パワーコンディショナーの設置・交換費用は、どれくらいかかるのかな?
パワコンの価格は、相場では3.3万円/kWと言われているわね。
家庭用の太陽光だったら、最低10万円くらいということ?
3.3万円はパワーコンディショナーだけの価格だから、交換費用も含めてどれくらいの金額になるか一緒に見ていこう!
パワーコンディショナーの価格相場
2021年12月に資源エネルギー庁が公表した「太陽光発電について」によると、2021年のパワコンの価格は1kWあたり3.3万円が相場と言われています。
この章では、メーカーごとのパワコンの一般的な価格を容量別にまとめています。
パワコンの交換を検討される際に、金額の参考にしてみてください。
各メーカーの最小容量別の価格
住宅用の太陽光発電システムに使用するパワーコンディショナの参考価格を一覧で紹介します。
記載しているモデルは、メーカーごとの容量が小さい製品に絞っています。
メーカー | モデル | 利用場所 | 定格容量 | 最大入力電圧 | 変換効率 | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|---|
オムロン | KPK-A55 | 屋内用 | 5.5kW | 450V | 95.5% | 154,000円 |
シャープ | JH-55GB3 | 屋外・屋内兼用 | 5.5kW | 450V | 96.0% | 255,589円 |
パナソニック | VBPC255NC2 | 屋内用 | 5.5kW | 450V | 96.5% | 188,739円 |
日立 | HSS-PS59EMT15 | 屋外用 | 5.9kW | 450V | 96.4% | 121,000円 |
京セラ | PVN-553 | 屋内用 | 5.5kW | 450V | 95.5% | 432,000円 |
※京セラのみメーカー希望小売価格を表示
日立と京セラのパワーコンディショナーには自立運転機能が付いているため、停電になったときに蓄電池がなくても電力を使用できるので安心です。
塩害に対応したタイプのパワコンは、オムロン製で定格容量5.5kWの製品が165,000円(税込)になっています。
また、日本のメーカーのパワコンは15年の保証が付いていることが多いです。
10kw前後
10kwのパワーコンディショナーを用意するためには、5.5kwのパワーコンディショナーを2台用意する必要があります。
パワーコンディショナーが10kw前後になるように、2台分の価格を一覧にまとめました。
メーカー | モデル | 利用場所 | 定格容量 | 最大入力電圧 | 変換効率 | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|---|
オムロン | KPK-A55 | 屋内用 | 5.5kW×2台=11kw | 450V | 95.5% | 308,000円 |
シャープ | JH-55GB3 | 屋外・屋内兼用 | 5.5kW×2台=11kw | 450V | 96.0% | 511,178円 |
パナソニック | VBPC255NC2 | 屋内用 | 5.5kW×2台=11kw | 450V | 96.5% | 377,478円 |
日立 | HSS-PS59EMT15 | 屋外用 | 5.9kW×2台=11.8kw | 450V | 96.4% | 242,000円 |
京セラ | PVN-553 | 屋内用 | 5.5kW×2台=11kw | 450V | 95.5% | 864,000円 |
10kw前後でのパワーコンデイショナーの価格の平均値は、359,664円(税込)になります。
ただし、京セラはメーカー希望小売価格を表示しているため、平均値の算出からは除外しています。
50kw前後
太陽光発電で50kw前後は産業用に該当するため、屋外設置向けのパワコンの価格を紹介します。
メーカー | モデル | 定格容量 | 最大入力電圧 | 変換効率 | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|
ファーウェイ | SUN2000-50KTL-JPM1 | 三相49.9kW | 1100V | 最大98.9% | 550,000円 |
SUNGROW | SG49.5CX-JP | 三相49.5kW | 1100V | 最大98.7% | 429,000円 |
50kw前後の場合は平均価格が489,500円(税込)となり、容量が大きいパワコンを1台設置すると費用を抑えられます。
ファーウェイとSUNGROWは共に中国のメーカーで、パワコンの保証期間は基本5年で有償で最大20年の保証に変更できます。
100kw前後
容量が100kw前後のパワコン価格を紹介します。
メーカー | モデル | 定格容量 | 最大入力電圧 | 変換効率 | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|
ファーウェイ | SUN2000-50KTL-JPM0 | 三相50kW 高圧用×2台=100kW | 1100V | 最大98.9% | 495,000円×2台=990,000円 |
ファーウェイ | SUN2000-50KTL-JPM1 | 三相49.9kW×2台=99.8kW | 1100V | 最大98.9% | 550,000円×2台=1,100,000円 |
SUNGROW | SG49.5CX-JP | 三相49.5kW×2台=99kW | 1100V | 最大98.7% | 429,000円×2台=858,000円 |
100kw前後でのパワコン平均価格は、982,667円(税込)になります。
パワーコンディショナーの価格推移
パワコンの価格推移は、値下がり傾向と言われています。
2021年12月に資源エネルギー庁が公表した「太陽光発電について」によると、2013年のパワコン1kWあたりの費用は4.7万円でした。
2021年ではパワコン1kWあたりの費用が3.3万円のため、8年間で約1.4万円も価格の相場が下がったことになります。
西暦 | パワコン1kWあたりの価格 |
---|---|
2013年 | 4.7万円 |
2021年 | 3.3万円 |
太陽光発電の普及が進んでメーカーが量産できるようになり、製造コストが下がった分がパワコンの価格に反映されているのが値下がりの理由と考えられます。
パワコンは通販サイトでも販売されていますので、価格の相場を目安にして最新の機器を選択する際の目安にしてみてはいかがでしょうか。
パワーコンディショナーの費用
パワコンを購入する際は、設置工事の費用または交換費用が発生します。
パワコンの設置・設定には電気工事士の資格が必要になりますので、業者に作業を依頼しましょう。
この章では、それぞれの施工にどれくらいの費用がかかるのかを解説していきますので、業者選びの参考にしてみてください。
設置
新しく太陽光発電システムを導入するときは、設置工事の費用がかかります。
新設の場合は、太陽光パネルや架台の設置などと工事費用が合算して算出されるため、パワコンのみの設置費用は見えにくくなっています。
資源エネルギー庁が2022年4月に公表した「調達価格等に関する報告」によると、2021年の住宅用太陽光発電システム全体の工事費用は1kWあたり6.6万円です。
6.6万円という金額は、産業用の太陽光発電も含めた相場ですので住宅用の太陽光発電の場合は、相場よりも金額が下がります。
交換
モジュールの寿命は25年~30年ですが、パワコンの寿命は10年~15年のためパワコンが先に故障して交換が必要になる可能性があります。
資源エネルギー庁が2022年4月に公表した「調達価格等に関する報告」では、設置容量が5kWの太陽光発電設備の場合、パワコン交換の費用は22.4万円が相場という調査結果になっています。
実際は購入するパワコンの型式や設置場所の条件などで交換費用が前後しますので、詳細は業者から見積りを取って確認することが重要です。
パワーコンディショナーに補助金は出る?
パワコンを導入する際に利用できる補助金の事例を紹介します。
東京都内の住宅を対象にした「太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業」があります。
太陽光発電を長い期間継続して利用するために、パワコンの交換費用に対して助成金が給付されるものです。
パワコン1台あたり10万円を上限として、パワコン本体の費用と交換工事費用合計の2分の1が助成されます。
引用:ソーラーパートナーズ
助成金を利用するためには、指定された期間内に申請と交換工事が完了する必要があるのでどちらも期限内に対応するようにしましょう。
補助金は東京都のケースに限らず地域で公示されていますので、利用できる補助金がないか行政のホームページなどを確認してみてください。
パワーコンディショナーの価格は1kwあたり約4万円
パワーコンディショナーの2021年価格は、1kWあたり3.3万円が相場でした。
購入する機器の仕様や性能などで金額が前後するので、1kWあたり約4万円と考えるのが現実的です。
住宅用の太陽光発電は3kW~5kWの容量で設置されていることが多いので、12万円~20万円前後で購入できることになります。
決して安い金額ではないので、補助金の活用も視野に入れながらパワコンの購入を検討されてみてはいかがでしょうか。