昨日いきなり営業の人が家に来て蓄電池の契約を迫られた上、夜まで居座ってなかなか帰ってくれなかったの!
それは災難だったわね。詐欺やトラブルに巻き込まれないために、蓄電池の悪質業者一覧をチェックしていこう!
蓄電池の悪質業者一覧をTwitterで調査
電気代の高騰や頻発する自然災害により、住宅用太陽光発電や蓄電池の導入を検討する人が増えています。多くの業者は顧客に寄り添った提案をしてくれますが、残念ながら一部には悪質といえる業者がいるのも事実。
そこでまずは、Twitter上で見られた蓄電池の悪質業者を2社ご紹介します。
20時半に営業電話をかけてきた会社
05030859860
実家にかえってきてるのですが、蓄電池がなんだとか営業電話が20時半にかかって来ました。うちの親父は70過ぎてます。老人を狙っての悪質極まりない営業電話です。折り返しても出ないので、検索したらこの会社が出て来ました。皆様、ご注意下さい❗️
特に、田舎を攻めてると思われます! pic.twitter.com/nBzwOkmMnz
— 青二犀(弟子、アルバイト募集中) (@aonisai8127) July 22, 2019
消費者庁の通達では、午後9時から午前8時の時間帯に営業や勧誘を行うのは迷惑行為にあたるため避けるべきとしています。法律で明確に時間帯が決められてはいませんが、一般的に夜遅くや早朝に電話や訪問を行うのは非常識と捉えられるでしょう。
この投稿者の場合、電話が来たのは午後9時を過ぎてはいないものの、時間帯を考慮しても早急に連絡をするべき重要な内容とはいえません。電話を受けた側が気分を害するような時間にわざわざ営業電話を行い、しかもその後の折り返しには応じていない様子を見る限り、誠実な業者とは思えません。
営業だと隠して訪問してきた会社
スマートテックの蓄電池営業が巧妙で悪質。
余剰電力の売電契約したら、契約者全員設備を直接確認させてもらっているという電話あり。仕方ないから訪問受け入れたら結局は蓄電池の営業だった。特定商取引法違反でしょ。— MoonLight (@star1981xx) July 23, 2023
投稿内容を読むと、設備を確認するとしながらも蓄電池の販売だったと書いてあります。これは投稿者が言及しているとおり特定商取引法違反です。
特定商取引法では、第3条に「氏名などの明示義務」が記されており、訪問販売で訪れた場合は氏名や企業名を明かすだけではなく、どのような目的で訪れたかを伝えなくていけません。
蓄電池の悪質業者の特徴
詐欺を行う人は一見すると人あたりが良く、優しい場合が多いので、見た目や印象だけでは悪質業者か判断できません。
しかし、蓄電池の悪質業者一覧を見ていると、悪質業者ならではの特徴が浮かび上がってきます。
具体的には、次のような特徴があれば「悪質業者かもしれない」と注意するのが良いでしょう。
無料で設置できると触れ込む
蓄電池の無料設置は、基本的にあり得ないと考えてください。
経済産業省が公表している蓄電池の相場は1kWhあたり18.7万円。必要容量はそれぞれで異なりますが、一般的な家庭の場合は5~10kWhが目安されるので、蓄電池の設置費用は次のとおりになります。
容量 | 費用 |
---|---|
5kWh | 93.5万円 |
10kWh | 187万円 |
これだけの金額を、簡単に無料にできるはずがありません。
蓄電池の無料設置を謳っている業者はほかの費用を水増ししたり、本来は必要のない商品を購入させて利益を得ている可能性が高いです。
補助金の説明ができない
蓄電池の補助金は、国や地方自治体以外に、国が管轄する一般社団法人など多種に及びます。また、申請方法も複雑。そのため、悪質業者の多くは補助金についての知識に乏しく、説明が曖昧です。
太陽光発電や蓄電池に精通した販売業者や施工業者は、当然ながら補助金の仕組みもしっかりと理解しています。
補助金の説明を求めても応えてくれない場合は、悪質業者の可能性があると考えて良いでしょう。
蓄電池の相性を考えず提案する
一口に蓄電池といっても、蓄電できる容量や負荷タイプなどによって様々な種類があります。最近のエアコンは200Vの仕様が増えていますが、100Vの蓄電池を導入してしまうとあっという間に電気を使ってしまいます。
また、停電が発生した場合、特定負荷の蓄電池では一部のエリアしか電気が供給されません。部屋数が多い住宅では不自由に感じるでしょう。
こうしたマッチングの悪さを避けるため、導入する蓄電池は生活スタイルや要望などに沿って種類を選ぶべきなのですが、悪質業者は蓄電池は1種類のみしか取り扱っていないことが多いです。
既設の太陽光パネルと蓄電池の相性もあるので、1種類の蓄電池しか提案しない業者には注意が必要です。
デメリットを説明しない
蓄電池の設置は電気代が安くなったり、災害時の電力確保などメリットが多いのは事実。しかし、蓄電池は初期費用が高額、メンテナンスに費用がかかるなどのデメリットもあります。
優良な業者は必ずメリット・デメリットの両方を伝えますが、悪徳業者は契約がほしいためにメリットしか伝えません。
蓄電池の悪質業者による手口・常套句
蓄電池の悪質業者の見極め方に、必ず行う手口や常套句を覚えておく方法があります。
以下の台詞をいわれたら相手を悪質業者と認識し、絶対に契約をしないようにしてください。
「蓄電池は義務化されています」
太陽光発電と蓄電池をセットで設置するのは、推奨されていますが義務化はされていません。
そもそも、太陽光発電の設置自体が義務ではありません。そのため、通常であれば蓄電池の設置が義務なんておかしいと思うはずなのですが、太陽光発電のみを設置していた場合に、業者が訪れて「義務化されましたよ」と言われると、案外信じてしまう人は多いのです。
「絶対・確実に利益が出ます」
昨今の気候はこれまでの常識を覆すことばかりです。過去の実績では日照時間が長く、発電した電気の自家消費や売電によって電気代を抑えたり、収益を上げていても、それが今後も続くとは限りません。
販売業者や施工業者が持っているデータに基づき、太陽光発電や蓄電池を設置すれば発電が見込める地域や条件はある程度絞れますが、だからといって「絶対」や「確実」に利益が出るとはいえないのです。
そのため、優良業者は根拠もなく「必ず儲かります」とはいいません。「必ず儲かりますから、設置しないと損ですよ」というのは悪質業者と断定して良いでしょう。
「卒FITで売電できなくなるので導入しましょう」
太陽光発電の設置から10年(住宅用)は、国が電気の買取価格を保証しているFIT(固定価格買取制度)の適用期間となりますが、10年を過ぎる(卒FIT)と契約した電力会社が決めた価格で売電を行うことになります。
卒FIT後の売電価格はFITに比べて低くなりますが、売電ができなくなるわけではありません。これまでとおり余剰電力は買い取ってもらえるので安心してください。
言葉のニュアンスで相手に誤解を与える、悪質な手口といえるでしょう。
なお、蓄電池を導入して貯めた電気を自家消費すれば、電気代が今よりもお得になる可能性があるので、蓄電池の導入自体が間違っているわけではありません。
「あと◯件までなので今すぐの契約がお得です」
今すぐに契約しなくても、悪質業者はいつでも「お得感」をアピールして蓄電池を販売していますし、さらに付け加えるなら、そもそも「お得」といっている蓄電池の価格自体が優良な販売業者や施工業者と比べて割高となっているケースがほとんど。
このような言葉に踊らされず、市場の平均価格を調べ、複数の業者から見積もりを取り、本当に価格が安いのか比較しましょう。
\Amazonギフト券200円分プレゼント/
蓄電池の業者トラブル例
国民生活センターによると、蓄電池に関する苦情やトラブルは年々増えており、2020年度は1,314件に上っています。
具体的なトラブル例をご紹介するので、トラブルに遭わないように注意しましょう。
市の委託を受けていると嘘の勧誘をされた
事業者が「市から委託された」と太陽光パネルの無料点検で訪問した。後日点検してもらった
ところ、「売電するための装置の一部が壊れている」「太陽光パネルが破損している可能性が高い」
等と説明された。最初に訪問した担当者から、「売電するための装置の修理をするよりも家庭用蓄
電池を購入した方がいい」と勧誘され、「国の補助金が出るので安くなる」と言われたこともあり、
約200万円の家庭用蓄電池の契約をした。ところが後日、訪問した工事担当者からは「売電するた
めの装置は壊れていない。部品もモーターも正常だ」と言われた。引用:国民生活センター
一般的に、市が外部業者に住宅用太陽光発電のメンテナンスを依頼することはありません。
また、故障が疑われる場合には、太陽光システムのメーカーや施工業者に連絡をし、補償対象か確認する必要があります。
いきなり業者が訪れたときは、必ず氏名や会社名、目的を尋ね、蓄電池の提案をされたらデメリットの説明を求めましょう。
その場ですぐに契約はせず、見積もりをとって複数の業者を比較する旨を伝えてください。
長時間に渡って勧誘された
事業者から「10年間の売電契
約終了後は売電価格が下がるため家庭用蓄電池を設置したほうがよい」と言われた。事業者を家
にあげると、「今なら工事費、設置費無料で、20年から30年はもつ。元は取れる」等と説明され、
執拗な勧誘が4時間続き、契約しないと担当者に帰ってもらえないと思い契約してしまった。引用:国民生活センター
このような強引な勧誘には毅然とした態度で対応してください。契約するつもりがないことを、はっきりと伝えましょう。
大声で怒鳴る、契約するまで帰らないなどの場合は警察に連絡をしてください。
申請代行をすると言われたが実際にはされなかった
自治体への補助金申請は事業者が行うと言っていたので信用し
ていたが、いつまで待っても連絡がなく自治体に問い合わせたところ「申請されていない。今か
らでは間に合わない」と回答された。引用:国民生活センター
蓄電池の補助金の申請には期限が設けられているものもあり、当然ながら期限内に申請が行われなければ補助金は下りてきません。
こうしたトラブルを避けるには、契約書の内容をしっかり検討し、補助金の申請についても必ず明記してもらいましょう。
また、業者に十分な施工実績があるのか、ホームページなどで確認しておくのも良いでしょう。
訪問販売の違法事例
特定商取引法では、訪問販売自体は違法ではありません。
それでは、訪問販売でどのような行為をされたら、違法と見なして良いのでしょうか。事例をご紹介します。
脅迫する
脅迫はそれ自体が犯罪行為ですが、恐怖を感じる度合は人それぞれに違うため、脅迫されていると感じながらも「これは罪に問えるのか」と不安になってしまうのではないでしょうか。
特定商取引法では、刑法222条による脅迫には至らないものの、声を荒げる、刺青を見せるなどして恐怖や不安を感じる行為を受けた場合には「威迫困惑行為の禁止」の違反となり、第6条第3項により処罰の対象になります。
社名を伏せる
特定商取引法第3条により、訪問販売業者は相手に対し、以下の内容を明示する必要があります。
- 事業名や氏名
- 勧誘目的の訪問であること
- 勧誘する商品や役務の種類
会社名を名乗らずに商品を販売すると、「勧誘目的等の明示義務」違法となります。
重要事項をあえて伏せる
商品の購入に関して重要な判断材料となる事項を、故意に事実を告げなかったり、事実ではないことを告げるのは特定商取引法(第6条第1項及び第2項)の「重要事実不告知」に該当します。
「重要事実不告知」となる行為は以下の例が挙げられます。
- 商品のデメリットを伝えない
- 解約には手数料がかかることを伝えない
- 「これで病気が治る」などの虚偽を伝える
「重要事実不告知」では、業者側に対し、定められた期間内に合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、資料が提出されない場合は「不実告知」をしたものとみなされます。
また、「重要事実不告知」違反によって成立した契約については、特定商取引法により取り消しが可能です。
断ったのに再度営業してくる
特定商取引法第3条の2第2項により、訪問販売では一度断った人に対して再び勧誘する行為を禁止しています。
この場合、「契約を締結する意思はありません」のような明確な言葉である必要はありません。「必要ありません」「帰ってください」など言葉でも、2度3度と尋ねてきた業者は違反となります。
クーリングオフをさせない
消費者には、契約の締結後であっても一定の期間内であれば、契約を撤回したり解除できる権利があります。これをクーリングオフといい、訪問販売の場合は消耗品を除き8日間。
業者が「この商品はクーリングオフ対象外です」や「セール品なのでクーリングオフはできません」といってもクーリングオフの対象です。
業者がクーリングオフに応じないなどの場合は、クーリングオフの妨害行為を見なされ、特定商取引法第9条第1項の違反となり、妨害によってクーリングオフの期間が過ぎても契約の撤回や解除が可能になります。
蓄電池の悪質業者にカモにされない方法
蓄電池の悪質業者は、あの手この手で消費者を騙そうと目論んでいます。詐欺の被害者の多くは「自分は大丈夫」と思いこんでいる人です。
蓄電池の設置でトラブルを防ぐには、以下のポイントを心にしっかりと留めておきましょう。
その場での契約は避ける
1社だけの見積もりでは、市場の相場が分かりません。蓄電池に限らず、商品を購入する場合には必ず複数を比較する習慣を身に付けましょう。
また、蓄電池を購入してほしい悪質業者は良いことしかいいません。一旦、冷静になる時間を設け、業者がいっていたことは正しいのか、自分の判断は間違っていないのか情報収集をしたり、家族や友人、会社の同僚などに意見を聞いてみるのが大切です。
訪問販売の法律に抵触していないかチェックする
蓄電池の訪問販売を行っている業者には優良業者もいます。しかし、世間的なイメージでは「販売業者=悪質業者」ではないでしょうか。
こうしたイメージの払拭や消費者の不安を減らすために、優良業者は自身で厳しく法律を遵守し、消費者を第一に考えています。
これは、反対にいえば、法律を軽んじていたり、抵触するような勧誘を行っている業者は悪質業者と見るべきというひとつの指針にもなります。
自分の身を守る意味で、私たち消費者側も特定商取引法をしっかりと勉強しておく必要があるでしょう。
評判・口コミを調べる
蓄電池の商談を行う場合、業者はまず自分たちの会社を知ってもらうために名刺やパンフレットを持参しています。しかし、その名刺やパンフレットが、会社の実在を証明するものにはならないことがあります。
たとえば、その場で契約せずに少し考えさせてほしいと申し出たとしましょう。一般的な会社であれば名刺やパンフレットはそのまま置いていきますが、悪質業者は持ち帰ろうとします。なぜなら、インターネットで会社を調べられると都合が悪いからです。
名刺やパンフレットを置いて帰る会社は実在している可能性が高く、なおかつ知られて困る情報はないという自信の表れと受け取れるでしょう。
また、会社の情報は名刺とパンフレットだけではなく、インターネットの口コミも調べてください。近年はほとんどの会社は自社のホームページを持っています。ホームページがない場合や、悪い評判や口コミが多い会社とは契約しないほうが安心です。
「アドミクス」と名乗る会社から電話が来た人の例では、発信者番号からインターネットの口コミに辿り着き、事なきを得たケースもありました。
蓄電池について学習する
蓄電池の設置に興味や関心がある人は、すべてを業者に頼ろうとせず、自身でもある程度の知識を持っておく必要があるでしょう。
蓄電池の知識を備えていれば、悪質業者の嘘を簡単に見極められます。
たとえば、災害で停電になっても、蓄電池に蓄電されていれば電化製品が使えます。近年はオール電化住宅が増え、IHやエコキュートを設置しているケースもありますが、IHやエコキュートは大量の電気を使うため単相3線式(200V)の蓄電池を設置していないと停電時に電気は使えません。
100Vの蓄電池を勧め、「停電時にも使えますよ」と業者がいえば、それが事実ではないことがすぐに分かります。
蓄電池が必要な理由は人それぞれで違います。自宅の場合はどうなのかという視点で考えてみることから始めてみましょう。
蓄電池の悪質業者一覧を見てトラブルに備えよう
消費者庁が運営している「特定商取引法ガイド」では、悪徳訪問販売業者一覧が確認できます。自宅に蓄電池の訪問販売に来た業者がリストにないか、チェックしてみましょう。
また、各自治体では訪問販売に関する相談窓口を設けています。愛知県の場合、電子メールによる相談受付以外に、相談事例検索が行えるので自分と似たような事例がないか調べておくと安心でしょう。
蓄電池の業者選びでは、無料の人気ランキングサイトを参考にするのも一つの方法です。業者について自力で調べるには限界がありますが、ランキングサイトを利用すると気軽に情報が得られます。