瓦屋根でも、太陽光発電は設置できるの?
リスクや気を付けるポイントがあれば知りたい!
太陽光発電は瓦屋根に設置できる?
太陽パネル(太陽光モジュール)が落ちないよう、屋根にしっかりと固定しなければならない太陽光発電設備について、瓦屋根には取り付けられないと考えている人は少なくありません。
結論からいうと、瓦屋根であっても太陽光発電設備を取り付けることは可能です。ただし、取り付けられない屋根もあるため注意は必要です。
ここでは、太陽光発電を瓦屋根に取り付けられる理由と、取り付けられないタイプについて解説していきます。
瓦屋根には設置できる
太陽光パネルを屋根に設置する際、屋根そのものに乗せると考えている人は多く「瓦は落ちやすいのでは?」というイメージから、エコに関心があるものの瓦屋根だと太陽光発電は設置できないと思われ諦めがちです。
しかし、実際は瓦屋根の住宅であっても太陽光発電設備を設置できます。その理由は、太陽光パネルの設置は瓦に乗せるのではなく、その下の骨組み(垂木)に対して固定を行うからです。
瓦に直接乗せて取り付ける方法もありますが、その際には支持瓦と呼ばれる太陽光パネルと取り付けられるものに変更して行われます。
このことからも分かるように、瓦屋根であっても太陽光パネルの設置は可能なのです。
なお、瓦一体型といった太陽光パネルと瓦が一体化した製品も販売されています。瓦一体型の太陽光発電パネルには、太陽電池が数列に並んで配置されており、太陽光のエネルギーを受け取り、電力に変換します。太陽光発電パネル全体が瓦に一体化されているため、瓦屋根に太陽光発電を導入する際に、美観を損なわずに太陽光発電を行うことができるため、こちらも選択肢に入れてみるのも良いでしょう。
設置不可な屋根の形状とは?
瓦屋根であっても太陽光パネルの設置は可能ですが、垂木や野地板がない屋根には架台を設置することができません。
家屋において垂木や野地板がないことはほとんどありませんが、物置のような住居以外への設置を検討している際には注意が必要です。
また、陶器瓦に太陽光パネルを設置することは可能ですが、設置方法には注意が必要です。陶器瓦の表面は比較的滑りやすく、風や地震などの外力に弱いため、専用の架台を使用してしっかりと固定しなければなりません。加えて、陶器瓦に設置する場合、通常の屋根と異なり、屋根自体が比較的重いため、建物の耐荷重についても要確認です。
このように、屋根の形状が複雑で、太陽光パネルを設置するスペースが確保できないといったケースでも取付不可となる可能性があるため、事前に業者へ確認するようにしましょう。
太陽光発電を瓦屋根にあると雨漏りが起こる?
瓦屋根にソーラーパネルを取り付ける際に穴を開けることで「雨漏りするのでは?」と疑問やトラブルに対する不安を感じる人もいることでしょう。
ここでは、太陽光発電を瓦屋根に取り付けると雨漏りが起きるのかについて解説していきます。
施工不良による雨漏りのリスクはある
瓦に穴を開けて取り付けを行いますが、開けた穴の隙間を埋める措置や防水シートをはじめとする雨漏り防止対策を行いながら施工するため、基本的には瓦屋根への設置だからといって雨漏りをするわけではありません。
しかし、施工不良による雨漏りのリスクがゼロではないのが現実です。また、設置する建物が古く、経年劣化が激しい場合にも雨漏りする可能性があるでしょう。DIYでの設置も難易度が高いことから、控えた方が賢明であるといえます。
このようなリスクを少しでも軽減するためには、信頼できる施工業者に依頼することです。
業者への依頼時、つい費用にばかり目が行きがちですが、安く済ませて施工不良が発生していては意味がありません。むしろ、修繕費で余計な出費や自宅が水浸しになってしまうトラブルが発生してしまいます。
こうした事態に陥らないよう、業者選びの際は相見積もりを取るとともに、評判も十分に調べて検討するようにしましょう。
定期的なメンテナンスが重要
太陽光発電設備はメンテナンスが必要ですが、特に瓦屋根の場合には定期的に点検を行うことが重要です。雨漏りしてから依頼するのでは遅く、住まいに被害が出てしまいます。
業者によってメンテナンスの保証は異なり、施工初年度のみ無償で対応してくれるところもあれば、10年といった長期的に保証してくれるところもあります。
太陽光発電の寿命は約30年といわれているため、ランニングコストを抑えるためにもサポートが充実している業者選びをすることもポイントです。
なお、確認のための相談は無料でできることがほとんどであるため、家庭用・産業用問わず疑問があれば気軽に問い合わせてみると良いでしょう。
雨漏りの保証を確認しておく
太陽光メーカーによっては雨漏りを保証してくれるところもありますが、雨漏りの発生の多くは施工不良が原因で発生するため、製品に対するもの以外のメーカー保証はないといっても過言ではありません。
施工会社では雨漏り保証を付けてくれるところもあるため、不安を感じている人はサポートの手厚さを基準に選定するのも良いでしょう。
保証内容を確認する際には、単に中身だけではなく保証が適用される条件まできちんと確認することが重要です。
穴を空けない施工方法が安心
瓦屋根に太陽光パネルを設置する上で、雨漏りするかもしれないことが心配な人は、穴を開けない施工方法を選ぶと安心できます。
「支持瓦工法」「キャッチ法」「シンプルレイエ法」など、穴を開けない施工方法にも種類があるため、どのような方法が良いのか事前に調べておくと業者との打ち合わせもスムーズです。
なお、穴を開けない方法は費用も割高になりがちであるため、そちらも加味して検討するようにしましょう。
太陽光発電を瓦屋根に導入するときの施工方法
太陽光発電設備を瓦屋根に導入する際、様々な方法があり、見た目や丈夫さといった特徴にも違いがあります。
ここでは、瓦屋根に太陽光発電を設置する際に代表的な3つの施工方法について解説していきます。
施工方法 | 瓦への穴あけ | 特徴 |
---|---|---|
支持瓦工法 | 無し | 雨漏りの心配が少ない |
差込金具工法 | 無し | 頑丈かつ見た目が綺麗 |
アンカー工法 | あり | 大雪にも耐える頑丈さ |
支持瓦工法
支持瓦工法は、太陽光パネルを瓦と同じ形状の支持瓦という特殊な瓦に取り付けることで設置する方法です。この支持瓦は、通常の瓦と同じように屋根に固定され、太陽光パネルが載る台座として機能します。この方法であれば、太陽光パネルが瓦の上に乗る形で設置されるため、外観がきれいに保たれるのもポイントです。
また、支持瓦工法では、太陽光パネルを瓦の上に直接載せることができるため、屋根全体に重量が分散されるため、安定性が高く耐風性も向上します。さらに、瓦屋根の保温性能を損なわないため、屋根からの熱損失も最小限に抑えられます。
多くのメリットが支持瓦工法ですが、一般的に屋根の構造や瓦の形状によって太陽光パネルの取り付け位置や角度が限定される場合があるため注意しましょう。
差込金具工法
差込金具工法は、瓦の間に差し込む金具を利用して、太陽光パネルを取り付ける方法です。
こちらの工法では、瓦の間に差し込む金具を使用するため、太陽光パネルを直接瓦屋根に取り付けることができます。この方法であれば、太陽光パネルが瓦の上に乗る形で設置されるため、支持瓦工法と同様に外観がきれいに保たれます。
差込金具工法では瓦の形状やサイズに応じて、専用の差込金具の選択が必要です。加えて、屋根の角度や設置場所によっては、太陽光パネルを取り付けるために必要な金具の数や配置について専門家に相談するようにしましょう。
一般的に差込金具工法は、瓦屋根の形状や素材によっては取り付けが難しい場合もあります。太陽光パネルの重量によっては瓦の強度を超える場合があるため、必要に応じて補強工事が必要となることも知識として覚えておきましょう。
アンカー工法
アンカー工法は、太陽光パネルを屋根の構造体に直接固定することで、非常に頑丈な取り付けを実現する方法です。
この工法では、まず屋根の構造体に取り付けるためのアンカーボルトを取り付けます。このアンカーボルトは、一般的に屋根裏から取り付けられ、屋根裏側でボルトを固定することで、外側に出った部分に太陽光パネルを取り付けます。
次に、アンカーボルトに取り付けるための支持フレームを取り付けられ、このフレームは太陽光パネルを支えるためのもので、アルミやステンレス鋼などの軽量で耐久性の高い材料で作られているのが一般的です。
最後に、太陽光パネルを支持フレームに取り付けます。この際、太陽光パネルにはフレームに取り付けるための固定ネジやクランプが用意されており、取り付けることができます。また、太陽光パネルを載せる位置や角度は、取り付けたアンカーボルトの位置や向きに合わせて調整することも可能です。
このようにアンカー工法は、瓦屋根に太陽光パネルを強固に取り付けることができるため、耐久性や耐風性が高く、長期的な安定性を保つことが特徴的な方法であるため丈夫さを優先したい人に向いているといえるでしょう。
太陽光発電と瓦屋根の注意点
瓦屋根でも設置可能な太陽光発電ですが、その際には注意しなければならないこともあります。
屋根の形状や向きによってはできない
瓦屋根に限ったことではありませんが、太陽光パネルの設置にはスペースが必要であるため、複雑な形状の屋根や十分なスペースを確保できない屋根には設置することができません。
また、当然ながら太陽光発電は太陽の光がなければ十分な発電量を得られないため、設置する屋根の向きや地域の日射量をはじめとする環境面も非常に重要な要素です。
このように、屋根の形状やスペース、取り付けようとしている向きによっては太陽光発電システムを設置できないため注意しましょう。
設置難易度と業者の技術のバランスを取る
瓦屋根に太陽光パネルを設置する方法には、骨組みに穴を開けて固定するものもあり、屋根の状態によっては設置の難易度が高くなります。
また、施工不良によって雨漏りするリスクもゼロではないため、価格だけではなく業者の技術力の高さに目を向けることも非常に重要です。費用を抑えたい人は、国やエリアの地方自治体から受給できる補助金制度をチェックしてみると良いでしょう。
取り付けようとしている屋根の設置難易度と依頼する業者の技術力のバランスが釣り合うよう、複数社から見積もりをもらって比較して慎重に業者選びをすることをおすすめします。
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太陽光発電は瓦屋根でも設置可能!工法は要確認
地震や台風などの自然災害によって、瓦が落ちる様子をテレビをはじめとするメディアで目にする機会は多く、そのため太陽光発電を瓦屋根に付けることはできないと思われがちです。しかし、実際は瓦屋根にも太陽光パネルと取り付けることは可能であり、様々な方法があります。
瓦に直接乗せるのではなく骨組みに穴を開けて固定する方法もあり、落下する危険性を軽減することができる反面、施工不良によって雨漏りするリスクもあることを理解することもポイントです。
瓦屋根に太陽光パネルと取り付けるには業者の技術力も非常に重要な要素であるため、信頼できる業者に依頼できるよう複数社から相見積もりを取るとともに、評判・口コミや実績なども入念にチェックするようにしましょう。
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