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太陽熱発電とは?太陽光発電との違い&メリット・デメリット!

太陽熱発電とは? Q&A
ひかり
ひかり

太陽熱発電ってどんな発電方法なの?

てんか
てんか

太陽熱発電と太陽光発電は何が違うのか知りたい!

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太陽熱発電とは?

太陽熱発電とは、その名のとおり太陽の熱を利用して発電する方法です。

その仕組みは、太陽熱によって蒸気を発生させてタービンを回転させるものであり、これは火力発電のタービン式と同じものです。

火力発電の場合、熱を発生させるために燃料が必要ですが、太陽熱発電は太陽の熱を利用して蒸気を発生させるため、燃料費がかからず運用していくうえでコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。

このように、太陽熱発電は熱を発生させるために燃料を燃やすこともしないため、環境にも優しい発電方式です。

太陽光発電と太陽熱発電の違い

太陽を利用した発電方式では、太陽光発電をイメージする人も多いですが、どのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、太陽光発電と太陽熱発電の特徴をそれぞれ解説していきます。

太陽光発電の特徴

太陽光発電(ソーラーパネル)は、太陽の光を電気に変換する発電方式です。

太陽光パネルを設置している建物や住宅を見たことがある人も多いことでしょう。

従来よりも価格は下がってきたとはいえ、パワーコンディショナーや蓄電池などの設備も必要になることから、初期投資の金額が高くなりがちですが、太陽光パネルの大きさを変えられる柔軟性の高く、一般家庭から商業施設まで日本国内で普及している発電方式となっています。

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太陽熱発電の特徴

太陽熱発電は、太陽から発せられるエネルギーを使用する共通点はあるもの、光を電気に変換する太陽光発電とは仕組みが大きく異なります。

先にも触れたように、太陽熱発電は太陽の熱で水を蒸気に変えてタービンを回転させて発電するため、火力発電や原子力発電と同じ仕組みを使用しています。

太陽光発電は光が当たっていなければ発電できないことに対し、太陽熱発電は蓄熱しておくことで夜間でも発電できるほか、火力発電をはじめ他の発電方式と組み合わせるといったハイブリッド化することが可能であることも特徴であるといえるでしょう。

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太陽熱発電のメリット

さまざまな発電方式があるなかで、太陽熱発電を利用するにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

太陽熱発電を利用するメリットは、下記のとおりです。

  • 太陽光発電よりも低コストで導入できる
  • 蓄熱により夜間でも発電できる
  • 蓄熱装置を設置することで夜間や雨天でも発電できる

ひとつずつ確認していきましょう。

太陽光発電よりも低コストで導入できる

太陽光発電は以前に比べて価格は下がってきましたが、太陽光パネル以外にパワーコンディショナーや蓄電池など設備が必要となるため、初期費用は大きくなりがちです。

一方の太陽熱発電は、太陽光発電と比較して初期費用は安く済むというメリットがあります。

加えて、太陽光発電のエネルギー変換率は約20%であることに対し、太陽熱発電は約50%と高い変換率であることから、全体的にコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。

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蓄熱により夜間でも発電できる

同じ太陽のエネルギーを使用する太陽光発電ですが、光を利用するため太陽光がない夜間には発電することができません。

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一方の太陽熱発電は、日中に蓄えた熱を利用することで、夜間でも発電できるというメリットがあります。

火力発電のようにボイラーと接続して熱を保つ方法以外に、溶融塩やコンクリートを活用するといった蓄熱技術も進歩してきているため、今後の発展にも期待ができるといえるでしょう。

蓄熱装置を設置することで夜間や雨天でも発電できる

太陽光発電は、文字通り太陽の光を利用する発電方式であり、蓄電が難しいことから基本的に日中の時間しか発電することができません。

一方の太陽熱発電は、蓄熱装置を設置することで発電することができるため、先に触れた夜間以外に、雨天でも発電することができます。

つまり熱さえあれば天候や昼夜問わずに発電可能であり、こうした稼働率の高さは大きなメリットであるといえるでしょう。

太陽熱発電のデメリット

太陽光発電よりも初期費用が安く、夜間や雨天でも発電できる太陽熱発電ですが、その一方で下記のようなデメリットも存在します。

  • 設備の設置に広大な土地が必要
  • 日照量に依存するので発電できる地域が限られている
  • 雨天が続くと発電できない

それぞれ見ていきましょう。

設備の設置に広大な土地が必要

太陽光発電よりも初期費用が安く済む一方で、太陽熱発電には鏡やレンズといった集熱装置が必要です。

複数設置することで発電量を増やすことができますが、設置するためには広大な土地が必要となるため、一般家庭をはじめ十分なスペースを確保しにくい場所には向いていません。

将来、集熱装置の小型化や蓄熱材の性能向上によって解決されることに期待が持てますが、現時点ではデメリットであるといえるでしょう。

日照量に依存するので発電できる地域が限られている

太陽の熱を利用する太陽熱発電は、日照量に大きく依存するため、発電できる地域が限られているというデメリットがあります。

また、平地の方が太陽熱発電がしやすいですが、日本は山地が多いため太陽熱発電に必要な設備を設置しにくいことも挙げられます。

導入を検討する際には、広大な土地の確保と設備を設置する場所の日照量をしっかりと確認するようにしましょう。

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雨天が続くと発電できない

蓄熱装置によって夜間や雨天でも発電できる太陽熱発電ですが、雨天が続くと発電ができないデメリットがあります。

これは、雨天時には湿度が高くなり、発電効率が落ちてしまうためです。

天候による発電量の違い

太陽光発電システムの天候による発電量の違い

引用:株式会社ティー・ワイ

梅雨という雨季がある日本ですが、そのなかでも降水量が多い地域があるため、導入時には日照量だけではなく地域の天候についても発電量が左右されます。そのため、十分にお住まいの地域の設置条件を確認する必要があるといえるでしょう。

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太陽熱発電の種類

太陽から発せられる熱を利用して発電する太陽熱発電ですが、その構造にはさまざまな種類があります。

ここでは、太陽熱発電の代表的な構造を紹介していきます。

パラボラ・トラフ型

パラボラ・トラフ型は、太陽熱発電の構造のなかでも最も普及している構造です。

その構造はシンプルで、放射線形状の曲面反射鏡を利用して発電・蓄熱し、オイルをはじめとする液体が流れるパイプを加熱することで蒸気を発生させます。

このようなシンプルな構造であるため、価格が比較的リーズナブルなことも特徴であるといえるでしょう。

リニア・フレネル型

先のパラボラ・トラフ型と技術が似ていますが、リニア・フレネル型は反射鏡の上方に集熱管を設置し、それによって蒸気を発生させる発電方法です。

リニア・フレネル型は、トラフ型よりも集光率は劣りますが、反射鏡の価格が安く、狭い土地でも設置しやすいという特徴があります。

また、風にも強いため、余計なトラブルが少なく、運用のしやすい構造であるといえるでしょう。

タワー型

タワー型は、文字通り集熱するタワーを立て、その周囲に平面鏡を並べて発電する構造です。

平面鏡に太陽追尾装置を搭載させることで効率よく集熱できるほか、一転に熱を集めるため高温の蒸気を作ることができます。

効率性が高い構造ではありますが、障害物に遮られないようタワーを高くしたり、平面鏡の数を増やしたりすることで、コストも高くなりやすいといえるでしょう。

ディッシュ型

ディッシュ型は、お皿のような放物曲線形状の反射鏡で集光し、焦点部分にタービンを設置して発電する構造です。

発電効率が高く、蒸気を水に戻す冷却水が不要というメリットがあり、サイズも5~15メートルと太陽熱発電のなかでは比較的小規模です。

しかし、導入実績はまだまだ少なく、技術改良が課題となっている発電方式でもあります。

太陽熱発電の集熱方式

太陽電池(モジュール・太陽光パネル)

太陽熱発電の集熱方式には、「液体集熱式」と「空気集熱式」の2種類があります。

太陽熱は再生可能エネルギーであり、温水や温風に利用できることから給湯や冷暖房に用いることが可能です。

ここでは、液体集熱式と空気集熱式それぞれについて解説していきます。

液体集熱式

液体集熱式は、太陽熱によって温められた不凍液を循環させて再利用するシステムです。

具体例には、貯湯タンクと接続して温水を作ることや、床下に流すことで床下暖房として活用するなどが挙げられます。

液体集熱式の集熱器には、比較的安価で既存設備にも接続しやすい「平板型集熱器」と、集熱効率が良く水平設置が可能な「真空管型集熱器」があります。

集熱部と蓄熱槽が分離しており、設備のサイズも大きくないことから太陽光パネルとの併設も可能です。

空気集熱式

空気集熱式は、住宅の屋根や壁面に設置するタイプの集熱器です。

太陽熱を利用して通気層の空気を暖め、それを屋内に流すことで暖房や床暖房として活用することが可能です。

冬場に部屋を暖めることができるのはもちろん、夏場には暑い空気を外に排出できるタイプのものあるため、発電だけではなく冷暖房にかかる電気代が節約できることにも期待ができるでしょう。

太陽熱発電の導入率

太陽から発せられるエネルギーを活用した発電方法は太陽光発電の方が知られていますが、太陽熱発電の導入率はどのような状況なのでしょうか。

ここでは、海外と日本それぞれの導入率を紹介していきます。

海外の導入率

太陽熱を利用する発電方法であるため、日照量が多い北緯37度以南のサンベルト地帯と呼ばれる国で導入が進んでいます。

また、設備の仕組みから湿度や降水量が少ない地域が好まれるため、必然的に赤道に近い領域での導入が多い状況です。

具体的には、広大な土地を有するアメリカやサンベルト地帯に位置するイタリア、太陽の国と称されるスペインでの導入が盛んです。

また、アラブ首長国連邦でも導入が進んでおり、産油国がエネルギー開発に積極的に取り組むことは、新しい可能性や選択肢が生まれることへの期待、エネルギーの在り方を考えさせられるものとして注目を集めています。

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日本の導入率

海外での太陽熱発電の設備導入において日本の製品が採用されるといった実績はあるものの、国内での導入率は決して高いものではありません。

これは、サンベルト地帯と比較して多湿で日照量が少なく、平地が好まれる太陽熱発電には向かない山地が多い国であることが理由として挙げられます。

また、太陽熱発電で十分な発電量を得るためには広大な土地が必要であることから、国土が狭い日本は向いていないことも要因といえるでしょう。

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太陽熱発電が日本で家庭用として提供される可能性

土地の広さや、十分な日照量が得られる地域が限られている日本において、太陽熱発電が家庭用として普及する可能性はあるのでしょうか。

これには、太陽熱発電に使用されている技術の進歩が必要不可欠です。

日本で導入が進んでいない要因となっている土地の狭さや湿度の高さの問題を解決すべく、集光器の技術向上による設備の小型化や、湿気に強い設備の開発などが課題として挙げられます。

また、導入における初期費用の軽減はもちろん、蓄熱材料が改良されることでメンテナンスコストが安くなると、導入のハードルが下がるため家庭用としても普及することが期待できるといえるでしょう。

今後の太陽熱発電の普及に期待

太陽熱発電は、太陽光発電と比較してパワーコンディショナーや蓄電池などの設備設置が不要であることから、初期費用を抑えて導入できる発電方式です。

また、蓄熱エネルギーの再利用することで、給湯や冷暖房への活用も可能であるため、発電以外に電気代を節約する効果も見込めます。

しかし、太陽熱発電は日照量に大きく依存することから、設置できる地域が限定されているほか、広大な土地が必要であるため日本での導入はまだまだ少ないのが現状です。

技術進歩によって設備の小型化や湿気をはじめとする環境面の改善、導入コストの軽減が進むことで一般家庭での普及率向上に繋がるといえるでしょう。

資源の枯渇が問題となっている現代において、持続可能・再生可能エネルギーには多くの注目が集まっています。

日々技術の進歩も進んでいるので、今後の発展と普及に期待を持ちましょう。

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