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太陽光発電の減価償却の耐用年数は15年?それとも17年?

太陽光発電の減価償却 税金
ひかり
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太陽光発電の減価償却の耐用年数って何年なの?

てんか
てんか

15年や17年って聞くけど、何が本当なんだろう?

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太陽光発電の減価償却の耐用年数

太陽光発電の減価償却の耐用年数は?

事業に使用する設備には、時間の経過によって価値が下がるものがあり、それらのことを減価償却資産といいます。

減価償却とは、価値の下がる資産に対し、取得に要した金額を定額法または定率法によって毎年経費として計上することができる仕組みのことです。

耐用年数は減価償却するための一定期間のことで、これは国税庁によって製品ごとに詳しく定められており、太陽光発電設備も例外ではありません。

太陽光発電の耐用年数は17年

太陽光発電の減価償却の法定耐用年数は、原則17年です。

なお、法定耐用年数は機器の寿命を指しているわけではないため、注意が必要です。あくまで償却時に何年で割るかと考えるための基準になります。

住宅用太陽光発電は償却資産にならない

住宅用太陽光発電の場合は売電を行っていた場合であっても事業用資産にはならないため、減価償却資産にならないケースがほとんどであることを覚えておきましょう。

住宅用の太陽光発電が償却資産になるのか、ならないのかの判断方法については、住宅用の太陽光発電は減価償却が可能なのか?をご覧ください。

太陽光発電の耐用年数の例外

太陽光発電の耐用年数には例外もある?

原則、太陽光発電の耐用年数は17年が採用されますが例外も存在します。それは太陽光発電がほかの事業に使用されている場合です。

具体的には、売電以外の目的以外に太陽光発電設備が利用されているケースが挙げられます。

例えば自動車製造において太陽光発電が使用されていた場合、最終製品は自動車となります。このケースの場合、太陽光発電の法定耐用年数は17年ではなく、自動車の9年が適用されるということです。

国税庁が公表している事例によると、自動車製造において太陽光発電が利用されている場合、附属製造設備扱いとされるため、このように処理されるとのこと。

【質問】
自動車製造業を営む法人が、自社の工場構内に自動車製造設備を稼働するための電力を発電する設備として設置した風力発電システム又は太陽光発電システムの耐用年数は何年ですか。

【回答】
本件資産は、自家発電設備の一つであり、その規模等からみて「機械及び装置」に該当します。本件設備のように、その設備から生ずる最終製品(電気)を専ら用いて他の最終製品(自動車)が生産される場合には、当該最終製品(電気)に係る設備ではなく、当該他の最終製品(自動車)に係る設備として、その設備の種類の判定を行うこととなります。したがって、本件設備は、自動車・同附属品製造設備になりますので、日本標準産業分類の業用区分は、小分類(「311 自動車・同附属品製造業」)に該当し、その耐用年数は、耐用年数省令別表第2「31 電気業用設備」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」の17年ではなく、同別表第2「23 輸送用機械器具製造業用設備」の9年を適用することとなります。

引用:国税庁

これは耐用年数が最終製造された製品の耐用年数に準ずる規定に則ったものです。

このように、売電目的以外に利用される太陽光発電設備は耐用年数が異なるため、確定申告時には注意しましょう。

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そもそも太陽光発電は減価償却が可能なの?

そもそも太陽光発電は減価償却が可能なの?

有形固定資産であっても、美術品をはじめ、経年経過により価値が下がらないものは減価償却資産にすることができないものがあります。

ここでは、そもそも太陽光発電は減価償却が可能なのか、産業用と住宅用それぞれについて解説します。

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産業用の太陽光発電

産業用太陽光発電は、経年によって価値が下がる減価償却資産とみなされるため減価償却を行うことが可能です。

減価償却することによって、経費として扱える金額が大きくなるため、確定申告による所得税の節税に繋がります。

なお、売電以外を目的とした事業の場合、耐用年数は最終製造された製品の年数に依存するため注意しましょう。

住宅用の太陽光発電

住宅用の太陽光発電住宅用太陽光発電の場合、産業用太陽光発電とは異なり減価償却資産として扱われるケースは稀です。

しかし、ゼロではないことに注意しなければなりません。

例えば住宅新築時の屋根に太陽光パネルを設置して住宅の資産価値に上乗せするケースや、自宅兼事業所とする住宅に設置するケースなどが挙げられます。

一般住宅においては売電をしても年間の所得が20万円以上になることも稀ですが、副業によって事業所得や不動産所得などがあり、合計所得が20万円を超える場合には減価償却が可能となることも覚えておきましょう。

太陽光発電における減価償却のメリット

太陽光発電における減価償却のメリット

太陽光発電設備を減価償却資産として扱えるのか否か、耐用年数は何年になるのかなどを考えるのは手間ですが、減価償却をすることは経済的にも大きなメリットがあります。

ここでは、太陽光発電における減価償却の主なメリットを紹介します。

長期的な節税効果

太陽光発電を減価償却する大きなメリットのひとつに、長期的な節税効果が挙げられます。

所得税の計算では、年間収益から経費や控除額を引いて、算出された金額に所得税率を掛けて導き出されます。つまり減価償却を行うことで経費の金額を増やせるため、所得税を抑える効果があるのです。

特に法人の場合、太陽光発電の設備導入費用は個人宅での導入よりも高額になりやすく、それに比例して減価償却費も高くなります。太陽光発電の耐用年数は17年であることも含め、長期的な節税効果があるといえるでしょう。

太陽光発電の税額控除

法人においては、条件を満たすことで太陽光発電の税額控除を受けられる可能性があります。

具体的には中小企業経営強化税制の対象となることが挙げられ、法人において太陽光発電の用途を自家消費型として導入することが条件に含まれます。

これによって太陽光発電設備の導入経費に対し、特別償却か取得額の7%の税額控除が認められる可能性があるのです。

なお、資本金3,000万円未満の法人であれば税額控除率は10%となり、さらにお得となることも要チェックといえるでしょう。

損益が把握できるので事業計画を練りやすい

太陽光発電設備の取得を減価償却することは、年度ごとの経費がいくらになるか算出するため、損益が把握できるので長期間の事業計画を練りやすいメリットもあります。

反対に、減価償却をせずに単年度で大きな支出を出す場合、太陽光発電設備を導入した年度は導入費用によって大幅に収益が減少して、翌年以降からは減算されなくなるため収益が増加します。

このような運用を行うと、固定資産の投資によって収益にどのような影響を与えたのか正確に把握しにくく、事業計画が立てにくくなってしまうのです。

こうした事態に陥らないためにも、太陽光発電設備に対する減価償却は行うべきといえるでしょう。

減価償却には2つの計算方法がある

減価償却には2つの計算方法がある

所得税算出にあたり、経費として計上できる減価償却ですが、その計算方法には「定額法」と「定率法」の2種類の方法があります。

ここでは、定額法と定率法それぞれについて解説していきます。

定額法

定額法とは、その名のとおり毎年均等に償却を行う計算方法のことで「取得費用÷法定耐用年数」で求められます。

具体例を挙げると、太陽光発電システムの取得費用が170万円であった場合、法定耐用年数は17年で割って10万円が算出されます。この10万円が毎年の確定申告にて経費として計上されるのです。

なお、1年の途中で減価償却資産を購入した場合には、減価償却費の計算は月割りで計算しなければならない点にも注意するようにしましょう。

定率法

定率法は、減価償却費を「償却率」と呼ばれる割合にて算出する方法で「取得費用(2年目以降は未償却残高)×11.8%」の計算式で求められます。

償却率は「耐用年数省令別表十」で定められており、太陽光発電においては11.8%とされています。

毎年一定額の減価償却費が計上される定額法に対し、定率法では1年目の減価償却費がもっとも高く、年数が経つほど減価償却費が下がることも特徴です。

しかし、法定耐用年数の17年の期間内に資産の償却が完了しません。

その際には、未償却残高が保証額を下回ったタイミングで、償却率より割合が高い改定償却率にて減価償却費を求めることになることもポイントであるといえるでしょう。

なお、定額法と定率法のどちらを選択するかは企業が任意で決めることが可能です。

太陽光発電の減価償却における注意事項

太陽光発電の減価償却における注意事項

実施することによって利益が確保できる減価償却ですが、その際には注意事項も存在します。

ここでは、太陽光発電の減価償却における注意事項を解説していきます。

償却法の変更は3年間不可

減価償却には定額法と定率法の2つの計算方法があり、どちらを選択するかは任意で決められます。ただし、一度選択した償却法はどちらを選んでも3年間は変更不可であるため、注意が必要です。

また、変更する際には所轄の管轄の税務署へ、変更予定の年度開始日の前日までに変更手続きを行わなければなりません。

このように手間がかかってしまうため、十分に検討してから償却方を選択するようにしましょう。

法定耐用年数を誤ると修正が手間

減価償却を行う際、法定耐用年数は非常に重要な役割も担っています。

例えば装置や器具を設置した際の減価償却費は、定額法であれば「導入費÷耐用年数」で算出されます。

太陽光発電によって作った電気を販売する売電であれば耐用年数は17年ですが、自動車をはじめとする製造業において機械装置を動かす電力として使用されている場合には、最終製品の耐用年数に準ずることになるため注意が必要です。

耐用年数を誤ると税務署への修正申告や再計算といった余計な手間が発生しまうため、太陽光発電の用途には十分に気をつけましょう。

減価償却資産を処分すると除却処理が発生する

太陽光発電の法定耐用年数は原則17年ですが、満期を迎える前に何かしらの事情によって減価償却資産から処分することもあるでしょう。

その際には、必ず除却処理を行い、処分によって発生した損失を「固定資産除却損」として計上しなければなりません。

こちらを怠ると、処分したはずの太陽光発電設備に対し、いつまでも償却資産税という税金がかかり続けてしまうため損をしてしまいます。

太陽光発電の周辺機器の耐用年数とは

太陽光発電の周辺機器の耐用年数とは

太陽光発電だけではなく、その周辺機器も減価償却資産の種類に含まれており、それぞれ耐用年数が定められています。

ここでは、太陽光発電における主な周辺機器や設備の耐用年数について紹介します。

フェンス・柵

太陽光発電では、義務として野立ての場合には敷地の周りにフェンスや柵を設置する必要があり、このフェンスや柵も減価償却資産の対象です。

減価償却資産の種類では「構築物」にあたり、耐用年数は10年、償却率は20.0%、改定償却率は25.0%、保証率は6.552%と定められています。

除草シート

除草シートは、太陽光発電を行ううえで雑草が太陽光パネルよりも高くなり、発電を行うに十分な日射量を確保できなくなることを防ぐために設置するものです。

耐用年数は2年と非常に短く、減価償却資産としての区分は「器具及び備品」に分類されます。

減価償却するにあたり定率法を用いると償却率は100%となってしまうため、一括で経費に回したくない場合には定額法を選択するようにしましょう。

太陽光発電の除草費用はいくら?雑草に効果的な6つの対策方法!
太陽光発電の除草費用に加え、雑草に効果的な対策方法をご紹介します。草刈りや防草シートでの雑草への対策は、太陽光発電を運用していく上では避けてはとおれません。どのような対策方法があり、どのような施工が効果的なのか、具体的な費用とともに見ていきましょう。

カバープランツ

カバープランツは、除草シートと同様に太陽光発電における雑草対策に用いられる備品です。

地面に敷くことで地中に光が届かず、雑草の繁殖を防ぐ効果があります。

耐用年数は15年と長く、償却率は13.3%、改定償却率は14.3%、保証率は4.565%と定められています。

コンクリート舗装・砕石

コンクリート舗装や砕石も、太陽光発電施設の雑草対策に用いられるもので、構築物として取り扱われます。

耐用年数はカバープランツと同じく15年で、償却率は13.3%、改定償却率は14.3%、保証率は4.565%と定められています。

なお、アスファルトの場合には耐用年数が10年と短いため、舗装する際にはきちんと確認を行いましょう。

セキュリティーシステム

セキュリティーシステム(遠隔監視システム)は、太陽光発電の稼働状況を確認することができるシステムのことです。

発電量の低下をはじめ、何かトラブルが発生した場合でもパソコンやスマートフォンから確認することができるため、迅速かつデータに基づいた対応を可能にしています。

耐用年数は意外にも短く5年と設定されており、償却率は40.0%、改定償却率は50.0%、保証率は10.8%とそれぞれ定められています。

耐用年数を把握することで税負担の軽減に繋がる

耐用年数を把握することで税負担の軽減に繋がる

太陽光発電の法定耐用年数は17年と定められており、減価償却を行うことで長期的に税金の負担を軽減することに大きく関係しています。

なお、耐用年数は購入費を償却するために設けられた期間であり、設備や備品そのものの寿命を表しているわけではありません。

この記事では、法人をベースに解説してきましたが、住宅用太陽光発電においても収入や設備の条件を満たすことで減価償却を行えるため、覚えておいて損はないといえます。

太陽光発電は高額な設備投資ですが、このように制度をうまく活用しお得に運用してきましょう。

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