三菱電機は国内でも代表的な太陽光発電のメーカーだったけど、2020年3月に製造販売から撤退したようね。これまでに製造してきた製品が残っている場合は、販売店で購入できるようよ。
品質に信頼のおけるメーカーだけに残念ね。今後の保障はどうなるのかしら。三菱電機の太陽光発電の評判や口コミも確認してみよう。
三菱電機は太陽光発電から撤退!販売終了
日本国内の代表的な太陽光発電のメーカーの1つである三菱電機ですが、2020年3月に太陽光発電の製造・販売事業から撤退しました。
2012年に発電した電気の買取を行うFIT(固定価格買取制度)が施行されましたが、これに伴い、国内では太陽光発電事業が拡大しました。三菱電機はシャープや京セラに次ぎ、事業を発展させてきましたが、2015年頃から中国メーカーに押されて世界ランキングからも転落していき、撤退への流れとなったようです。
製造販売からは撤退したものの、京セラと共同で太陽光発電の設計に関わる事業は継続しています。また、今まで販売してきた製品保証も継続しています。
三菱電機太陽光発電の良い評判&口コミ
信頼のおけるメーカーだった三菱電機へのレビューは、比較的に良いものが多い状況です。
シミュレーションを上回る発電量だった
初日からよく発電してくれて、メーターを見ては感動しました。2013年の1年間で4,600kWhも発電。販売店のシミュレーション値3,300kWhを大幅に上回りました。
引用:サンサン太陽光発電
上記のように、システム導入前の発電量のシミュレーションを上回る発電も可能です。
天候によって発電量が左右されてしまうことが太陽光発電のデメリットですが、そんな条件下でも三菱電機の太陽光パネルは性能が良く、効果的に発電していたと言えそうです。
変換効率は14.6%~18.5%の製品が多いです。20%近くある他メーカーと比較して変換効率が低いという声も聞かれますが、発電量には全体的に満足する声が多いのが特徴です。
高い発電量は、高出力モジュールとコンパクトながら高性能なパワーコンディショナーの効果的な組み合わせにより実現しています。
屋根の形状に効率よくフィットした
寄棟屋根にも美しく、かつ効率よく載せられる台形モジュールがあったため、三菱製品に決めました。
引用元:サンサン太陽光発電
三菱電機のソーラーパネルは、その形状も機能的です。単結晶のモジュールの中には、台形のモジュールも用意されており、屋根によってはピッタリとフィットします。
2013年にマルチルーフシリーズを採用したことで、数多くのモジュールのモデルが登場しましたが、外観もスマートで好評。
長方形モジュールには、雪国に合わせたモデルも用意されていました。2001年には寄棟屋根用の太陽光発電の小型化が評価され、新エネルギー財団会長賞も受賞しています。
費用と性能のバランスが良い
費用が安めで、年間発電量もが高いようなので、三菱にしました。コンパクトなパワーコンディショナーや、使用状況がすぐ確認可能なモニターなど、痒いところに手が届く丁寧な作りで満足しています。
引用元:静岡ではじめる太陽光発電・蓄電池導入ガイド
使い易く、発電量も多く、その上費用的にも納得できるという口コミもあります。利用者の使い勝手が良く考えられている製品と言えそうですし、コストの面でも初期費用のコスパが良いという評判もあります。
総体的に見てバランスが良いと感じられれば、製品を選んだことが満足感につながりそうです。
三菱電機太陽光発電の悪い評判&口コミ
三菱電機の太陽光発電に対する残念なレビューも、少ないながら見られます。
点検に不満があった
うそーん。まじかー。
— GGしゃるまん (@shallman183) November 15, 2019
(でも三菱のモジュール点検ややこしかったからな〜) https://t.co/hofpD2DKXq
モジュールの点検への不満が見られますが、これはほかのメーカーと比べて特別に面倒な手順があるのかどうかは分かりません。
単に主観的な感想である可能性もあり、その場の担当者の対応の問題も考えられるでしょう。
三菱電機太陽光発電の特長やメリット
三菱電機の太陽光発電には、嬉しいポイントが複数あります。1つずつ内容を確認していきましょう。
停電時に使える電気量が多い
太陽光発電の大きなメリットとして、停電時に電気が使えるということが挙げられます。いざという時に十分な発電量が得られないのであれば、本来的な機能が劣っていると言えるでしょう。
しかし、三菱電機のパワーコンディショナーの品質は、他メーカーに比べると格段に良いのが特徴です。他メーカーが停電時に使える電機は1.5kWなのに比べて、三菱電機のパワーコンディショナーにはコンセントが2つあるため、2.7kWも使用可能です。
太陽光発電を導入する意味は、普段の発電もさることながら、非常時の電源としても非常に重要な役割を持っているので、このメリットは大きく評価できる点です。
積雪や塩害への耐久性が高い
豪雪地帯の積雪や、海岸沿いの塩害にも強いと言われているのが三菱電気の太陽光発電です。
1.5m程度の積雪への耐久性もあるとされています。というのも、三菱電機の長年の実績の中には、人工衛星用の太陽光発電システムやメガソーラー建設も含まれているため、耐久性が高い製品の生産ができるという特長があります。
組み合わせ次第で屋根を最大限に使える
三菱電機の6種類の形状やサイズの製品を組み合わせることで、設置可能なスペースを最大限使えるようになるのも大きなメリットです。
面積の問題で設置が難しい屋根でも、三菱電気の製品を組み合わせることで、効率的に設置することが可能です。
パワコン変換効率98%と国内トップを誇る
太陽光発電のパワーコンディショナーは、モジュールを通して発電した電力を家の中で使えるようにする機器のことです。このパワコンの機能が他メーカーに比べて良いのが三菱電機の製品です。
太陽光パネルで発電した直流電気を家の中で使えるように交流電気に変換する効率を変換効率と言いますが、三菱電機の製品は変換効率が98%と国内トップとなっています。
他メーカーは変換効率が95~96%なので、三菱電機がどれだけ効率よく電力を活用できているか分わかりますね。
また、湿気の多い場所にも設置可能な屋内屋外兼用のパワコンも開発されました。耐久性にも優れているのが特長です。
三菱電機太陽光発電のデメリット
三菱電機はパワコンの変換効率は高いものの、太陽光パネルの変換効率はほかのメーカーと比較して低くなっています。
メーカー名 | 変換効率 |
---|---|
三菱電機 | 15~16% |
トリナソーラー | 21.3% |
カナディアンソーラー | 20.3% |
パナソニック | 20.1% |
東芝 | 22.1% |
変換効率ランキングの上位に入っているメーカーは20%以上の数値を出しているため、残念ながら三菱電機はほかのメーカーに比べて大幅に低いことがわかります。
三菱電機太陽光発電の保証やアフターサービス
2020年3月に、三菱電機は太陽光発電の製造販売を中止しました。これに驚いた人は多いようです。三菱製品を使い続けている人にとっては、保証やアフターサービスについても知っておきたいところですね。
製造販売が終了しても、三菱電機は保証内容に基づいた保証が今後も行われると伝えています。修理に関しては、三菱電機の窓口が機能しています。
保証は太陽機器それぞれに付随しており、内容や保証期間が違っているのでチェックしてみてください。
長期的な保証
屋根の上に長く設置するため、太陽光パネルの出力は大切です。不具合が起き、効率が悪くなったときには、無料保証が必要になります。
また、家の中で使える電気に変換するパワーコンディショナーや、マルチアレイコンバータと呼ばれる、太陽電池からケーブルを通してパワーコンディショナーに送る接続箱の保証もあります。
これらはまとめて機器保証になります。下記で三菱電機の保証内容を見てみましょう。
保証名 | 期間 | 内容 |
---|---|---|
モジュール出力保証 | 25年 | 公称最大出力に対して80%以下になった場合、無料修理を行う (尚、21年~25年の間は、72%以下になった場合無料修理を行う) |
機器 | 10年 | パワーコンディショナーの電力変換効率が規定値の90%以下になった場合と接続箱の集電機能が故障した場合に無料修理 マルチアレイコンバータの変換効率が規定値の90%以下になった場合と集電機能が故障した場合に無料修理 |
システム部材 | 10年 | 屋根に固定している部材が破損や劣化などで機能しなくなった場合に無料修理 |
更新機器 | 10年 | モジュール以外の周辺機器の機器の買い替えをした場合、それらの機能が十分でなくなったときに無料修理 |
メンテナンス
三菱電機の太陽光発電関連製品の交換が必要な場合は、販売が終了しているため、基本的に新しい製品を再購入することはできません。販売店に製品が残っていない場合は、他社製品への置き換えが必要になります。
メンテナンスは三菱電機の製品を購入した販売店に問い合わせるのが一般的ですが、そのほかにも全国各地で営業しているメンテナンス業者でも可能です。
また、屋根上のモジュール以外であれば、自分で目視チェックを日常的に行っておくことをおすすめします。
ちょっとした変化を見逃さないためにも、パワーコンディショナーの機器類の汚れや、発電量・売電量を監視システムでチェックするなど、できる範囲で行っておくと良いです。
三菱電機の太陽光発電が向く人・向かない人
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
塩害地域に住んでいる | モジュールの性能を重視 |
パワコンの性能を重視 | – |
長期的な保証がほしい | – |
三菱電機の太陽光発電も製品の特長により、利用してメリットが大きい場合と、メリットが得られない場合があるでしょう。
例えば三菱電機の特徴的な保証として、沿岸地域に特化した保証もあります。海から最高で50m離れていると受けられる保証となります。そのため沿岸地域に住んでいる人には向いているメーカーと言えるでしょう。
また、性能の部分では、三菱電機はパワコンの性能が国内トップなのでパワコン重視の人にとってはおすすめのメーカーとなる反面、太陽光パネルは変換効率が低め。トータルの変換効率を重視する人にとっては、おすすめのメーカーとは言えないでしょう。
三菱電機の会社概要
三菱電機の会社について、ご紹介します。
歴史
三菱電気が太陽光発電を手掛けるようになった1974年には、まず太陽電池の開発から始めました。その後、産業用太陽光発電システムに着手しています。
販売を始めたのは遅く、パナソニックやシャープが販売を始めた後の1996年からです。そんな中でも、着実に太陽光発電システムの機能を高めて、実績を積んできたと言えます。
会社情報
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | 三菱電機株式会社 |
設立年 | 1921年1月15日 |
資本金 | 175,820百万円 |
代表者 | 漆間 啓 |
三菱電機は太陽光発電システムから撤退!保証は継続
現在、三菱電機は、京セラの製品を三菱電機の販売ルートを活用して販売している状況です。自社製品も性能が良かったので残念ですが、太陽光発電業界の中で国内トップレベルの京セラと組んで新たな方向性に舵を切ったことで、新たな展開が広がると言えそうです。
販売製造は終了したものの、保証は保証期間内であれば継続するということなので、老舗家電メーカーとしての信頼感を失わない姿勢に、撤退後も安心できるのではないでしょうか。
販売店では在庫が残っている限り、これまでどおりに2020年3月までに製造された製品の販売は行っていくということです。