太陽光発電の日照時間&日射量の関係性!発電量への影響とは?

ひかり
ひかり

太陽光発電の日照時間と日射量ってどんな関係なのかな?

てんか
てんか

その2つは発電量に大きく影響を与えるものなので、導入を検討する際には注意してほしいな。

太陽光発電の日照時間と日射量

太陽光発電で効率よく発電量をUPさせたいなら、日照時間と日射量についての知識は欠かせません。

それぞれどういった意味をもつ言葉なのか、詳しく見ていきましょう。

日照時間とは

日照時間とは、「1日のうちで、太陽の光が何にも遮られることなく地面まで届いている状態が続いていた時間」を表す言葉です。

別の言い方をすると「太陽が地上を照らした時間」のことであり、雪や雲、周囲の建物などの影響を受けずに太陽の光が地面に当たっていた時間です。

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日射量とは

日射量とは、「一定時間の間で太陽から降り注いでくる光のエネルギーの量がどれだけあったか?」を表す言葉です。太陽光の放射エネルギー量や、太陽光の強さとも言い換えることができます。

日照時間と日射量の関係

日照時間と日照量の関係は全く別のものなのですが、太陽光発電量に関しては「日照時間」と「日射量」によって発電量が大きく影響します。

長い時間太陽光が当たる太陽光が降り注ぐ
日照時間が長い日射量が多い

つまり「日照時間が長く」「日射量が多い」ほうが、より多く発電できるということです。

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太陽光発電は日照時間と日射量が重要なわけ

太陽光発電に日照時間と日射量が重要な理由は、より良い環境や条件になると、たくさんの電力を多く発電できるようになるからです。

詳しく掘り下げて、見ていきましょう。

日照時間による発電量の影響

太陽光発電では、日照時間が長い方が効率よく発電できます。

天気が良くて日が当たる時間が多くなると、発電量も比例して多くなります。

曇りや雨の日でも発電はできますが、日照時間が長くないので発電効率は下がります。

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日射量による発電量の影響

日射量が分かると、太陽光発電で一年でどれくらい発電量があるかを計算できます。

具体的な計算式は、
「システム容量×日射量×損失係数(0.85)×︎365」です。

家庭で消費する太陽光発電設備用でも、事業として収益を得るための太陽光設備でも、あらかじめ発電量を計算しておかないと、損をしてしまうかもしれません。

太陽光発電を設置する前に、必ずシミュレーションをしておきましょう。

地域別の日射量は「日射量データベース」で調査できる

地域別の日射量については、「国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(=NEDO)」が提供している日射量データベースが利用できるようになっています。

お住まいの地域にどれだけ日射量があるのかは、太陽光発電を検討する上でとても重要なデータであり、あらかじめ確認しておくことで大きな失敗を避けることができます。

日射量データベースで確認できるのは、国内837地点にある29年(1981~2009年)分の日射量の平均値についてのデータです。

太陽光発電を設置する地域ごとにどれくらいの日射量があるかのデータがあるので、それを元に発電量をあらかじめ予想できます。

ひかり
ひかり

新築住宅の屋根に太陽光発電の設置を検討しているときに、住宅メーカーの営業さんが持ってきてくれるのはこのデータを基に算出した結果なんだよ。

てんか
てんか

自分が住んでいる地域またはこれから新築住宅を建てようと思っている地域でどれくらいの日射量が有るのかを調べておくと、太陽光発電を載せるべきかの判断をするときにとても役立ちます。

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太陽光発電の項目別の発電量比較

太陽光発電の発電量は、毎日の天気や日の当たる時間、季節や設置されている地域などによって結果が変わります。

状況が変わると、太陽光発電の発電量にどんな影響が出るかをご紹介します。

天気別

太陽光発電で一番発電できるのは、「一日中晴天で、日が出てから沈むまで雲一つない天気の日」です。

曇っていても発電はできますが、やはり晴れの日と比べると発電量は半減してしまいます。また、雨の日でも全く日が当たらないわけではないので、わずかに発電はしています。

天気で変わる「気温」も、発電量には大きな影響があります。

気温が高いと太陽光パネルの内部が高温になってしまうので、発電効率が落ちることが一般的です。例えば夏よりも春のほうが気温が低いのでパネルが高温になる可能性が低く、結果的に発電量が多くなります。

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時間帯別

太陽光発電で発電できるのは「日が出ている間」なので、日の出から日没までが発電できる時間です。

時間発電量
朝5時~6時ころ発電し始める
昼12時ころ発電量が最大になる(最も日が当たる時間帯)
午後~夕方ころ緩やかに発電量は減少していく
日没発電量が0になる

月別

発電量は、月ごと(季節ごと)に変わります。ざっくりとしたイメージは下記のとおりです。

発電量の多さ理由(原因)
1月多い
2月多い
3月多い
4月すごく多い
5月すごく多い
6月とても少ない梅雨で天気が悪い
7月まぁまぁ多い
8月まぁまぁ多い
9月とても少ない台風で天気が悪い
10月多い
11月多い
12月やや少ない

一般的に発電量が多いのは4月~5月です。理由は、気温があまり高過ぎず、日照時間も比較的長いので、効率的に発電ができるからです。

日照時間が長い7月~8月はそこそこ発電しますが、太陽光パネルが高温になって「夏バテ」状態になってしまうので、結果的には発電効率が下がって発電量も減ってしまいます。

夏にギラギラと照りつける太陽の光が強すぎて参ってしまうのは、私たち人間だけではないということですね。

6月は梅雨、9月は台風の時期なので、発電量は少なくなります。とはいえ、いわゆる「空梅雨」の年や、台風がほとんど来なかった年に関しては、当然ですが発電量は増えます。

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地域別

地域別でも、発電量は大きく変わります。

日本には47の都道府県がありますが、その地域によって気候や気温は大きく違います。地域ごとに発電量は大きく異なり、場合によっては、太陽光発電の設備の設置自体が難しい地域もあります

まずは発電量が多い地域のランキングをご覧ください。

順位都道府県名
1位山梨県
2位長野県
3位徳島県
4位静岡県
5位群馬県

これらの地域の共通点は、下記のとおりです。

  • 広い平野がある
  • 山など南向きの斜面が多い
  • 1年を通して晴天の日が多いので発電量が多い

広い平野があるということは、それだけ家の屋根の面積が広く、伴って太陽光パネルの量も増えますので、発電量も多くなります。また、やはり南向きの屋根が太陽光発電には最も適しているので、南向きの斜面が多い地域は、太陽光発電をするのには有利です。

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逆に、発電量が少ない地域のランキングもご紹介します。

順位都道府県名
43位岩手県
44位北海道
45位鳥取県
46位青森県
47位秋田県

発電量が少ない地域の共通点は、下記のとおりです。

  • 日本国内でも有数の雪が多い地域
  • 雪が降っている時期は太陽光パネルが雪で覆われて発電できない

「太陽光パネルが雪で覆われると発電できなくなってしまう」というのはイメージしやすいと思います。「太陽光パネルは高熱に弱く、寒さには強い」という特性があるので、寒い地域は発電量が増えそうな気がしますが、そもそも雪などでパネルの表面が覆われてしまって影ができると、発電自体ができなくなってしまいます。

ただ、太陽光パネルの中には、太陽光パネルが雪で覆われても周辺の雪からの反射光で発電できる両面が太陽光パネルになった太陽光発電も存在するので、パネルの種類も知っておくと良いでしょう。

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また、地域特性の問題点があることもあります。

例えば鳥取は、南向きの斜面が少ない地域であることが電量が少ない理由になっています。

天候以外で発電量が低下する要因

太陽光発電の発電量を下げる要因は、変換時の損失(=ロス)や太陽光パネルの汚れも深い影響があります。

少しでも多く発電をするためには、設置する場所や周りの環境を十分に考えて、発電量に影響が少ない条件や方角などの環境を整えてあげる必要があります。発電量を下げる原因とその対策をいくつかご紹介いたします。

パワーコンディショナーの変換損失

「パワーコンディショナー(いわゆるパワコン)」は、太陽光モジュールで生み出した電力を使用したり売電したりするために、交流電流に変換をする役割があります。

その際に、発電した電力のすべてを変換できるわけではなく、ある程度の損失(=ロス)があります。

パワコンの性能が良いものを選べば、その分変換時の損失は減るので、結果的には発電時の損失を減らすことで発電量を増やすことができます。

太陽光発電設備を導入する際には、カタログをよく確認して、できるだけ高機能で変換時の損失が少ないものを選ぶと良いでしょう。

また、パワコンの状態や一日の発電量について日頃から気にして、モニターをチェックしておくようにしましょう。

毎日見る必要はないのですが、2~3日に1回はモニターで「ちゃんと発電してるかな?」と確認をするようにしましょう。そうすることで、万が一太陽光設備の故障やトラブルできちんと稼働していない場合に、すぐに異常に気付いて対応できます。

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太陽光パネルの温度上昇

太陽光パネルの温度上昇も、発電量を下げる要因になるので注意しましょう。

イメージとしては、太陽光モジュールがあまりにも高温になると、「夏バテ」状態になってしまい、発電効率が下がります。具体的な目安として、パネルの温度が1度上昇すると、変換効率が0.5%ほど下がります。

比較的南国の地域や、1年を通して屋根の上の温度が高温になりそうな地域に太陽光パネルを設置するときには、「高温になってもそんなに変換効率が落ちない製品」を選ぶと良いでしょう。

各太陽光メーカーも、温度耐性の向上にはかなり力を入れていますので、全体的には年々良いものが開発されています。

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太陽光パネルの汚れ

太陽光パネルの表面が汚れると発電量が下がります。汚れていると表面に影ができてしまい、太陽から受けるエネルギーの量が減るので、電気に変換できる量も減ってしまいます。

車のフロントガラスをイメージしてみてください。ガラスが汚れていると、前がよく見えないし、車内に影ができてしまいますよね。

「パネルを毎日きれいにしてピカピカにしておきましょう」と言うのは簡単ですが、屋外の、しかも高い屋根の上に設置する設備なので、掃除やメンテナンスをするのは大変です。

また、素人が掃除やメンテナンスをするのは危険なので、プロに任せるのが無難です。

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雑草による影

家の周りが自然豊かで雑草や木が生い茂っている地域に住んでいる場合は、太陽光パネルに「雑草による影」が無いか?も確認しましょう。

「影」は汚れと同じく発電量を下げる大きな要因になります。

あらかじめ防草シートを使用したり、除草剤を散布したりして、できるだけ雑草対策を万全にしておくことをおすすめ致します。

雑草を防ぐ方法としては、ほかにも下記があります。

  • 庭に砂利や砕石を敷くことで雑草の発生を防ぐ
  • 敷地内をアスファルトやコンクリで覆っておく

雑草はとても生命力や繁殖力が強いので、コンクリを突き破って生えてきたり、砕石の隙間から雑草が生えてきたりする可能性があるので、日々の確認が必要です。

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太陽光発電の発電量は業者にシミュレーションしてもらおう

太陽光発電を設置する前に、設置する環境や容量、どのメーカーのパネルを選ぶのか?など、考えないといけないことがたくさんあります。

住宅メーカーの営業さんにすすめられるままに決めてしまったり、よく調べもせずになんとなく打ち合わせをしてしまうと、後で

  • もっと考えておけばよかった
  • この太陽光パネルにすべきだった・・・

なんて後悔してしまうかもしれません。

こういった後悔や失敗を避けるためには、あらかじめ太陽光発電に詳しい業者選びと、「正しいシミュレーション」が大事です。

正しいシミュレーションをするために必要なのは、「日射量、日照時間、気候、設置場所、設置する地域」などさまざまなものがあります。一部のデータのみを使って発電量を計算したり、設置する場所や環境に配慮していないと、正確な数値が出せないので注意しましょう。

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