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太陽光発電の地震保険は火災保険とセット加入が必須?地震リスクにどう備えるか?

太陽光発電の地震保険 保険・保証

地震大国の日本において、住宅用・産業用問わず、地震や津波で太陽光発電が損壊・倒壊した場合の補償をどうするか悩んでいる人は多いでしょう。

「地震保険に加入しておけば、万が一のときで安心なのでは?」と思いますが、実際にはどうなのでしょうか。

また、「太陽光発電で地震保険だけの加入はできない」といった声も聞かれます。

2024年の今、太陽光発電設備の地震保険の加入に火災保険とのセット加入は必須なのでしょうか?

本記事では、そんな太陽光発電設備の地震保険と、そもそも加入の必要性があるのかどうかを詳しく掘り下げていきます。

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太陽光発電の地震保険は火災保険とセット加入が必須?

太陽光発電に関する地震保険とは

住宅に保険をかける場合、地震保険だけの契約はできません。

財務省でも、次のように説明があります。

地震保険単独での契約はできません。地震保険は、火災保険に付帯する方式での契約となりますので、火災保険とセットでご契約ください。すでに火災保険を契約されている方は、契約期間の中途からでも地震保険に加入できますので、ご契約の損害保険会社または代理店にご相談ください。

引用:財務省「地震保険だけ契約することはできますか」

では、住宅ではなく太陽光発電の場合、地震保険だけに加入できるのでしょうか?

地震保険はあるものの単独では入れない

地震保険は、単独で契約ができません。

火災保険に付帯する形で地震保険に加入ができるので、地震に対する備えを万全にするには、まずは火災保険の加入が必要になります。

なお、建物に太陽光パネルを後付けした場合は、必ず火災保険の見直しをしましょう。建物を補償している保険なので、後から太陽光パネルをつけても一緒に補償されると思うかもしれません。

しかし、太陽光パネルを設置すると一般的に建物の評価額が上がります。太陽光パネルの部分が適用されていない状態のままでは、以前の補償額では全額補償されない可能性があるからです。

太陽光パネルを含んで保険金設定する必要があるので注意してください。

地震保険に加入すべき?

地震保険ではなく、火災保険に入っていれば地震が原因の火災なら補償が受けられるのでは?と思うかもしれません。

しかし、火災保険に入っていても、地震によって火災が発生した場合は補償の対象外となります。

太陽光発電のメーカー保証でも地震による倒壊や損壊、火災は対象外。このほか、豪雨や落雷などの自然災害も対象外です。

そのため、火災保険とメーカー保証だけでは不安が残ります。近年はこれまで地震が少なかった地域でも甚大な被害が発生しているため、日本全国において地震に対する備えはしっかりとしておくべきでしょう。

太陽光発電の地震被害を抑えるためには?

太陽光発電の地震被害を抑えるためには?

地震発生時、太陽光発電設備の被害を最小限に留めるためには、設置場所が極めて重要となります。

野立ての太陽光発電は特に注意が必要

野立ての太陽光発電の場合、自然災害が起こるとその衝撃をダイレクトに受けることになります。特に切土・森土によって土台が安定していない土地や地盤が緩い場所では、豪雨によってメガソーラーの設置場所付近で土砂崩れが起こる可能性も。

実際、過去にこのようなケースで地域住民との間で歳晩となり、太陽光発電との関係が指摘される事例が相次いでいます。

熱海の土砂崩れの原因はメガソーラー?土石流の責任は太陽光発電なのか?
熱海はメガソーラーが原因で土砂崩れが発生したとSNSなどで話題になっていますが、果たしてあの悲惨な事故は、本当に太陽光発電を設置したことにより発生したものなのでしょうか?もしもそうなら、責任の所在はどうなっているのでしょうか?そんな熱海の土石流と太陽光発電の関係を見ていきましょう。

そのため、山の斜面や水はけが悪い場所への太陽光発電の設置は避けることが一般的なのですが、太陽光発電の代理店の一部には残念ながらこうした知識に乏しい人や、危険な土地だとわかっているのに契約を勧めてくる悪徳業者もいるので注意してください。

平地だからといって安心はできない

平地であっても河川や海が近い場所は、津波に遭う可能性があります。

地震による被害を極力抑えるには、沿岸に近い場所には設置しないようにしましょう。

太陽光発電は保険に加入すべき?

太陽光発電は保険に加入すべき?

資源エネルギー庁の「平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査」では、産業用太陽光発電の地震保険加入率は、低圧/高圧/特別高圧のどれも6%。加入率が低く、多くの産業用太陽光発電は地震保険には加入していません。

地震保険以外の保険に加入して補償を確保している個人・企業が多いのが現状です。

太陽光発電の保険

産業用太陽光発電は、以下2つのどちらか(または両方)の保険に加入しているケースが大半です。

  • 火災保険
  • 動産総合保険

火災や風災、水災など多くの自然災害に対応できるため、太陽光発電を安全・安心に稼働させるには必ず加入すべき保険といえるでしょう。

また、太陽光発電の保険には、ほかにも次のものがあります。

  • 賠償責任保証
  • 休業補償保険

近年は日本各地で風害・水害が多発しているため、手厚い補償を確保するには複数の保険に加入することも検討する必要があるでしょう。

保険と補償についての詳しい内容は、太陽光発電の保険加入は必要?を参考にしてください。

太陽光発電の保険加入は必要?メーカー保証外のトラブルも解説
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太陽光発電の保険料相場

保険料の相場は保険会社や条件などによって変わりますが、おおよその相場を知っておくと加入の検討する場合に目安となります。

保険の種類及び保険会社(参考例)別の相場は、以下のとおりです。

保険種類 年間保険料 条件
火災保険 22,210円
  • 新築住宅
  • 建物の保険金額が1,000円
動産保険 37,500~52,500円
  • 初期費用が150万円の場合(初期費用の2.5%~3.5%が保険相場)
休業補償保険 7,000円
  • 発電設備が48kWの場合
施設賠償責任保証 5,000円

保険料相場についての詳しい内容は、太陽光発電の保険料相場はいくら?を参考にしてください。

太陽光発電の保険料相場はいくら?保険の種類&年間費用まとめ
太陽光発電の保険料相場をまとめました。太陽光発電のランニングコストと合わせて年間でいくらぐらいかかるのか、事前に把握しておきましょう。保険と一口に言っても様々な種類のものがありますので、保証内容から金額まで、まるっとまとめて紹介しています。

太陽光発電で保険料を算定する基準

太陽光発電で保険料を算定する基準

太陽光発電の保険料は全国一律ではありません。

地震保険の場合、地震調査研究促進本部の「確率論的地震動予測地図」を用いて、損害保険料率算出機構によって算出されており、保険会社はこの料率を元に保険料を計算しています。

保険料の算出に影響を与える項目は、具体的には以下のとおりです。

建物の構造|木造or鉄筋

鉄筋コンクリート造(RC造)は木造に比べて耐震性・耐火性に優れており、1995年の阪神淡路大震災では、多くの木造家屋で倒壊や火災が発生しましたが、新耐震基準で建てられた鉄筋コンクリート造の建物の被害が少なかったことが挙げられました。

建物の構造によって地震や火災へのリスクに差があるため、保険料の算定基準に大きく関わります。

発電設備の構造

燃えやすい建材や材質を使っていれば、当然ながら火災が発生しやすくなるため、火災保険や動産保険では太陽光発電の構造によって保険料が変わります。

また、産業用太陽光発電の場合は、規模によって保険料の算定に影響を受けやすくなります。

所在地の災害リスク

地震や台風などの自然災害の発生率が高い地域や、地盤が緩いため雨が降ると土砂災害が懸念される地域などでは、保険料が高く設定される傾向にあります。

設置にかかった費用

太陽光パネルの設置費用も保険料の算定に大きく影響し、太陽光パネルの設置費用が高いほど、保険料も高くなります。

切妻屋根や片流れ屋根は、一面が広いため、南向きに太陽光パネルを設置すれば十分な発電量が期待できます。一方で、一面が狭い寄棟屋根や方型屋根は、南向きだけでは発電量が少ないので東向きや西向きにも設置が必要となることや、形状が複雑であればサイズの太陽光パネルを組み合わせて載せる必要があるため設置費用が高くなります。

特約の内容

特約とは基本補償(主契約)をカバーするためのオプションです。より補償を充実させられるので安心感がありますが、その分保険料は高くなります。

損害保険会社別に、以下の特約があるので参考にしてください。

損害保険会社名 特約名 内容
三井住友海上火災保険 特定機械設備水災補償特約 保険金を支払う水災の事故に該当しない場合でも、100万円を限度に保険金が支払われる
損保ジャパン 地震火災特約 地震が原因の火災に対し火災保険金額の80~100%の金額を補償
東京海上日動 廃棄費用&賠償責任保険 賠償責任保険にオプションとして太陽光パネルの廃棄費用の補償がつけられる

本当に必要なのか見極めた上で、検討するのがよいでしょう。

補償内容

補償内容は保険会社共通のものだけではなく、保険会社独自のものもあります。

保有している太陽光発電にはどのプランが良いのか、複数の保険会社のプランを比較してみましょう。

加入するタイミング

近年は、大雨特別警報や大雪特別警報など、数十年に一度レベルとされる異常な量の雨や雪が降り、それに伴って各地で被害が多発しています。

こうした状況により、複数の損害保険会社が2022年10月に火災保険料を改定し、値上げを行っています。

今後も自然災害による被害が続けば、さらに保険料が上がる可能性はあるでしょう。

太陽光発電で損をしないためにできること

太陽光発電で損をしないためにできること

太陽光発電は設置して終わりではありません。

むしろ設置後の運用をしっかりと考えておかなければ、電気代を安くしたり売電で収益を得るために設置したはずの太陽光発電で損をしてしまうかもしれません。

太陽光発電を設置したら、以下の2点を習慣にしましょう。

モニターチェック

太陽光発電のモニターでは、発電の状況や電気の使用状況がわかります。

一日一回、確認する習慣をつけると、発電量が極端に下がっている場合に気づきやすくなり、設備のトラブルに迅速に対応できます。

そのまま知らずに稼働させていると、出力不足が原因で、本来得られていたはずの発電量が得られず損をしてしまうだけではありません。小さな故障を放置していると、後に大きなトラブルに発展してしまう可能性も。簡単な部品の交換するだけで修理が済む程度だったものが広範囲で修理が必要になり、費用が高くなってしまうケースもあります。

定期点検

資源エネルギー庁が公表している「事業計画策定ガイドライン」には、定期点検の時期や内容について具体的な記述はされていません。

しかし、民間団体のガイドラインを参考にする促されており、一般社団法人日本電機工業会と太陽光発電協会による「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」に沿って、設置してから1年後に初回点検を行った以降は、およそ4年に1回の頻度の点検が推奨されています。

太陽光発電のメーカー保証の期間は10年なので、期間間近となる導入9年目の点検は特に重要です。

なお、2017年4月1日に施行された改正FIT法により、これまで50kW以上の産業用太陽光発電のみ点検が義務となっていましたが、住宅用太陽光発電でも保守点検が義務化されているので注意してください。

また、専門業者やメーカーによる点検以外にも、日ごろから個人でパワーコンディショナーの調子を確認しておきましょう。変な音や臭いがする、本体が熱いなどの異常があればすぐに業者に連絡でき、適切な対応が行えます。このように、トラブルの発生に意識を向けておくのも大切です。

太陽光発電のために地震保険は必要だがほかの保険との比較もすべき

太陽光発電のために地震保険は必要だがほかの保険との比較もすべき

地震保険によって地震による被害の補償を受けるには、火災保険への加入が必須となります。

日本で太陽光発電を運用する場合は地震リスクを見据え、地震保険に加入して安全への備えを行いましょう。特に産業用太陽光発電では、保険未加入では企業としてのモラルが疑われてしまいます。

また、火災保険・地震保険に加入しておけば万全とはいい切れません。火災保険では電気的事故・機械的事故の補償は対象外なので、リスクを手厚くカバーするなら動産保険、地震で設備が壊れて売電ができなくなってしまった場合の補償は休業補償保険、所有する太陽光発電の倒壊などで周囲の建物や歩行者などが被害に遭ったときは賠償責任保険があると安心です。

太陽光発電の設置場所や設備状況などに合わせて、柔軟な保険選びを行いましょう。

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