
太陽光発電って、メンテンナンスフリーって言われているから、メンテンナンスは必要ないんだよね?

そんなことはないよ!太陽光発電を長く活用していくには、しっかりメンテナンスをすることが重要なんだよ!

へぇ、そうなんだ!でもさ、メンテンナンスって費用が発生するよね?どれくらい掛かるのかな?

太陽光発電のメンテナンス費用やメンテナンスの重要性など、みんなが気になる情報をお届けするね!
太陽光発電のメンテナンス費用はいくら?
太陽光発電のメンテナンス費用は、規模や用途によって相場が異なりますので一概には言えません。
今回は以下の2種類に焦点を絞って、メンテナンス費用を解説していきます。
- 住宅用の太陽光発電
- 産業用の太陽光発電
住宅用太陽光発電のメンテナンス費用
住宅用の太陽光発電とは、発電容量が10kW未満の太陽光発電を指します。

住居に設置する太陽光発電は、10kW未満であることが多いかな!
引用:タイナビNEXT
住宅用の太陽光発電に掛かるメンテナンス費用の相場は、1回あたり約1~2万円程度です。
点検項目としては、太陽光パネルの他にも、パワーコンディショナーや架台といった周辺機器も含まれています。
引用:エコでんち
太陽光パネルの清掃が必要な場合は追加で3~6万円程の費用が発生し、パワーコンディショナーの電圧測定や絶縁抵抗測定で不具合が見つかった場合、修理には5~10万円、交換で20~30万円の追加費用が発生します。
また、場合によっては、太陽光発電のメンテナンスをするために、足場を組む必要があり、足場代が発生することも。
足場代はどの程度の規模を組むかで料金が異なりますが、太陽光発電のメンテンナンスであれば壁1面分で大丈夫でしょうから、約8万円程度だと思ってください。
項目 | 金額 |
---|---|
太陽光発電のメンテナンス | 1~2万円 |
太陽光パネルの清掃 | 3~6万円 |
パワーコンディショナーの修理 | 5~10万円 |
パワーコンディショナーの交換 | 20~30万円 |
足場代 | 壁1面分で8万円 |

つまりメンテンナンスだけだったら、足場代を含めて約10万円ってことだよ!
産業用太陽光発電のメンテナンス費用
産業用の太陽光発電とは、発電容量が10kW以上の太陽光発電を指します。いわゆるメガソーラーのことです。
みなさんも上の画像のように、郊外の広い土地に、太陽光パネルが整然と並んでいる光景を見たことがあると思います。
気になるメンテナンス費用ですが、産業用であっても規模によって金額が異なります。
具体的には以下のとおりです。
- 50kW未満 ⇒ 10~15万円 / 年
- 50kW以上 ⇒ 100~200万円 / 年
上記のうち、50kW以上は50~2,000kW未満の高圧と、2,000kW以上の特別高圧に分かれており、メンテンナンス費用の幅も非常に広くなってしまいます。

つまり、50kW以上の場合は明確にメンテンナンス費用はこれくらいですって断言しにくいんだよね!

50kWと2,000kWじゃ規模が違い過ぎるもんね!幅が広くて参考になり難いけど、最低で100万円、最高で200万円掛かるって感じだね!
産業用はちょっとした工夫を施すことで、メンテナンス費用を抑えることができます。
例えば雑草が生えないように地面に除草剤を散布したり、雨風による機器の劣化を抑えるために耐久性の高い素材を使うなど、導入時にメンテンナス費用を考慮した工夫をすることで年間のメンテナンス費用の削減に繋がります。

太陽光発電のメンテナンスの必要性
太陽光発電はメンテンナスフリーだと言われていますが、定期的なメンテナンスが推奨されています。
なぜなら、定期的にメンテナンスをすることで、以下のようのメリットがあるからです。
- 発電効率を防ぐ
- 安全性を保つ
- 機器の寿命を延ばす
それぞれ詳しく解説をしてきます。
発電効率の低下を防ぐ
太陽光パネルは、汚れや異物が付着することで発電量が低下してしまいます。
その部分だけ影になってしまい、太陽の光が当たらないからです。
通常の汚れや埃なら雨風が洗い流してくれますが、鳥の糞や風に飛ばされてきた異物は、人の手によって洗浄しなければいけません。
引用:エネパワー
メンテンナス費用を浮かせようと、自分で太陽光パネルを洗浄しようと考える人もいるでしょう。
産業用の場合は野立てと呼ばれ、地面に架台を固定して、その上に太陽光パネルを乗せる設置方法なので、設置者が自分で太陽光パネルを洗浄することは可能です。

むしろ、積極的に洗浄することをオススメするよ!太陽光パネルの汚れはどんどん綺麗にしていこう!
ですが、住宅の屋根に設置された住宅用の太陽光パネルは、話が違います。
素人が屋根に上るのは危険なので、絶対に止めてください。費用は掛かりますが、必ず専門の業者に洗浄を依頼してください。

もし屋根から落ちたら命に関わるし、屋根を這うケーブル類を抜いたりしたら売電ができなくなる可能性もあるからね!
安全性を保つ
災害時に太陽光パネルが飛ばされたり、落雷でケーブル類が燃えるなどの事故は、過去に何件も報告されています。
台風の影響で屋根に設置した太陽光パネルが落下した事故事例
引用:朝日新聞
ですが、太陽光発電に関する事故は、何も災害時に限ったことではありません。
屋内に設置されたパワコンから発火したり、屋根から黒煙が上っていたので点検してみると「ケーブルやアース線が切れていた」といった事故は、決して珍しいものではありません。
引用:日経XTECH
産業用の場合は太陽光パネル周辺に雑草が生えていることも多く、自然発火が重大な火災事故に繋がる危険性もあります。

太陽光発電の規模が大きければ、それに比例して事故の規模も大きくなってしまいます。
2012年7月から始まった固定価格買取制度(FIT)の影響で、太陽光発電は国内で急速に普及していきました。
その一方で、整備不良による事故も後を絶たず、太陽光発電設備の安全性を保つ必要があります。
定期的に太陽光発電をメンテナンスすることで機器の不具合を早期発見し、事故を未然に防ぐことができるのです。

さっきも言ったけど、メンテナンスをすることで発電効率の低下を防ぐこともできるから定期的に点検をしてね!
機器の寿命を延ばす
太陽光発電も電気機器である以上、寿命があります。
太陽光発電を構築する機器の寿命は、以下のとおりです。
区分 | 寿命年数 |
---|---|
太陽光パネル | 20~30年 |
パワーコンディショナー | 10~15年 |
接続箱 | 10~15年 |
分電盤 | 10~15年 |
架台 | 25年 |
これらの年数は、定期的にメンテナンスをされている状態であることが前提となっています。
電気機器というのは、埃や湿度に弱く、何も対策をせずに放置していけば機器の劣化速度は増していく一方です。
定期的にメンテナンスをすることで機器の寿命を適切な期間に導くだけでなく、更に寿命を延ばすことも可能です。
太陽光発電には、多額の初期費用が発生します。高い買い物であるからこそ、少しでも長く活用できる努力を怠らないでください。
最終的には太陽光パネル1枚あたりに処分費用がかかりますが、メンテナンス次第で年単位で寿命が変わります。

太陽光発電のメンテナンス頻度
経済産業省資源エネルギー庁は、住宅用の太陽光発電に対して、設置してから1年後の保守点検、それ以降は最低でも4年に1度のメンテナンスを推奨しています。
点検項目は、以下のようになります。
- 太陽光パネル
- パワーコンディショナー
- 接続箱
- 分電盤
- ケーブル類
- 架台
発電容量が50kW~2,000kWの産業用太陽光発電設備は、年に2回の保守点検が義務付けられています。
基本的な点検項目は住宅用と同じですが、必要に応じて項目が増えることがあります。
太陽光発電のメンテナンスは誰に依頼するの?
太陽光発電のメンテナンスの依頼先は、以下のとおりです。
- メーカー
- 施工業者
- メンテンナス業者
それぞれ詳しく解説をしていきます。
メーカー
太陽光発電を購入したメーカーから、定期的なメンテナンスを受けることができます。
例えば大手メーカーのシャープの場合ですと、ソーラーテクニカルマイスター制度というものがあり、特別な教育を受けた専任者がメンテナンスを請け負ってくれます。

自分が勤めているメーカーの商品だったら誰よりも詳しいだろうから、安心して任せられるよね♬
メーカーによって独自の制度やサービスがありますので、太陽光発電を購入する際の検討材料にもなるでしょう。
また、メーカーが専属で業務を委託しているメンテナンス会社が請け負ってくれるケースもあります。
施工業者
太陽光発電取り扱い業者も、独自のメンテナンスサービスを実施しています。
注意点としては、訪問販売などで太陽光発電を購入した場合、こちらから尋ねないとアフターサービスについて触れてくれないケースがあります。
そういった業者は、大抵商品を売ることだけに重点を置いており、メンテンナスなどのアフターサービスを実施していません。
- 定期的なメンテナンスサービスはありますか?
- メンテンナスパックなどの商品はありますか?
- メンテンナスは無料ですか?
上記のように、必ずメンテナンスサービスの有無を確認しましょう。
また、メンテナンスサービスを実施していない業者は、太陽光パネルや周辺機器の保証期間が短い傾向にあります。

こっちが素人だと思って大切なことを伏せたり、足元を見てくる業者もいるから注意してね!

メーカー以外の業者から太陽光発電を購入する場合は、必ず複数の業者に見積もり依頼をしてね!価格だけじゃなく、アフターサービスの充実度も重要だからね!
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メンテナンス事業者
最後は、太陽光発電専門のメンテナンス事業者です。
近年、住宅用の太陽光発電の普及に伴い、メンテナンス事業者の数も増えています。
インターネットでは、料金の安い事業者をオススメしてくれるページや、ランキング形式で発表しているページもありますので、積極的に活用してください。
注意点としては、事業者によっては一部のメーカーの製品がメンテンナスの対象外というケースがあります。必ず設置してある太陽光発電のメーカーを確認し、見積もり時に伝えましょう。
また、ホームページなどで過去の営業実績が分かる場合は、確認しておきましょう。実際にメンテンナスを依頼した方の口コミがあれば、要チェックです。

体験者のリアルな声は貴重な情報だよ!

太陽光発電の点検は義務化されている
もともと発電容量が50kW~2,000kWの産業用太陽光発電は、年に2回の保守点検が義務付けられていましたが、2017年4月の改正FIT法に伴い発電容量が50kW未満(低圧)の太陽光発電設備に対してもメンテナンスが義務付けられました。


住居の屋根に設置されている住宅用の太陽光発電も対象となるからね!つまり全ての太陽光発電にメンテナンスが義務付けられているってことだよ!

義務化ってことは・・・破ったら罰則とかあるの?
罰則は、あります。具体的な内容は、以下のとおりです。
- 指導
- 助言
- 改善命令
- 認定取り消し
最も重いのは、売電ができなくなる「認定取り消し」でしょう。
太陽光発電を設置する方は、電気代の削減とともに売電収入に期待をしていますので、売電ができないとなれば太陽光発電の魅力が半減してしまいます。

それどころか、売電収入で完済できるようにローンの返済プランを組んでいる人は、死活問題だよね!シャレにならないよ!
意外と知られていませんが、点検の対象は機器だけではありません。保証や過去の点検結果などの書類関係も点検対象となりますので、必ず保管しておいてください。
注意点ですが、実際にメンテンナスや保守点検を実施した場合、内容を記したレポートを作成・保管し、政府から提出を求められたら従わなければなりません。
また、経済産業省資源エネルギー庁が配布している事業計画策定ガイドラインには、民間のガイドライン同等以上のメンテナンスを行うよう記されています。
保守点検及び維持管理計画の策定及び体制の構築に当たって、
具体的な保守点検及び維持管理の内容については、自らの責務により民間団体が作成した
ガイドライン等(付録参照)を参考にし、計画を策定及び体制を構築することが必要である。

つまり、適当なメンテナンスや、点検をしてもダメってことだよ!
ガイドラインは、住宅用も産業用も同じものが適用されます。しっかりルールに則ったメンテナンスを行って、長く太陽光発電を活用してください。
太陽光発電のメンテナンス費用 まとめ
ここまで、太陽光発電のメンテナンス費用などについて解説をしてきました。
まとめると以下のようになります。
住宅用の太陽光発電
- 通常のメンテナンス ⇒ 1~2万円
- 太陽光パネルの清掃 ⇒ 3~6万円
- パワーコンディショナーの修理 ⇒ 5~10万円
- パワーコンディショナーの交換 ⇒ 20~30万円
- 足場代 ⇒ 壁1面分で8万円
産業用の太陽光発電
- 50kW未満 ⇒ 10~15万円 / 年
- 50~2,000kW ⇒ 100~200万円 / 年
太陽光発電のメンテナンス頻度
- 住宅用 ⇒ 設置から1年後、その後は4年に1回
- 産業用 ⇒ 年に2回
現在は、全ての太陽光発電のメンテナンスが義務化されました。
定期的にメンテンナスを行うことで、効率の良い発電を行うだけでなく、施設の安全を守ることにも繋がるのです。