太陽光発電でPVって言葉をよく聞くけど、どんな意味なの?
PVは太陽光発電のことを調べる上で重要だから、この機会に基本情報や種類などを紹介するね♫
太陽光発電のPVとは?
PVとは、Photovoltaic(フォトボルタイク)を略したものです。
Photovoltaicとは、ソーラーパネルが太陽の光を受けて発生した光起電力のことを指します。要するにPVとは、太陽光発電で生み出された電力のことです。
なお、発電自体はPower Generationと呼びますが、海外の場合はソーラーパネルを使った発電のことをPhotovoltaic Power Generationと呼びます。
PVとソーラー発電の違い
PVとソーラー発電に関してはそこまで違いはなく、海外でも同じように用いられています。
ただ、全く同じというわけではなく、少し違いがあります。
ソーラー発電はソーラーパネルを使った発電システムのことであるのに対し、PVはそれに伴って求められる電力のことです。
PVシステムの基本機能
そもそもPVシステムとは、太陽電池や電気の変換機器、蓄電池などの周辺機器といった太陽光発電を使う全体的なシステムのことを指します。
PVシステムを構成する際には、以下の4つが基本的な機能として求められます。
- 太陽電池
- インバーター
- 蓄電池
- 独立システムもしくは系統連系システム
太陽電池では太陽エネルギーを使って発電し、インバーターでその発電したものを一般家庭でも使えるように交流電気へ変換します。
蓄電池は、発電したエネルギーを貯めておくために必要です。
PVのシステムの種類
PVには、独立システムと系統連系システムという2つの種類があります。
それぞれどのようなものなのか、各メリット・デメリットを紹介します。
独立システム
独立システムは、電力会社の電力系統と連携していないPVシステムのことです。
オフ・グリッドとも呼ばれており、太陽電池からの電気のみのシステムで完結しています。
独立システムを用いているPVシステムの場合、以下が求められます。
- 太陽電池
- チャージコントローラー
- バッテリー
- インバーター
- 逆流防止ダイオード
- ヒューズ
チャージコントローラーとは、バッテリーの電圧をチェックし、満充電のときは太陽電池とほかの機能との関係を遮断し、充電が少ないときは接続します。
逆流防止ダイオードはチャージコントローラーに内蔵されている機能で、太陽電池の出力が少ない際、バッテリーから太陽電池へ電流が反対に流れてしまうことを防げます。
ヒューズは、短絡や過電流による事故発生時に回路を遮断する役目を果たすものです。ヒューズはバッテリーの近くに設置されており、電気製品に備わっていることもあります。
独立システムのメリット
独立システムは系統連系システムと比べてコストを安く済ませることができ、DIYで構築することも可能です。
ソーラーパネルが1枚だけでもシステムを構築できることから、予算が少ない方でも太陽光発電ができます。
その上、独立システムは蓄電池をメインとした構築です。
このことから夜や停電の際にも電力をまかなえます。
独立システムのデメリット
独立システムは電力会社の電力系統と連携していないこともあり、電力会社から不足している電力を購入したり、余っている電力を売ったりできません。
そのことから、発電した電力を効率よく使いたいと考えたい方には不向きです。
また、独立システムの場合は補助金制度を利用できない可能性が高いということにも注意しなければなりません。
太陽光発電に関する補助金制度はいくつかありますが、基本的には系統連系システムを対象としています。
補助金制度を利用したいと考えているのであれば、系統連系システムを検討したほうが良いでしょう。
系統連系システム
系統連系システムは、電力会社の電力系統に自宅の発電設備をつなげるタイプのPVシステムです。
系統連系システムの場合は、以下のようなものが必要です。
- 太陽電池
- 接続箱
- パワーコンディショナー
- 分電盤
- 交流開閉器
- 電力量計
接続箱には直流開閉器が備わっており、電流の逆流を防ぐことが可能です。
パワーコンディショナーは太陽電池によって生じた直流電力を交流電力に変えるものであり、システム全体の運転を自動でコントロールしてくれます。
交流開閉器は点検する際にシステムを遮断する装置で、電力量計は電力会社に売ったり買ったりする際の電力量を計算します。
系統連系システムのメリット
系統連系システムの場合、状況に応じて電力量を管理できることがメリットです。
例えば太陽電池で多くのエネルギーを発電してしまった場合、余った分を電力会社へ売ることが可能です。
一方、悪天候といった理由で思うような太陽光エネルギーを発電できなかった場合、足りない分を電力会社から買えます。
状況に応じて電力量を管理できるからこそ、効率よく電力を活用できます。
系統連系システムのデメリット
デメリットは導入費用が高いことであり、予算が少ない方の場合は難しいかもしれません。
また、独立システムとは違って蓄電池のような電力を貯める機能が備わっていないことから、停電してしまうと電気が止まってしまいます。
PV以外で知っておきたい専門用語
太陽光発電にはいくつかの専門用語があり、PV以外にもあります。
太陽光発電の理解を深めるためにも、どのような専門用語があるのか見ていきましょう。
太陽電池セル
太陽電池セルは太陽電池の基本単位であり、英語ではphotovoltaic cellです。
セルは1つ15cm×15cmほどのサイズであり、シリコンの薄い板で作られています。
ただ、セル1枚だけで必要な電力を得ることはできません。
そのことから、基本的には必要な枚数分のセルを直列に接続して使います。
直列に接続したセルのことはセルストリングと呼ばれており、必要に応じて直列もしくは並列につなげたものをセルアレイと呼びます。
太陽電池モジュール
太陽電池モジュールはphotovoltaic moduleとも呼ばれるものであり、必要な分のセルを並べて野外でも使えるように保護処理を行ったもののことです。
保護には、樹脂や強化ガラスなどが用いられています。
セルの集合体でもあり、1枚で1000Wほど発電可能です。
太陽電池モジュールの種類としては、スーパーストレート構造やサブストリート構造、ガラスパッケージ構造などが挙げられます。
例としてスーパーストリート構造は、アルミ製の枠組みタイプの構造であり、防水性に優れています。
単結晶・多結晶
単結晶と多結晶は太陽電池の原料の1つであり、双方ともシリコンを使って作られたものです。
単結晶シリコンは単一のシリコンの塊から作られるもので、さまざまなものがある太陽電池の中で最も古い歴史を持っています。
単結晶シリコンの太陽電池は効率よく発電できる一方で、多結晶シリコンと比べて少し高いことが欠点です。
多結晶シリコンは、単結晶シリコンを作る際に生じる端材や不良品などを集めて作ったもののことを指します。
多結晶シリコンは単結晶シリコンの再利用と製造コストの軽減を目的として作られたこともあり、価格が安いということがメリットです。
一方、発電効率が単結晶シリコンと比べてやや低いことから、効率を重視する方には単結晶シリコンが良いでしょう。
PVシステムはしっかり考えた上で設置しよう
PVはソーラーパネルが太陽の光を受けて発生した光起電力のことであり、Photovoltaicを略したものです。
ただ、PVには2つの種類があるため、どちらが良いのかしっかり考えて決めることが大切です。
そうすることで、後悔することなく太陽光発電を設置できるでしょう。