太陽光発電から電磁波が出る仕組み｜人体や周囲に悪影響はある？

太陽光発電システムで電磁波は発生するのか？

結論からお伝えしますと、太陽光発電システムから電磁波は発生します。

太陽光発電システムに限らず、一般家庭で使用している電子レンジや冷蔵庫なども電磁波を発生しますが、その仕組みを解説していきます。

電磁波が発生する仕組み

まず「電磁波」とは何か、簡潔に説明します。

電磁波とは、電化製品など電力が流れている場所に発生する「波」のことです。

つまり、家の中で通電している物体の周囲には「電磁波」が存在するということです。

電磁波は「電気」と「磁気」の両方を併せ持ったエネルギー波で、携帯電話やラジオなどの電波に活用されたり、共振させることで熱を発生させることができるので、電子レンジにも活用されています。

電解とは

簡潔にお伝えすると「電界」とは、電気がある空間のことです。

例えば、冬になるとドアノブに触れただけで静電気が発生したり、擦った下敷きを頭の上に持っていくことで髪の毛が逆立ったりしますよね。

 

引用：電磁界情報センター

これらは全て、電界が引き起こした現象です。

磁界とは

「磁界」とは、磁力のある空間のことです。

磁石の周りに砂鉄を置くと、N極とS極を結ぶ幾つかの筋ができます。これは、磁界の力が引き起こした現象です。

 

引用：東北制御

磁界は、電気が流れている物体の周囲には、必ず存在します。

太陽光発電システムにおける電磁波の発生箇所

太陽光発電から電磁波が発生すると聞いて、発生箇所として真っ先に思い浮かぶのは、太陽光パネルではないでしょうか。

ですが、それは誤りです。

なぜなら、太陽光パネルが生み出す電力は「直流電力」だからです。

先にも述べましたが、電磁波は「電界」と「磁界」が交互に伝わることで「波」が発生することを言います。

直流の電力にも磁界は存在するのですが、電圧の変化が乏しく、波が発生しません。

普段、私たちが生活の中で使っている電化製品は、全て「交流電力」で動いていますが、交流電力には、電圧の変化による波が発生するので、電磁波が生まれます。

 

引用：関西電力

ずばり「パワーコンディショナー」から、電磁波が発生します。

詳しく、解説をしていきます。

パワーコンディショナーは電磁波を発生させる

先に述べましたが、電磁波は交流電力から発生します。

太陽光パネルで発電された直流電力は、そのままの状態では、家庭で使用することができません。

パワーコンディショナーが、直流電力を交流電力に変換をすることで、初めて家庭で電力を使うことができるのです。

引用：CHANGE

同じ理由で、直流電力をパワーコンディショナーに送る役目の「接続箱」でも、電磁波は発生しません。

電磁波にはどのような悪影響があるのか

パワーコンディショナーから、電磁波が発生するということは、理解してもらえたと思います。

理解してもらえた上で皆さんが気になるのは、以下の2つだと思います。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

人体への影響はあるか

電磁波が引き起こす人体への影響には、以下の3つがあります。

刺激作用

「刺激作用」とは、電波を体内に吸収することにより生じる誘導電流が、一定の強さになった場合に、痛みを感じることです。

刺激作用は、周波数と関係していて、意外も周波数が低いほど刺激を感じやすく、周波数が高いほど刺激を感じなくなります。

熱作用

「熱作用」とは、体内に吸収した電波が熱となり、全身、又は局所的に体温を上昇させることを言います。

約1℃の体温上昇を引き起こすには、かなりの電磁波を体内に吸収する必要がありす。

日常生活を送る上で、そこまでの電磁波を浴びることはまずないので、熱作用における人体への影響は、ほとんど心配はいりません。

非熱作用

「非熱作用」とは、先に述べた2つの作用以外にも、人体に何らかの影響を及ぼす作用があるのではないか、と考えられていることです。

具体的には、発がん性や、生殖機能、脳神経機能への影響が懸念されていますが、科学的な根拠に基づいた立証はされていません。

家電製品への影響はあるか

パワーコンディショナーから発生する電磁波が、他の電化製品に悪影響を与えたという報告はありません。

パワーコンディショナーは、分電盤（ブレーカー）の側や、脱衣所に設置するケースが多く、あまり周囲に影響を受けそうな電化製品が置かれていないことも、影響を及ぼさない要因の1つかもしれません。

太陽光発電の電磁波への対策方法

人体や、家電製品への影響がないと分かっても、電磁波が気になる方は多いと思います。

そんな方のために、電磁波と上手に付き合う方法を解説していきます。

具体的には、以下の3つです。

それぞれ、詳しく見ていきます。

パワーコンディショナーを屋外に設置する

基本的な措置として、電磁波の発生元であるパワーコンディショナーを、屋外に設置することをオススメします。

パワーコンディショナーは、分電盤（ブレーカー）の近くや、脱衣場など、人の生活圏内に設置するケースが多いですが、敢えて外に設置することで、電磁波を浴びることを阻止することができます。

パワーコンディショナーに電磁波干渉防止シートを貼る

パワーコンディショナーに、家電用の「電磁波干渉予防シート」を貼るのも有効な手段です。

電磁波干渉予防シートとは、その名のとおり、電磁波が人体に「干渉」するのを「予防」してくれます。

つまり、パワーコンディショナーと、人との間に壁を作って、電磁波が届かないようにしてくれるのです。

専門家に相談をする

先の2つの対策で十分だと思いますが、それでも心配な場合は、しかるべき専門家に相談してみましょう。

プロであれば、素人とは違った視点でアドバイスをしてくれますし、専門知識に基づいた理論であれば、きっと納得のいく答えに導いてくれるでしょう。

太陽光発電での電磁波まとめ

ここまで、太陽光発電と電磁波の関係性について解説をしてきました。

まとめると、以下のようになります。

日常生活を送る上で、電磁波の存在はそれほど脅威的なものではありませんが、気になるようでしたら、予防対策をオススメします。