなどの新しい設備が設置されます。
最近の設備は性能だけでなく外観にもこだわったものが多く、現代的で綺麗な印象を受けます。
例えば作り込まれたIHクッキングヒーターは、ガスコンロに比べてスタイリッシュなデザインが魅力ですよね。
また、オール電化に伴い、洗面台などの設備も新しいものに交換することも可能です。こういった機器周りが交換されると、自然とお家全体の雰囲気も一新されます。
掃除を楽にしたい人
オール電化を導入すると必然的にガスコンロではなく、IHクッキングヒーターを利用することになります。
IHは御存知のとおり、天板がフラットで掃除が楽であることが最大のメリットです。ガスコンロと比べても、五徳を取り外しても凹凸がないので、掃除が非常に容易です。
火力も問題なく、掃除も楽なため、オール電化にしている人からは掃除の容易さで高い満足を得られているケースが多くなっています。
IHクッキングヒーターは完全にフラットな形状なので、掃除を楽にしたい人には非常におすすめと言えるでしょう。
プロパンガスを利用している人
プロパンガスからオール電化に切り替えることで、光熱費が安くなる可能性があります。
実際にプロパンガスからオール電化に変えたユーザーの間では、「毎月5,000円程度の費用が節約できた」という声が多くなっています。
オール電化はデメリットまで把握した上で導入しよう
オール電化は必ずしも良いものとは限らず、人によっては日中の光熱費が高くなったりエコキュートの音に悩まされたりなどの理由で後悔してしまうかもしれません。
これからオール電化を導入しようと考えていたり、オール電化住宅を買おうとしていたりするのであれば、デメリットまで踏まえた上で考えることが大切です。
ライフスタイルも含めつつ、きちんと検討して導入することで、導入後にオール電化をやめたいというような後悔してしまうことがなくなるでしょう。