太陽光発電は、アパートやマンションにも設置できるの?
もちろん!賃貸物件の屋根に太陽光パネルを設置することも可能だよ。
太陽光発電とアパートが同時に経営できるということだね。
太陽光発電とアパート経営を同時に行ったらどんなメリットがあるのか一緒に見ていこう。
太陽光発電とアパート経営で資産は増える?
太陽光発電とアパートを同時に経営したら、資産は増やせるのでしょうか?
答えは「増える」です。
太陽光発電とアパートの同時経営で資産が増える理由には、次のようなことが挙げられます。
- 賃料と売電収入のダブル獲りが可能
- アパートの共用部分などの電気代を削減できる
- 入居者が電気料金を節約できることで空室が出ない
- アパートローン(住宅ローン)で太陽光発電のローンが組める
- 節税効果を得られる
各理由の詳細を解説していきます。
賃料に加えて売電収入のダブル獲りが可能
アパートの建物に太陽光パネルを設置して発電した電気を売電すれば、毎月の家賃収入に追加して電気で収入を得ることができます。
なぜなら、FIT(固定買取価格制度)によって太陽光パネルで発電した電力を固定の単価で電力会社に買い取ってもらえる仕組みがあるからです。
アパートやマンションの屋根は空きスペースになっていることが多いですが、太陽光発電の設備を導入することで空いている空間を有効利用できて、さらに収益まであげられてしまうのです。
空室や家賃価格の下落などといった、アパート経営で起こりがちなリスクを回避しながら経営を行っていきたいとお考えのオーナーには、太陽光発電とアパートの同時経営の検討をお勧めします。
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アパートの共用部分などの電気代を削減できる
アパートの共用部分で使用する照明などの電気代や、エントランスで使用する水道代は、オーナーが負担することになっています。
この共用部分で使用する光熱費は、必要経費として計上することができますし、毎月の負担額もそこまで大きいわけではありません。
太陽光発電をアパートに設置していれば、太陽光パネルで発電した電気を共用部で使えるように設定できますので、電気代が削減できます。
入居者が電気料金を節約できることで空室が出ない
太陽光発電は、アパートの各部屋に発電した電気が供給されるように工事することもできます。
太陽光パネルで発電した電気を部屋で利用できれば、入居者は電気料金を節約できるので、家賃を高めに設定しても空室になる可能性が低くなります。
オーナーが自宅としてアパートの1室に入居している場合も、オーナー自身の電気代が削減できることになります。
また、蓄電池を太陽光発電と併せて導入していれば、災害時に停電が起きてもアパートでは電気が使えるので、入居者にとって大きなメリットです。
アパートローン(住宅ローン)で太陽光発電のローンが組める
アパートを新築する場合、ローンを組むのが一般的です。
同時に太陽光発電も設置するのであれば、こちらの費用もアパートローンに組み込んでの借入れがお勧めです。
アパートローンの金利は2~5%程度が相場と言われていますが、融資先が日本政策金融公庫の場合は金利1.0~2.5%程度、都市銀行、地方銀行なら金利1.0~2.0%台で融資が受けられます。
太陽光発電の購入のみが対象のソーラーローンの金利は2~3%前後が多いため、アパートローンのほうが低い金利で融資が受けられます。
節税効果を得られる
個人事業主として太陽光発電とアパート経営を行っている場合、節税効果が期待できます。
節税になる理由は次のとおりです。
- 確定申告で青色申告できる
- 繰越控除ができる
青色申告は、指定の書式の申告書を提出する必要があります。
アパート経営で不動産の所得が一定規模以上になれば青色申告特別控除が適用でき、最大で65万円を所得から控除できます。不動産所得が一定規模に満たない場合の控除額は、10万円です。
また、青色申告では減価償却費やメンテナンス費、電気代などの月々のコスト、ローンの利子などが経費として計上できます。
繰越控除は万が一損失が発生して赤字になった場合に、この損失を最大で3年間繰越しできる制度のことです。
太陽光発電の設置場所
賃貸の物件に太陽光発電を設置する場合、どこに設置するのがベストなのでしょうか。
お勧めの設置場所は、下記のいずれかです。
- アパートの屋根
- カーポートの屋根
- ベランダ
それぞれの特徴を説明していきます。
アパートの屋根
賃貸物件で一番多い太陽光発電のパネルの設置場所は、アパートの屋根です。
屋根であれば日当たりもよく、入居者の邪魔になるようなこともありません。
太陽光パネルをどのように設置できるかは、立地条件や隣接する建物との兼ね合いで変わりますので、施工業者とよく相談して決めるようにしましょう。
積水ハウスのシャーメゾン賃貸ZEHなら、アパート本体の屋根に太陽光発電が装備されています。
カーポートの屋根
カーポートは、簡易的な車庫のことです。
壁がなく、日差しや雨、雪を避けられるように屋根が付いているのみです。
このカーポートと太陽光パネルが一体型になったソーラーカーポートという製品が各メーカーから販売されています。
電気自動車の普及も広まってきていますので、カーポートで電気自動車の充電ができれば、アパートに入居するメリットとしてアピールできるでしょう。
ベランダ
アパートの屋根やカーポートに太陽光パネルを設置するのではなく、各部屋のベランダにポータブル式の太陽光発電を設置する方法もあります。
電気を売電することはできませんが、入居者にセルフで使ってもらって電気代の節約などに役立ててもらいます。
あらかじめ入居者の邪魔にならない場所に設置しておくのがお勧めです。
太陽光発電システムとアパートの同時経営のリスク
太陽光発電とアパート経営を同時に行う場合のリスクはどのようなことがあるのでしょうか。
考えられるリスクには、次のようなことが挙げられます。
- 太陽光発電とアパートの両方に初期費用が発生する
- FITの売電単価が下落する
- 予想よりも発電量が少ない可能性がある
- 施工不良によって雨漏りが発生する
- 後付けの場合は入居者の理解が得られないことがある
それぞれのリスクの詳細を説明します。
太陽光発電とアパートの両方に初期費用が発生する
太陽光発電にもアパートの建築にも、初期費用が発生します。
10kWの太陽光発電設備を導入する際、300万~400万の初期費用が掛かると言われています。
アパート経営の場合の初期費用は、アパート本体の工事費用に加えて追加工事費用などの諸経費が必要になります。
この諸経費は、工事費用全体の25%程度が金額の目安です。
太陽光発電とアパートの両方でどれくらいの初期費用が必要かよく確認したうえで、ローンの返済計画を立てるようにしましょう。
FIT(固定価格買取制度)の売電単価が下落する
FIT(固定価格買取制度)の売電単価は、毎年下がり続けています。
2012年には1kWhあたり40円だった単価も、2023年度には10kW以上50kW未満の場合で1kWhあたり10円にまで下がります。
引用:みんなの太陽光発電
売電単価は、FIT権利を取得した年度で決まります。
これから太陽光発電を始める場合は、少しでも早くFIT権利の取得が必要です。
また、固定価格買取制度でFIT単価が固定されるのは、住宅用で10年間、事業用では20年間になるので、卒FIT後はさらに売電単価が下がることになります。
予想よりも発電量が少ない可能性がある
太陽光発電は、設置する場所や日照量などの天候が発電量に直接影響します。
太陽光発電を設置する前に、適切に発電量のシミュレーションを行って利回りを含めて収益を確認するようにしましょう。
万が一、太陽光を設置する場所と合わない条件の天候でシミュレーションをしていた場合、想定よりも発電量が少なかったということになってしまいかねません。
機器が故障すると修理が完了するまで発電が止まってしまいますので、発電量が減らないようにメンテナンスの計画もしっかり立てるようにしましょう。
施工不良によって雨漏りが発生する
住宅の屋根は、雨漏りしないように防水対策をしています。
太陽光発電を屋根に設置するときに間違って防水対策している箇所に傷を付けてしまったら、当然雨漏りの原因になります。
実際に、太陽光発電の施工不良による雨漏りのトラブルが発生しています。
賃貸物件での太陽光発電の施工実績が豊富な業者を選んで、不要なトラブルを避けるようにしましょう。
大東建託が開発した集合住宅用の太陽光発電システムでは、屋根材に穴を開けずに太陽光発電を設置できるようになっていて、雨漏りの心配がありません。
後付けの場合は入居者の理解が得られないことがある
後付けでアパートの屋根に太陽光発電を設置する場合、工事着工前に入居者からの承諾が要です。
最上階の部屋に住んでいる住人の場合は、工事による騒音や施工不良による雨漏りの懸念があることから、承諾を得られない可能性があります。
屋根に太陽光パネルを設置することで得られるメリットや目的を丁寧に説明して、工事に承諾してもらえるように工夫しましょう。
太陽光発電とアパートの同時経営に失敗しない方法
失敗せずに太陽光発電とアパートの同時経営を行うためには、どう対策をすれば良いのでしょうか?
お勧めの対策には、次のようなものがあります。
- 信頼できる業者を探す
- 初期費用をできるだけ抑える
- 発電シミュレーションを綿密に行う
- できるだけ多くの太陽光パネルを設置する
- 太陽光発電と建物の定期的なメンテナンスを怠らない
- 収支をこまめに確認してランニングコストを削減
- 家賃保証の導入はよく検討してから
それぞれ、どのように対策をするのか詳細を説明していきます。
信頼できる業者を探す
賃貸物件での太陽光発電設備の施工実績が豊富な施工業者を探しましょう。
実績が少ない業者に施行を依頼すると施工不良などのトラブルが発生する可能性があるからです。
太陽光発電は、高い発電効率を維持するためにメンテナンスが重要ですので、メンテナンスサービスが充実しているかどうかも業者選定のポイントになります。
初期費用をできるだけ抑える
金融機関からの融資を受けて太陽光発電とアパートの同時経営を始める場合、借金を抱えることになります。
予期しないトラブルで太陽光発電の設備や建物に不具合が起きてしまったら修繕費用などの支出があるかもれませんので、なるべく初期費用を抑えてもしもに備える必要があります。
複数の業者から相見積を取って金額や内容を比較検討したり、補助金の活用も検討したりするようにしましょう。
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発電シミュレーションを綿密に行う
太陽光発電導入前に、綿密な発電シミュレーションを行いましょう。
賃貸物件で太陽光発電に適した立地条件は、日中に日射量が多くて日光を遮る障害物が周辺になく、海風による塩害の被害がない場所です。
屋根の広さと太陽光パネルが30度くらいの角度で設置できることも必要な条件になります。
アパートの立地条件を含めた発電シミュレーションができていないと、予想した収益と合わず返済計画にも影響が出てしまいかねないのでシミュレーションはとても重要です。
できるだけ多くの太陽光パネルを設置する
太陽光発電は、設置する太陽光パネルの枚数が多い分だけ発電量が増えます。
アパートの屋根の形状や広さによって設置できる太陽光パネルの枚数が変わるので、最適な施工プランを提案してくれる業者を探すようにしましょう。
太陽光発電と建物の定期的なメンテナンスを怠らない
太陽光発電もアパート経営も、定期的なメンテナンスを欠かさないことが成功するためには必要不可欠です。
アパート経営では、建物の立地条件よりも管理体制が整っていることが重要です。
太陽光発電では、太陽光パネルに鳥の糞などの汚れが付着していたらこまめに清掃するようにしましょう。
小さくてもパネルに影ができていると、発電量が減ってしまいます。
オーナーが多忙で定期的なメンテナンスが難しい場合は、費用が掛かりますが業者にメンテナンスを依頼することをお勧めします。
収支をこまめに確認してランニングコストを削減
アパート経営にかかる費用の内訳をこまめに確認して、ランニングコストを減らすことも経営成功のために有効です。
アパート経営で発生するランニングコストは、大きく分けて税金とその他費用の2つです。
その他費用には管理会社の費用、建物のメンテナンス費用、修繕工事費用、アパートローンの返済、原状回復費用、入居者募集の広告費用、税理士への委託費用があります。
管理会社や税理士などは委託先の変更を検討し、アパートローンは借り替えの検討や金融機関への金利の引き下げを交渉する方法などがあります。
家賃保証の導入はよく検討してから
家賃保証とは、空室があっても満室でもオーナーに毎月固定額の賃料が支払われる管理方式を言います。
アパートの管理方式には、管理委託とサブリースがあります。
家賃保証は、サブリースが該当します。
サブリースでは、アパートのオーナーはサブリース会社である管理会社と一棟全体の賃貸借契約を結び、入居者はサブリース会社と賃貸借契約を結びます。
家賃保証を利用する場合、サブリース会社に家賃の15%程度の支払いが必要なためオーナーの収入が大きく減ります。
サブリース会社倒産の可能性もゼロではないため、信用できる会社かよく調べて契約する必要があります。
万が一の備えも万全にしておこう
太陽光発電でもアパート経営でも、自然災害などでの被害に遭う可能性があります。
万が一の場合に備えての対策は、万全にしておきたいですよね。
今からでもできる対応を紹介していきます。
蓄電池で災害への対策
太陽光発電と蓄電池を併せて導入していれば、日中に発電した電気を蓄電池に貯めておくことができます。
万が一災害で電力の供給が止まった場合、オール電化住宅だと生活の全てに支障が出てしまいますので、停電になっても貯めておいた電気が使える蓄電池があると安心です。
平常時でも夜間に貯めた電気を使えば電気代を削減することができます。
アパート経営において、災害対策は必須事項ですので太陽光発電とセットでの蓄電池導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
保険や保証内容を確認する
どのような災害や事故が起きても対処できるように保険への加入は必須と考えましょう。
- アパート経営で加入を検討したい保険の種類
- 火災保険
- 地震保険
- 施設賠償責任保険
- 団体信用生命保険
事業として行う場合の太陽光発電で加入を検討したい保険の種類
- 企業総合保険
- 動産総合保険
- 施設賠償責任保険
- 休業損害補償保険(売電収入補償特約)
- 出力抑制保険
太陽光発電ではメーカーの無償保証では保証の対象外となる範囲をカバーできる保険が必要です。
アパートでも太陽光発電でも補償内容をよく確認して、加入する保険を選ぶようにしましょう。
事業を終えるタイミングを決めておく
事業を終えるタイミング=出口戦略は、物件を購入する段階から決めておく必要があります。
なぜなら、購入後には変えられない要素があるからです。
「高く売却できる物件を購入すること」は、購入後には変えられません。
アパート経営の場合、出口戦略は物件のまま売却と更地にして売却の2つがあります。
出口戦略についてはハウスメーカーや管理会社と相談して決めておくことをお勧めします。
太陽光発電とアパートの同時経営で資産を大きく増やそう
ここまで、太陽光発電とアパートの同時経営をするメリットや失敗しない方法を説明してきました。
同時経営をすれば、太陽光発電での売電収入と家賃収入があり、収入を大きく増やすことができます。
所有している土地やアパートを有効活用されたいとお考えの場合、太陽光発電との同時経営がお勧めです。