自家消費型太陽光発電に「RPR(逆電力継電器)」という機器が必要と聞いたものの、何のための装置なのか分からない人も多いことでしょう。
RPRは逆潮流という現象を抑止するためにRPRが必要な装置。
どのような役割・目的があるのか、RPRの基礎基本から見ていきましょう。
RPR(逆電力継電器)とは?
発電した電気を自家消費のみで使用し、売電しない太陽光発電システムに設置する機器が、RPR(逆電力継電器)です。
電力会社からRPR設置の指定を受けた場合のみ、取り付けが必要になります。
RPRが作動するときの条件や、何のために設置が必要なのかなど、詳しく解説します。
RPR(逆電力継電器)の仕組み
電力会社と住宅用太陽光発電システムの回路の境目に、RPRは設置されます。
RPRには電力の流れを見張る機能があり、発電した電気が電力会社の回路に流れそうになるのを検出すると、パワコンを強制的に停止するのが役割です。
このようにRPRが作動して電力会社との回路が遮断されても、太陽光パネルが発電を続けていると漏電の危険があるため、単独運転防止機能付きのパワコン導入をおすすめします。
RPR(逆電力継電器)の設置目的
売電しない太陽光発電システムにRPRを設置するのは、逆潮流を防止するためです。電気が流れる方向には種類があり、詳細を表にまとめました。
逆潮流 | 発電設備から電力会社に向かうときの流れ |
---|---|
順潮流 | 購入した電気を利用するときの流れ |
自家消費専門の太陽光発電から電力会社側に電気が流れ込むと、送電網に負荷がかかり電力の供給が不安定になったり停電したりします。
電気が正しく流れているか回路を見張り、発電した電気が外側に流れる現象を発生させないために、太陽光発電にRPRの取り付けが必要な理由です。
RPR(逆電力継電器)のデメリット
発電した電気が太陽光発電システムの外側に流れてRPRが働き、パワコンの稼働が止まると発生するデメリットは、以下のとおりです。
- 発電した電気を自家消費できない
- 復旧費用がかかる
- 購入する電気量が増えて電気代を節約できない
外側に流れる電気にRPRが反応して逆潮流を阻止できたとしても、太陽光発電システム内で不具合が発生していないとは限りません。このため、何もなかったからとすぐに太陽光発電を稼働させるのは危険です。
業者に点検してもらってから復旧の流れですが、点検が完了するまで自家消費できず、場合によっては修理費用がかかる可能性があります。太陽光発電が復旧するまでの時間が長くなるほど、電気代が高くなるでしょう。
RPR(逆電力継電器)の導入事例
自宅で消費する電力よりも太陽光発電で発電する電力量のほうが大幅に多い状況になると、電気が外側に流れてトラブル発生の懸念があります。
日常生活で一定量の電力を消費していれば、大きな問題はありません。旅行や帰省などで長期間、電気を使用しないケースでは太陽光発電システムに溜まる電気が多くなるため逆潮流の原因になります。
電力消費量が少ない日が続く場合でも、逆潮流が起きないよう太陽光発電にRPRを導入していればトラブルを避けられるでしょう。
太陽光発電で逆潮流を防ぐ方法
発電設備の電気をRPRが見張って逆潮流を阻止してくれるとはいえ、トラブルが起きなければ安心して太陽光発電を利用できます。
電気が太陽光発電システムから外部の送電網に流れる現象の逆潮流をさせない方法を、紹介します。
太陽光パネルの枚数を調整する
最初に紹介するのは、屋根に設置する太陽光パネルの枚数を消費電力量に合わせる方法です。
パネルの枚数に比例して、太陽光発電システムが最大で発電できる電力量が変わります。日中の時間帯に消費する電力量に合わせた最適な枚数で太陽光パネルを設置すれば、発電量が多い状況が起きるのを避けられるでしょう。
パネルを多く設置したい場合は、蓄電池に電気を溜めれば逆潮流を防げます。
発電量を調整する機器を導入する
太陽光発電で発電量が多くなりすぎないように調整できる機器を取り入れるのも、逆潮流対策として有効です。
この制御機能があれば電力消費量に応じて、自動で太陽光発電での発電量が調整されます。このためいつの間にか発電量のほうが多くなって、RPRが動作してしまうのを防げます。
発電量が増える時期や時間帯に電力消費量が少ないご家庭は特に、逆潮流を防ぐ必要があるため、制御装置があれば安心して太陽光発電を利用できるでしょう。
RPR(逆電力継電器)とは逆潮流を防ぐ装置
電力会社の送電網に自家消費用の太陽光発電からの逆潮流を防ぐのが、RPR(逆電力継電器)です。
自家消費専門で使用する太陽光発電には、電力会社からRPRの設置を求められます。
RPRがどのような機器でなぜ必要なのか分からず、自家消費型太陽光発電の導入を迷われている方もいらっしゃるかもしれません。
ぜひ本記事でRPRについて理解を深め、太陽光発電購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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