太陽光発電投資って、環境にも優しくて良いことばっかりだよね。
それがそうでもないのよ。太陽光発電が環境破壊に繋がったり、実は体にも悪い影響があるの。
太陽光発電の危険性とは?
太陽光発電は地球に優しい再生可能エネルギーなので、危険とはなかなか結びつかないと思われますが、実は様々な危険性を孕んでいます。
一見シンプルなあのパネルの何が危険なのか、確認していきましょう。
太陽光パネルには有害物質が含まれている
太陽光パネルには、実は有害物質が含まれています。
太陽光パネルに含まれる有害物質の種類は、次のとおりです。
- セレン
- 鉛
- アンチモン
- ヒ素
- カドミウム
これらはいずれも、猛毒性のある物質になります。
正常な状態の太陽光パネルなら大きな問題はありませんが、もしも自然災害で太陽光パネルが破損してしまった場合、これらの有害物質が流出してしまう恐れがありますので、絶対に近づかないようにしてください。
ほかにも有害物質といえるものが存在します。それは鳥の糞です。
鳥の糞はインフルエンザなどの病原菌や寄生虫、アレルギー物質などの有害物質を含んでいます。
さらに鳥の糞が付着した部分の発電量が下がってしまうので、パネルの清掃が必要でしょう。
ただし、次の行為は太陽光パネルを傷める原因です。
- 水道水で洗い流すとカルキの付着が起こる
- 高圧洗浄機はパネルが割れる危険性がある
- 雑巾で擦ると傷が入ってしまう
太陽光パネルの洗浄はご自分で行わずに、専門業者に頼りましょう。
壊れた太陽光パネルに触れると感電する
突然の自然災害などで太陽光パネルが破損してしまった場合、有害物質のほかにも気を付けなければならないことがあります。
それは、感電です。
太陽光パネルが仮に破損していても、太陽光が当たると発電を行う場合があります。
台風による飛来物で太陽光パネルが割れた事故事例
引用:メガソーラービジネス
壊れた箇所を確認に行って素手で触れてしまうと感電する危険性があるので、点検・修理は必ず専門業者に依頼してください。
さらに豪雨が原因で感電するリスクもあります。
豪雨で浸水・水没した太陽光パネルも太陽光が当たる限りは発電するので、浸水時はもちろん、水が引いた後も集電機やパワーコンディショナなどには絶対に触れないように気を付けましょう。
太陽光発電設備は電磁波を発生させる
太陽光発電設備からは、電磁波が発生しています。
電磁波とは周期的な変化をする波動で、電化製品やスマートフォンなど私たちの生活の中で欠かせないものには付きものです。
電磁波は太陽光パネルから発生するのではなく、実はパワーコンディショナから発生してしています。
パワーコンディショナは太陽光パネルが作り出したそのままでは使えない電気を、電化製品などで使える電気に変えてくれるのですが、この働きによって電磁波が発生するのです。
引用:CHANGE
電磁波が及ぼす人体への影響はめまいや頭痛などで、特に電磁波過敏症の方は体調不良を訴えることも懸念されます。
その場合はパワーコンディショナをできるだけ遠くに設置するなど、工夫が必要になります。
強風で太陽光パネルが飛ばされる
台風の被害が増えている日本において、強風で太陽光パネルが飛ばされることも念頭に置く必要があります。
台風の影響で屋根に設置した太陽光パネルが落下した事故事例
引用:朝日新聞
本来なら強風に耐えられるように作られている太陽光設備ですが、想定外の強風が発生して近所の住宅などに被害を及ぼすケースも報告されており、最悪の場合は人に危害を及ぼす危険性も考えられます。
もしもの場合の備え、日頃からメンテナンスや点検、保険の見直しなどを行う必要があるでしょう。
太陽光パネルってどうやって処分するの?
太陽光パネルが破損した場合、どうやって処分しようか悩みますね。
有害物資や感電の恐れがあるなんて、処分するの怖いなと感じられることと思います。
ここでは、太陽光パネルの適切な処分の方法をご紹介します。
適切な処分方法
太陽光パネルは、基本的には産業廃棄物です。
環境省のガイドラインに従って適切に処分しなければ、法律違反になるので注意が必要です。
太陽光パネルの撤去原因は、次の状況が考えられるでしょう。
- 太陽光パネルの寿命
- 故障や破損
- 家の建て替えによる撤去
産業廃棄物にあたるのは、破損以外の場合です。
破損した太陽光パネルは一般廃棄物扱いになりますので、お住まいの地域の廃棄物担当窓口に問い合わせて、処分の方法を相談する必要があります。
しかし、先ほども紹介した通り破損した太陽光パネルは、有害物資が流れ出ている危険性や、感電のリスクもあるので、必ず専門業者に処分の依頼をしましょう。
太陽光パネルの処分費用
太陽光パネルの処分には、次のような費用がかかります。
- 撤去費用
- 処分費用
- 運搬費用
それぞれ別にかかってきます。
撤去費用は、ご家庭用の太陽光パネルの場合、一般的に屋根から下ろす作業になりますので、足場や屋根の修繕費、作業費など安く見積もっても約30万円〜かかります。
処分費用は、太陽光パネル1枚あたり約5,000円〜です。
運搬費用は距離によって変わるので一概には言えませんが、太陽光パネルの処分にかかる費用は全部で大体40万円〜かかってくる可能性が高いです。
太陽光発電設備は環境破壊を引き起こす?
近年の世界的な脱炭素に向けた動きに欠かせない太陽光発電。
環境に優しくco2削減ができる再生可能エネルギーとして、今後さらに発展することが期待されていますが、太陽光発電設備が環境破壊に繋がると訴える意見も存在します。
2012年に固定価格買取制度、FITがスタートしたことで太陽光発電設備の導入が進みました。
太陽光パネルの寿命は20〜30年と言われており、約30年後の2040年に大量に出る産業廃棄物の処分を、一体どうするのかが問題になっています。
さらにメガソーラー建設には森林伐採を行い土地を整備する必要があるので、環境破壊に繋がる恐れがあります。
メガソーラーで山が覆われることで見た目の悪さから反対の声が上がったり、土砂災害の原因になるのではないかなどの見方も出ており、今後の課題と言えるでしょう。
太陽光発電設備で事故が起きる原因
太陽光パネルが破損したり、太陽光発電設備に不具合が起きるなどの事故は、どうして起こるのでしょうか。
太陽光発電設備の事故の原因は自然災害や、人為的な破壊行為など様々なことが原因となって起こります。ひとつずつ調べていきましょう。
落雷による被害
地球温暖化による近年の異常気象によって、落雷の被害が各地で報告されています。
太陽光発電設備にも、落雷の種類によっては被害が出る恐れがあります。
落雷は2種類存在し、次のとおりです。
- 直撃雷
- 誘導雷
太陽光発電設備の被害の多くは誘導雷であり、住宅の屋根に設置した太陽光パネルを目掛けて雷が落ちてくるとこはまず考えられませんが、誘導雷の影響でパワーコンディショナが被害を受けることがあります。
誘導雷の影響でパワーコンディショナが故障してしまうと発電ができなくなるので、速やかに交換を行いましょう。
台風による被害
毎年9月頃に頻発する台風被害は、太陽光発電設備にも大きな影響を与えます。
考えられる台風被害は、次のとおりです。
- 太陽光パネルの破損
- 架台の損傷
- 太陽光パネルの飛散
- 飛散物による損傷
- 電気系統の故障
上記の他にも、様々なことが考えられます。
自然災害なので防ぎようがないですが、普段からしっかりとメンテナンスや点検、災害保険加入など意識しておくことが重要です。
積雪による被害
積雪による被害としては、積雪により発電量が低下したり、雪の重みで太陽光発電設備が損傷してしまうことが考えられます。
短期間の積雪なら問題ありませんが、長期にわたると太陽光パネル自体の被害に留まらず、建物にも影響が出てしまう恐れもあり注意が必要です。
雪下ろしに屋根に登るとパネル破損の原因になりますし、何より危険なのでやめておきましょう。
そもそも太陽光パネルは落雪しやすくできており、逆に落雪による事故に繋がるのを防ぐ必要があるので、落雪を防止する設備を取り付ける必要があります。
人災による被害
2022年に千葉県で、太陽光発電設備から銅線ケーブルを盗まれる被害が多発しました。長野県でも同様の盗難被害が報告され、問題となっています。
ケーブルを盗まれることで漏電し、火災につながるケースもあり、安全性の面でも更なる二次被害を生む可能性があります。
引用:ANN NEWS
銅線は送電に必要なケーブルですが、なぜ盗まれるかと言うと海外に転売するためです。
銅線ケーブルは高値で取引されることから、残念ながら盗難被害が後を絶ちません。
さらにはメガソーラーの太陽光パネルを大量に盗まれる被害も報告されており、事業者は費用を投じて盗難防止対策に努める必要があります。
業者の施工不良やメンテナンス不備による被害
これも人災と呼べますが、人が行うことには残念ながら完璧は存在しません。
特に多いのはボルトの締め忘れやケーブルの配線ミス、施工不良による雨漏りが起こる場合です。
引用:街の屋根やさん
配線ミスは分かりにくいので、発電量を毎日確認し、太陽光発電設備を始めてから間もないのに発電量が少ないと感じたら施工ミスの可能性が高いので、施工業者に連絡しましょう。
メンテナンスを定期的に行なっていれば大丈夫だろうと思われるでしょうが、これも人が行うことなのでメンテナンス不備によって起こる被害もあります。
メンテナンスが年に1回か、もしくは数年に1回か契約によって変わってくるので、施工ミスやメンテナンス不備を早期発見するために、メンテナンス会社の契約内容をしっかり見て判断することをおすすめします。
太陽光発電の事故を防ぐ予防策
太陽光発電設備には様々な課題もあるものの、それでもメリットが大きいのが太陽光発電です。
近年の電気代高騰により、節電のために太陽光パネルを設置したいと考える方も多いことでしょう。
ここでは、事故を防いで安全に太陽光発電設備を運営するポイントをご紹介します。
浸水や破損したら近づかない
先ほどもご紹介しましたが、太陽光パネルには有害物質が含まれているので、破損していたら手で触れず、近寄らないようにしてください。
太陽発電光設備が浸水した場合、水は電気を通しますので、近づくと感電する恐れがあり危険ですので、近寄らない方がいいでしょう。
定期的なメンテナンスで経年劣化を防ぐ
太陽光発電設備のメンテナンスは、義務付けられているので必ず行いましょう。
メンテナンスの内容としては、目視での点検はパネル表面の汚れ、フレームの点検、ケーブルの接続状態の点検などです。
測定機器による点検では数値測定を行い、適正な発電量が確保されているかを点検します。
太陽光パネルは経年劣化によって発電量が低下するので、定期的なメンテナンスを行うことで太陽光パネルの寿命を延ばすことができ、経年劣化を防止することができます。
さらにパネルの固定箇所の点検を行うことで、万が一の自然災害時のパネル飛散などの被害を、事前に防ぐことができるでしょう。
施工不良が起きないよう優良な業者と契約する
施工不良が起きないように、激安価格で施工する業者と契約するのは避けたほうがいいと言えます。
なぜなら、激安価格で施工する業者と契約すると、人件費削減のために無資格者やアルバイトなどが工事を行う可能性があるからです。
激安価格は魅力的ですが、利用するのはリスクが伴うので辞めておいたほうがいいでしょう。
無資格工事の結果、台風によってパネル落下事故が発生した事例
引用:Big Street
優良な業者を選ぶのは簡単ではありませんが、高額な初期費用の必要な太陽光発電設備ですので、施工の成約率に注目したり、慎重に口コミを調べメリット・デメリットを考慮する必要があると言えます。
万が一に備えて保険に加入しておく
地震や台風などの自然災害や、盗難、火災などいつ何時何が起こるかわかりません。
太陽光発電を運用するにあたって、保険に加入することは必須と言えるでしょう。
太陽光発電の保険の種類は主に3種類あります。
- 賠償責任保険
- 火災保険、動産総合保険
- 休業補償保険
賠償責任保険は自然災害などで太陽光パネルなどが飛んでしまい、人様の家などに被害が及んでしまった時の損害賠償を補償してくれます。
火災保険、動産保険は自然災害などで損害を受けた、自分のものに対する補償です。
休業補償保険は、自然災害などで太陽光発電所が被災し、発電が行えない時の売電収入を補償してくれる保険です。
いずれも保険外社によって補償内容や補償対象、費用が変わってきますので、各保険会社の補償内容をしっかりと確認し検討する必要があるでしょう。
予防策を徹底して安全に太陽発電を運用しよう
太陽光発電の運用には、良い面だけではなく悪い面も存在します。
不安定な世界情勢による物価の高騰や、電気代の高騰、世界的な脱炭素に向けた動きにより、太陽光発電投資や風力発電投資がこれからますます加速していく世の中になります。
太陽光発電システムを設置し運用を始めたら終わりではなく、最後はどうするかまで考えておく必要があります。
なぜなら、せっかく環境に優しい再生可能エネルギーを導入したのに、廃棄に困り放置される事態になると、逆に産業廃棄物を生み出し環境破壊に繋がる恐れもあるからです。
もし自然災害で太陽光パネルが故障したらどうするのか、その場合処分はどこに頼れば良いのか、リサイクルはどうすればできるのか、保険の内容はどうかなど、もしもに備えて先手を打って考える必要があります。
予防策を考えて、安全に太陽光発電を運用しましょう。