よく「直列」と「並列」って言葉を聞くけど、太陽電池にも関係があるのかな?
もちろんあるよ!
「直列」か「並列」かで、太陽電池のパフォーマンスも変わってくるし、それぞれにメリットやデメリットもあるんだよ!
そうなんだ!全然知らなかったよ!具体的には、どんなメリットやデメリットがあるのかな?
太陽電池の「直列」と「並列」の違いや、メリット・デメリットなど、みんなが気になる情報をお届けするね!
太陽電池の直列と並列の違いとは
太陽電池の「直列」と「並列」の違いを簡潔にお伝えすると、ケーブルの「繋ぎ方」の違いです。
太陽光発電の直列とは
乾電池を思い浮かべてください。
2つの乾電池を「縦」に並べて繋げる場合、画像の左側のように「プラス」と「マイナス」をくっつけますよね?
引用:リビングでDIY
これが「直列」です。太陽電池にも同じことが言えます。
つまり、ソーラーパネルを直列で繋ぐには、ソーラーパネルの、プラスとマイナスを順に接続ケーブルで繋げていけばいいのです。
太陽光発電の並列とは
対して「並列」は、乾電池を横に並べた光景をイメージしてください。
横に並べた乾電池を繋ぐには、画像の右側のように、プラスはプラス、マイナスはマイナスの端子同士を繋げる必要があります。
引用:リビングでDIY
ソーラーパネルを「並列」で繋ぐ場合も、同じようにプラス同士、マイナス同士と、ひとまとめにしなければなりません。
繋ぎ方の違いに、どんな意味があるのかな?
ここからは「直列」と「並列」のメリットとデメリットをお伝えしていくよ!
太陽光発電の直列のメリット
太陽電池を直列で繋ぐメリットは、以下のとおりです。
- 太陽電池を増やせば電圧を上げることができる
- 追加で専用のケーブルを購入する必要がない
太陽電池を増やせば電圧を上げることができる
屋根に、折り畳み式のソーラーパネルを搭載したキャンピングカーで、キャンプに行く光景を思い浮かべてみてください。
例えば、ソーラーパネルを一枚広げた状態で、ポータブル電源に電力を送るとします。時刻はちょうど昼時、昼食の用意をしようとIHクッキングヒーターと、ソーラーパネルを接続します。
ところが、いざ電源を入れても、IHクッキングヒーターが作動しません。これは電圧が不足していることが原因です。
ソーラーパネルの電圧が、使用したい電気機器の電圧を下回っていたら意味がないってことだよ!
ここからが「直列」のメリットを発揮できる場面です。
新たに折り畳み式のソーラーパネルを1枚増やし、太陽電池を2枚にします。直列では、太陽電池の数を増やせば、その分電圧を上げることができるので、先ほどは動かなかったIHクッキングヒーターが、問題なく動き始めました。
これでお昼ご飯の準備ができるね!
追加で専用のケーブルを購入する必要がない
初期費用という面で、追加で専用のケーブルを購入する必要がないのは、直列のメリットと言えるでしょう。
通常、ケーブル内を流れる電流が大きくなると、それに比例してケーブルを太く、丈夫なタイプにする必要がありますが、直列には、電圧が増えても、電流は増えないという特徴があります。
そのため、直列で繋ぐ太陽電池の数が増えても、電流量は変わらないので、ケーブルを太くする必要がありません。
太陽電池の直列のデメリット
太陽電池を直列に繋ぐデメリットは、太陽電池に一部分でも影ができてしまったら、太陽電池全体の発電量が低下するということです。
キャンピングカーのように、移動が可能なら、影ができる場所を避けることができますが、固定式の太陽電池の場合はそうはいきません。
発電量の低下は、自家消費や、売電に大きく関わる問題なので、できれば避けたいところです。
こういったトラブルを防ぐには、太陽電池を設置する前に、周囲の環境をしっかりリサーチすることが重要だよ!
周囲に背の高い建物や樹木がある場合は、影ができやすいから注意してね!雑草が伸びることで、影ができてしまうケースもあるからね!
太陽電池の並列のメリット
太陽電池を並列に繋ぐメリットは、以下のとおりです。
- 電流が多く流れる
- 太陽電池の一部が影になっても、他の太陽電池は影響を受けない。
電流が多く流れる
並列は、直列とは対照的に、太陽電池の数が増えると電圧は上がりませんが、その分電流が上がります。
電流が上がるメリットとしては、ソーラーパネルと、ポータブル電源を接続した場合、充電速度が上がることが挙げられます。
近頃、車中泊などで、ポータブル電源を持ち込むケースが増えています。
ポータブル電源を使うことで、照明やノートパソコン、電気ケトルなど、様々な電化製品を車内で使うことができ、快適な時間を過ごすことができます。
ですが、いざ使おうとしても、電力の残量がなければ、ただの荷物になってしまいます。
このようなトラブルを防ぐには、昼間の太陽が出ている時間帯に、何としてもポータブル電源の充電を済ませておく必要があります。
そんな時、電流の強い並列なら、短時間でポータブル電源の充電が完了するので安心です。
電力を使いながら、同時に充電もするなら、電流が強いほうが助かるってことだね!
太陽電池の一部が影になっても、他の太陽電池は影響を受けない
並列の場合、直列とは異なり、太陽電池の一部分に影ができてしまっても、太陽電池全体の発電量が低下することはありません。あくまでも、影ができている部分だけの発電量が低下するだけです。
固定式の太陽電池の場合、これは、大きなメリットと言えるでしょう。
太陽電池の並列のデメリット
太陽電池を並列に繋ぐデメリットは、以下のとおりです。
- 追加で専用のコネクタやケーブルを購入する必要がある。
- 逆電流による太陽電池の故障リスクがある
追加で専用のコネクタやケーブルを購入する必要がある
直列のように、プラスと、マイナスの端子を順に繋いでいくなら問題ありませんが、並列のように、プラスはプラス、マイナスはマイナスといったように、同じ端子をまとめて繋ぐ場合には、専用のコネクタやケーブルが必要になります。
太陽電池の枚数が増えるほど、ケーブルの数も増えるので、その分、費用も余計に発生してしまいます。
また、コネクタやケーブルが増えるほど、電力ロスも大きくなるので、せっかく発電した電力を無駄にしてしまいます。
太陽電池の出力が低い場合は、電力のロスは最小限に抑えないともったいないよ!
逆電流による太陽電池の故障リスクがある
太陽光発電を並列に繋ぐことのデメリットとして「電流の逆流防止の回路が必要」であることが挙げられます。
何だか難しそうだけど、どういことなのかな?
引き続き、キャンプで車中泊ををするシチュエーションでご説明をします。
日中、折り畳み式のソーラーパネルで発電した電力を、持参したポータブル電源に繋いで、充電をしたとします。
夜を迎え、太陽が沈んだことで、ソーラーパネルの役目は終わりました。
ところが、ソーラーパネルと、ポータブル電源を繋いだままにしておくと、ポータブル電源に貯められた電力が、ソーラーパネルに逆流するというケースが発生することがあります。
この逆流した電力が原因で、ソーラーパネルが故障してしまうという、最悪の事態が発生する場合があるのです。
こういった、トラブルを防ぐためにも「逆流防止の回路」を設置してあげる必要があります。
ソーラーパネルに自体に、逆流防止の回路がついている商品もあるからね!
太陽電池の直列と並列の違い まとめ
ここまで、太陽電池の「直列」と「並列」の違いを解説してきました。
まとめると、以下のようになります。
太陽電池の「直列」と「並列」の違い
- 直列は「プラス」と「マイナス」を順に繋げていく
- 並列は「プラスはプラス」のように同じ端子で繋げていく
直列のメリットとデメリット
- 太陽電池を増やせば電圧を上げることができる
- 追加で専用のケーブルを購入する必要がない
- 太陽電池の一部にでも影ができてしまうと太陽電池全体の発電量が低下する
並列のメリットとデメリット
- 電流が多く流れる
- 太陽電池の一部が影になっても、他の太陽電池は影響を受けない。
- 追加で専用のコネクタやケーブルを購入する必要がある。
- 逆電流による太陽電池の故障リスクがある
それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った太陽電池の繋ぎ方を選択してください。