カーポートバルコニーがあるお宅はおしゃれだけど、外から見えない場所が多くて空き巣に狙われそうじゃない?
侵入者が隠れる場所になってしまうのも、カーポートバルコニーのデメリットと言えるわね。
なら、カーポートバルコニーはないほうが良いのかな?
デメリットもあるけど、しっかり対策すれば、カーポートバルコニーは楽しい空間にできるのよ。一緒に楽しく使う方法を確認していこう。
カーポートバルコニーで後悔するデメリット
カーポートバルコニーがあると、1階は駐車場、屋根の上をバルコニーとして、限られた敷地でも空間を縦に有効活用できますが、マイナスに感じる部分もあります。
例えばカーポートバルコニーがあることで不審者が隠れやすく不法侵入をさせてしまったり、購入時の費用が高かったりする点などが挙げられます。
それでは、カーポートバルコニーにおいてどのようなデメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
侵入者に悪用されやすい
カーポートバルコニーは転落防止とプライバシーを守る意味で、屋根の上のデッキ部分には必ずフェンスやウッドデッキの壁が取り付けられています。
家族が快適に過ごすためのフェンスやウッドデッキが不審者も身を隠しやすい場所になり、旅行などで長期間留守にする場合に空き巣に入られる可能性があります。
なるべく死角を作らず外や宅内から見えにくい場所が映るように防犯カメラを設置すれば、侵入者に悪用されにくくできるでしょう。
設置費用が高い
通常のカーポートと比較すると、バルコニー部分の部材や施工の工程が増えるためカーポートバルコニーの購入費用は高額になります。
ただ、カーポートバルコニーは独立型と壁付け型の2種類あり、どちらのタイプかによっても金額が変わってきます。
壁付けタイプは建物に隣接させて設置するため住宅の2階の窓から出入りできますが、独立タイプはバルコニーに登るための階段も必要なため割高です。
特に個人の希望を詰め込んだオーダーメイドのカーポートの場合、費用が高額になりがちです。
暗くなりやすい
カーポートバルコニーでは、人が屋根に登って快適に過ごせるように強度のある素材がデッキ材として採用されているため、光の透過性がなく1階の駐車スペースが暗くなりがちです。
中が暗いと、夜間は特に周囲が見えずに駐車しにくくなったり、柱などにぶつかって転倒の原因になったりします。
人の出入りに反応して明るくなる人感センサ―付きのライトを設置すると、防犯対策にもなるのでおすすめです。
日差しを遮る
リフォームで壁付けタイプのカーポートバルコニーを後付けする場合に、1階の住居部分に日差しが届きにくくなる可能性があります。
日中も自宅で過ごす家族がいてなるべく日差しを遮らないようにしたい場合は、業者とよく相談しながら設置場所やメーカー、デザインなどを選ぶと良いでしょう。
建ぺい率によっては建てられない
カーポートバルコニーは法律上建物に分類されるため、建築基準法で定められている建ぺい率の範囲に収まるように設置する必要があります。
建ぺい率とは一つの土地に建物を建築できる面積を指し、市区町村ごとに上限が定められています。
住宅部分で既に使っている面積によっては、希望のサイズのカーポートバルコニーが設置できないかもしれません。
カーポートバルコニーを建てられるかが分からない場合は、業者に問い合わせるようにしましょう。
カーポートバルコニーのメリット
デメリットが目立つカーポートバルコニーですが、良い点もあります。
例えばスペースを有効に使える点や、外部からの視線を遮ってプライバシーを守れる点などはメリットと言えます。
カーポートバルコニーを設置すれば、どのような利点があるのかを具体的に見ていきましょう。
スペースを有効に活用できる
カーポートバルコニーの一番のメリットは、縦に空間を使って有効活用できる点です。
広さが限られた土地ではガレージを建てて、住居や庭もじゅうぶんな広さを横並びで確保するのは難しいでしょう。
しかし、カーポートバルコニーなら、屋根付きの駐車場もバルコニーも手に入ります。
外からの視線を防げる
カーポートバルコニーは住宅の前に設置するため、外から宅内の様子が見えにくくなる点がメリットです。
通常のカーポートでは、屋根やサイドパネルにポリカーボネートなどの透明な素材が使われていることが多く、住居部分への視線を妨げる効果は期待できません。
しかし、カーポートバルコニーなら屋根の上にフェンスが付いているため、外部からの視線を妨げられるのでプライバシーを守れます。
車の劣化を防げる
車は屋外にあるのが大前提で駐車場に屋根がなくても劣化するイメージがあまりないですが、紫外線や花粉、水垢などが塗装部分の劣化に繋がります。
また、鳥のフンが付いたまま放置するとフンに含まれているアルカリ成分が車の塗装を剥がれやすくするため、正しい方法で早めに除去する必要があります。
愛車を劣化させる要因から守れる点も、カーポートバルコニーを設置するメリットの一つです。
固定資産税がかからない場合が多い
カーポートバルコニーを設置するメリットとはあまり関連がありませんが、土地や住宅などに課税される固定資産税の課税対象にならないケースが多いです。
カーポートバルコニーが固定資産税の対象になるのは、次に挙げる3つの要素全てを満たす場合のみです。
性質 | 判断材料 |
---|---|
定着性 | 土地に固定される建物かどうか |
用途性 | カーポート内で居住できるかどうか |
外気遮風性 | 1階部分で3方向に壁が設置されているかどうか |
定着性と用途性は、ほぼ全てのカーポートバルコニーが該当します。
しかし、1階部分は柱のみで構成される製品が多く、3つ目の外気遮風性はほとんどのカーポートバルコニーで条件を満たさないため、固定資産税の課税対象外になることが多いです。
カーポートバルコニーの使用例
カーポートバルコニーを設置しても、デッキ部分をどのように活用できるのかイメージが湧かないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
広いスペースを使って家族で団らんできる場にしたり、日当たりの良さを使ってガーデニングや洗濯物を干す場所にしたりといった使い方が考えられます。
実際の使用例を知ることでおしゃれなカーポートのアイデアや、カーポートの色の選択に役立ちますので、具体的な使用例を見ていきましょう。
バーベキュー
晴れている日には、カーポートバルコニーのデッキ部分でバーベキューや七輪での炭火焼などを楽しめます。
1階の庭先でもバーベキューはできますが、通行人の視線が気になってあまり楽しめないかもしれません。
カーポートバルコニーならデッキの上をフェンスで囲っているので、人目を気にせずに自宅でレジャー気分を味わえます。
天体観測
カーポートバルコニーは屋根がないので、天体観測にもおすすめです。
通常のベランダでも天体観測はできますが、屋根があるため望遠鏡を置く位置やレンズを向ける方向が限定されてしまいます。
一方で、カーポートバルコニーなら望遠鏡設置場所などの制限が少ないため、天体観測に適していると言えます。
家庭菜園・ガーデニング
カーポートバルコニーの屋根の上にプランターを置いて、家庭菜園やガーデニングも楽しめます。
日を遮るものがなく日当たりが抜群に良いのでほとんどの植物には最適な環境ですが、直射日光に弱い観葉植物などを育てる場合は日よけが必要です。
また、冬場の霜がおりる時期は植物が痛まないように、農業用の寒冷紗(かんれいしゃ)を被せるなどの対策をするようにしましょう。
子供の遊び場
小さいお子様がいるご家庭の場合は、遊び場としてもカーポートバルコニーを利用できます。
ただし、お子様だけで遊ぶ場合は危険もあるため次のような安全対策が必要です。
- フェンスの間隔を狭くして小さいお子様もすり抜けられないようにする
- デッキ上のフェンスによじ登れないように高さをつける
しっかりと対策をすれば、自宅前の道路で遊ぶ場合よりも安心してお子様に外で遊んでもらえます。
洗濯物干しスペース
屋根がなくて日当たりが良いのでカーポートバルコニーのデッキは、洗濯物を干す場所にも向いています。
ただ、独立タイプのカーポートバルコニーの場合は室内からすぐにデッキに出られないため、洗濯物の持ち運びが大変そうです。
壁付けタイプのカーポートバルコニーなら、洗濯物を干すスペースとして便利に利用できるでしょう。
カーポートバルコニーの費用目安
カーポートバルコニーを購入する際は、商品代と設置費用が初期費用になります。
実際にかかる費用の相場を表にまとめました。
台数 | 価格相場 |
---|---|
1台用 | 100万円~200万円 |
2台用 | 150万円~250万円 |
土地の状態や形状に応じて追加工事が必要な場合は、別途費用が発生します。
カーポートバルコニーの機能などでも費用が変わるため、詳しく金額を確認したい場合は業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
カーポートバルコニーは後付けできる?
結論からお伝えすると、カーポートバルコニーは後付けできます。
ただ、壁付けタイプだと2階にバルコニーと出入りするための掃き出し窓がない場合は、壁を壊して床まであるタイプの窓への交換も必要です。
一方で、独立タイプのカーポートバルコニーは窓の交換は不要なため、壁付けタイプと比較すると簡単な工事で後付けできると言えます。
カーポートバルコニーの選び方
最適なカーポートバルコニーを選ぶために注目したいポイントがいくつかあります。
検討を始める前にカーポートバルコニーを利用する目的を明確にした上で、ほかの項目を検討していくと選びやすいです。
カーポートバルコニーを選ぶ際のチェックポイントを一つずつ解説していきます。
目的
カーポートバルコニーのデッキ部分をどのように利用したいかを、最初に考えるようにしましょう。
家族でゆっくりした時間を過ごせる空間にしたい、小さいお子様が思いっきり遊べる空間にしたい、庭が広くないので趣味のガーデニングに使いたいなど用途は様々です。
目的が違えば欲しい機能が変わるので、選ぶカーポートバルコニーも変わります。
高い費用をかけて設置するカーポートバルコニーが無駄な空間にならないように、使用する目的に合った製品を選ぶのがおすすめです。
柵
カーポートバルコニーのデッキ部分に設置するフェンスや柵は、目隠しだけでなく転落事故防止の目的があります。
人が屋根の上に登って活動をする場所ですので、間違って落下しないように強度と高さのある柵がおすすめです。
特に小さいお子様がいるご家庭では、安全面で考えると柵選びは慎重に行う必要があります。
柵も人目をひく部分のため、住宅の外観やエクステリアの雰囲気と調和するデザインを選ぶと見た目での失敗をなくせるでしょう。
排水機能
排水対策がしっかりできる構造かどうかもカーポートバルコニー選びでは注目したいポイントの一つです。
壁付けタイプの場合、デッキ部分に雨水が溜まると室内に雨が侵入しかねません。
また、雨水が綺麗に流れるように道筋ができていないと、下に駐車している車に水がかかり、汚れや劣化の原因になります。
カーポートバルコニーの排水ルートは、業者と相談しながら決めると良いでしょう。
防犯機能
カーポートバルコニーはデッキ部分にフェンスが付いているので、外から宅内が見えにくくなり家族のプライバシーは守れます。
しかし、死角が増えるため不審者に侵入されやすくなる恐れがあります。
独立タイプで屋外にデッキ部分に登るための階段を設置する場合は、ドアを付けて施錠できるようにするだけでも防犯効果があります。
また、オプションで人感式のセンサーライトを付けられるカーポートバルコニーもあり、別途購入しなくても設置工事の一貫で取り付けしてもらえます。
暗闇でも対象物をはっきりと撮影できるタイプのネットワークカメラの設置も、防犯対策として有効です。
建ぺい率
カーポートバルコニーを選ぶ際、建ぺい率はとても重要なポイントです。
建ぺい率で決まっている面積に応じたサイズのカーポートバルコニーしか設置できないため、早い段階で確認しておくと良いでしょう。
住んでいる地域によって建ぺい率の上限が違うので、不明な場合は役所への問い合わせが必要になります。
カーポートバルコニーは自作できる?
カーポートバルコニーをDIYで自作するのはとても難しく、理由もたくさんあります。
- 建築に関する専門知識が必要
- 設置場所の地中に水道やガスなどの配管が埋まっていないか確認が必要
- 強度を持たせるために柱は基礎工事が必要
- DIY用に揃えている工具では柱材として採用されるアルミの加工が難しい
- デッキが地面から2メートル以上の高さにあると高所になるので1人で作業できない
DIYが得意な方は自作できそうだと思われるかもしれませんが、各工程で問題が起きる可能性が高いです。
安全にカーポートバルコニーを利用するために、設置は業者への依頼をおすすめします。
カーポートバルコニーを設置するときの注意点
カーポートバルコニーを設置する際に、注意したい点がいくつかあります。
設置前には建築確認申請の要否確認が必要な点や、設置後は排水口付近のメンテナンスをこまめに行うことが注意点として挙げられます。
なぜ注意が必要なのか、詳細をひとつずつ見ていきましょう。
建築確認申請が必要かチェックする
建築確認申請とは、建物を増設する前に役所に書類を提出して「これから建てる建物が法令違反にならないか」を確認してもらうことを指します。
以下に挙げる2つのケースではカーポートバルコニーを設置する前に、建築確認申請が必要です。
- カーポートバルコニーの設置面積が10平方メートル以上ある
- 自宅が防火地域と準防火地域にある(設置面積10平方メートル未満も含む)
複数台の駐車ができるサイズのカーポートバルコニーを設置する場合は、ほぼ建築確認申請が必要と考えてよいでしょう。
基本的に建築確認申請の申請者は工事を発注する施主になりますが、申請書類の作成には専門知識が必要なため業者に対応を依頼するのが一般的です。
排水口周辺をメンテナンスする
壁付けタイプでカーポートバルコニーが住居と隣接している場合は、排水口周りのメンテナンスが重要です。
住居と隣接していると、2階の窓からバルコニー部分に出入りできる造りになっているためうまく排水できないと溜まった雨水が窓から侵入する可能性も考えられます。
また、溢れた水が排水口以外の場所から流れ落ちると、車にかかって塗装劣化の原因にもなりかねません。
排水設備をしっかり整えていても、排水口付近に落ち葉やゴミが詰まっていては水の流れが悪くなるので、こまめなメンテナンスが必要になります。
カーポートバルコニーのデメリットもあるが楽しめる部分も多い
ここまでカーポートバルコニーのメリットとデメリット、利用方法などを解説してきました。
カーポートバルコニーは、費用が高かったり日の光を遮ってしまったりとデメリットになる点がいくつかあります。
しかし、スペースを有効活用してバーベキューをしたり、お子様の遊び場になったりと家族の憩いの場にもなります。
ぜひ本記事を参考にして、カーポートバルコニー選びを始めてみてはいかがでしょうか。太陽光発電とセットになったソーラーカーポートという選択肢もあります。