太陽光発電の逆潮流って単語をよく耳にするけど、具体的にはどんなことなの?
簡単に説明すると、電気の流れのことだね!電力会社から家庭に送られる電気の流れを順潮流って言うんだけど、反対に、家庭で発電した電力を電力会社に送る流れを逆潮流って言うんだよ!
ふ~ん、なるほどね!逆潮流って、何かデメリットとかあったりするの?
逆潮流にもデメリットはあるんだよ!逆潮流が起きることで発生するデメリットやその対策まで、みんなが気になる情報をお届けするね!
太陽光発電の逆潮流のデメリット4選
太陽光発電の逆潮流のデメリットは、以下のとおりです。
- 安定した電力の供給ができなくなる
- 電気を回復させるのに時間が掛かる
- 売電ができなくなる
- 電力会社から逆潮流防止設備導入費用を請求される
それぞれ、詳しく解説をしていきます。
安定した電力の供給ができなくなる
逆潮流のデメリットに、安定した電力の供給ができなくなるというものがあります。
なぜなら、配電系統の電圧の制御が難しくなり、電圧品質の低下や、遮断器の不具合が起きてしまうからです。
遮断器っていうのは、電気の流れ道に、過大に流れ込んだ電力を検知して、自動的に流れ込む電力を遮断する安全装置のことだよ!
ご存じのとおり、太陽光発電の発電量とは、天候に左右されます。
天候による発電量の違い
引用:株式会社ティー・ワイ
具体的には、日射量や、気温などで発電量が変動するのですが、ときには発電量が予想外に多く、電力を消費し切れないケースが発生します。
その場合、消費し切れなかった電力は、変電所に流れ込み、電力会社が供給している電気量よりも、多くの電力が流れ込むことになります。
これを、バンク逆潮流と言います。
太陽光発電が密集している地域では、起こりやすいかもしれないね!全ての太陽光発電で得た電力が、いっぺんに発電所に流れ込んじゃうからね!
バンク逆潮流が発生することで、先に述べた電圧品質の低下や、遮断器の不具合が発生し、安定した電力の供給ができなくなってしまうというわけです。
電気を回復させるのに時間が掛かる
バンク逆潮流が発生すると、電気を回復させるのに時間が掛かります。
つまり、停電しても、電気がなかなか復旧しないってことだよ!
理由は、先と同じように、電圧品質の低下や、遮断器の不具合が起きてしまうからです。送電事故が起きると、電気の回復に時間が掛かる原因となります。
ここで問題となるのは、停電するのは、バンク逆潮流が起きた地域全体ということです。
例えば、バンク逆潮流の原因が一世帯によるものでも、停電は同じ配電線を共有している世帯全部に発生しちゃうってことだよ!
被害を被るのが自分だけではないので、逆潮流には慎重になる必要があります。
売電ができなくなる
逆潮流が発生すると、一時的に売電ができなくなるケースがあります。
なぜなら、売電をするには、発電した電力の質を、電力会社が供給する電力と同じレベルに調整する必要があるからです。
売電は、太陽光発電設備と電力会社の電力系統(電線など)に接続することで行うことができます。
引用:スマエネ
太陽光発電で生み出した電力というのは、過電圧、または、不足電圧になることが多いですが、売電を行うためには、電力が供給する電力と同じ質を保たなければなりません。
質の悪い電力は売れないってことだよ!電力の質を維持するには、パワーコンディショナー(パワコン)などの、電力品質を保つ機会を設置する必要があるんだよ!
バンク逆潮流が起きると、電圧品質を保つのに支障をきたし、一時的に売電ができないという事態が発生するというわけです。
せっかく発電した電力が無駄になるのは悲しいね!
電力会社から逆潮流防止設備導入費用を請求される
逆潮流が発生することのデメリットに、電力会社から、逆潮流防止設備導入費用を請求されることが挙げられます。
なぜなら、多大な費用が発生するからです。
バンク逆潮流によって生じる様々な問題から、従来は、メガソーラーなどによるバンク逆潮流は認められていませんでした。
しかし、バンク逆潮流に関する制限が、太陽光発電設備システムの普及を妨げる弊害となることを危惧し、経済産業省資源エネルギー庁は、2013年に電圧を管理する機器や、変電所に送電事故を感知できる機器を設置するなどの対策を行うことを条件に、規制を緩和させると発表しました。
つまり、バンク逆潮流が発生するとしても、メガソーラーなどを系統連系に接続してもいいですよってことになったの!解禁ってやつだね♬
それに合わせて、電力会社は、バンク逆潮流の対策に必要な機器の設置料を、メガソーラーなどを設置した発電事業者に請求する権利が認められました。
各電力会社が請求する工事費には、かなりの開きがあるの!詳しくは、下の表を見てね!
電力会社 工事費負担金(出力1kWあたり) 北海道電力 3,255円 東北電力 3,675円 東京電力 1,995円 中部電力 3,675円 北陸電力 2,600円 関西電力 2,835円 中国電力 3,675円 四国電力 3,465円 九州電力 1,260円 沖縄電力 3,465円 引用:スマートジャパン
ご覧のとおり、最高で3,675円。最も安い地域で1,260円の工事費が発生します。
この負担金は、設置する発電設備の規模によって膨れ上がるので、決して軽い負担ではありません。
その負債を、電力会社ばかりが背負うのは不公平なので、経済産業省資源エネルギー庁は、各電力会社に、発電事業者に工事費を請求する権利を与えたというわけです。
太陽光発電の逆潮流の対策5選
逆潮流の対策は、以下のとおりです。
- 逆電力保護継電器(RPR)
- 負荷追従制御オプション
- 逆潮流防止機能が組み込まれたパワーコンディショナー
- 引き込み線(電線)を太くする
- 電力の自家消費率を上げる
それぞれ、詳しく解説をしていきます。
逆電力保護継電器(RPR)
送電力保護継電器(RPR)とは、「Reverse Power Relay」の略で、自家消費型太陽光発電に設置される機器です。
自家消費型太陽光発電とは、売電は行わず、発電した電力は、全て自家消費することを目的とした太陽光発電です。
本来であれば、売電はしないのですから、太陽光発電から電力会社に電力を送る、逆潮流は発生しません。
しかし、発電した電力が消費されない状態が続くと、系統連系に電力が流れ込み、逆潮流が発生することがあります。
RPRは、自家消費型太陽光発電で逆潮流が発生した場合、素早く感知をして、パワーコンディショナーを停止させます。
なるほど!パワーコンディショナーが停止してしまえば、交流電力に変換ができないから、発電した電力が系統連系に流れ込むことはないね!
でもさ、それって発電自体がストップしているってことじゃないの?
そのとおりです。パワーコンディショナーが停止すれば、発電が止まってしまいます。
従って、RPR稼働中は、発電した電力の自家消費を行えず、電気を使う場合は、電力会社から電力を購入する必要があるのです。
それって太陽光発電を設置している意味がないじゃん!
電気料金コストも余分に発生してしまうので、なるべくRPRが作動するような事態は避けるのは賢明ですね。
負荷追従制御オプション
自家消費型太陽光発電における逆潮流を予防するのに、RPRを設置することは先に述べました。
しかし、RPRが作動することで、発電損失や、パワーコンディショナーの故障という問題が生じます。
そこで、高まる逆潮流防止ニーズに応える形で登場したのが、負荷追従制御オプションです。高速制御かつ、簡単設定で逆潮流の防止に成功しています。
引用:エコめがね
負荷追従制御オプションは、受電電力(電力会社から購入した電力)が、各回路ごとに設定された、定格出力を下回った場合、僅か0.3秒でパワーコンディショナーを停止させます。
その結果、RPRが作動する前に、逆潮流を防止することができるのです。
つまり、リクスなしでパワーコンディショナーを停止させることができるってことだよ!
逆潮流防止機能が組み込まれたパワーコンディショナー
これまで、自家消費型太陽光発電は、発電量が、消費電力を上回ることのないように、消費電力に対して、発電量を約10%程度抑制するよう設定されていました。
それって、凄くもったいないよね!
せっかく日射量が多くても、発電した電力を全部活用できないのは、無駄な電力ロスだね!
ですが、逆潮流防止機能が組み込まれたパワーコンディショナーを設置すれば、消費電力に対し、発電量の上限を99%にすることが可能となりました。
これにより、消費電力や逆潮流を気にすることなく、発電を行うことができます。
また、太陽光発電には、パワーコンディショナーや、接続箱と共に、分電盤の設置が不可欠です。
分電盤を簡単に説明すると、発電した電力を、住宅内の各部屋に分けて送る役目をしています。
分電盤の中には、逆潮流対策として、逆潮流防止ブレーカーを内蔵したタイプがあります。
太陽光発電を設置する際は、ぜひ、逆潮流防止ブレーカー内蔵タイプの分電盤を設置しましょう。
引き込み線(電線)を太くする
逆潮流を防ぐには、電圧を保つということは、先の説明で理解していただけたと思います。
では、電圧が上昇する原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
今回注目していただきたいのは、引き込み線(電線)の太さです。引き込み線が細いと、電圧が高くなってしまうのです。
近年、太陽光発電の普及に伴い、新築で家を建てる際は、太陽光発電や、蓄電池を同時に導入する方が増えました。
住宅デザインも、太陽光発電を設置することを前提としたものが増えています。
屋根の形とか、いかにもソーラーパネルを乗せますって感じのデザインがあるよね!
建売住宅が集合した住宅地などは、近隣の住宅が、全て太陽光発電を設置しているケースも、決して珍しくはありません。
そこで問題となるのが、引き込み線の太さなのです。
仮に、15棟ほどの住宅が、全て太陽光発電を設置していると仮定しましょう。
天気の良い昼間に、売電のため、15棟から引き込み線に一気に電力が流れたらどうなるでしょう。
引き込み線内の電圧が急激に上昇し、もはやパンク寸前です。
この場合、パワーコンディショナーの電圧上昇抑制が作動し、発電と売電が完全に止まってしまいます。
それは完全にデメリットだよね!何とかならないの?
実際に電圧上昇抑制が作動すれば、電力会社が引き込み線を太くして、電圧上昇対策をしてくれる場合があります。
ですが、こればかりは電力会社の判断となってしまうので、太い引き込み線に交換してくれるとは言い切れません。
電力の自家消費率を上げる
そもそもの対策として、発電量が消費量を上回らないように、自家消費率を上げるという方法があります。
具体的には、日中のうちに、電力を消費する作業(掃除・洗濯・調理など)をまとめて行うことで、発電した電力の消費率を上げていきます。
でもさ、日中は仕事や学校で留守の家庭が多いんじゃないの?
そういった場合は、蓄電池の導入が推奨されます。
太陽光発電設備は、発電した電力を消費するだけで、蓄電機能はありませんが、蓄電池であれば、電力を貯めておくことが可能です。
日中に充電した電力を、夜間帯に消費すれば、新たに電力会社から電気を買う必要はありませんので、電気代の削減に繋がります。
加えて、蓄電池があれば災害時にも電力を使うことができるので、大変心強い設備です。
引用:省エネドットコム
近年、日本は数々の自然災害に見舞われ、電気の維持という観点に注目が集まっています。
蓄電池の設置費用も安くなっていますので、もしものときの備えとして、見積もりをしてみることをおすすめします。
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太陽光発電の逆潮流のデメリット まとめ
ここまで、太陽光発電の逆潮流のデメリットについて解説をしてきました。
まとめると、以下のようになります。
太陽光発電の逆潮流のデメリット4選
- 安定した電力の供給ができなくなる
- 電気を回復させるのに時間が掛かる
- 売電ができなくなる
- 電力会社から逆潮流防止設備導入費用を請求される
逆潮流の対策5選
- 逆電力保護継電器(RPR)
- 負荷追従制御オプション
- 逆潮流防止機能が組みこまれたパワーコンディショナー
- 引き込み線(電線)を太くする
- 電力の自家消費率を上げる