太陽光の発電効率は低いって聞くけど、本当かな?低下する原因があるなら、先に知っておきたいな!
ほかの自然エネルギーと比べると確かに低いけど、最高記録は年々上昇しているんだよ♪低下する原因やチェック方法についても解説していくね!
太陽光の発電効率とは
太陽光発電における発電効率とは、正しくは「変換効率」といいます。
ソーラーパネルが太陽光をキャッチしたあと、どれくらい電力に変換できるかという数値です。
変換効率が高いほど、同じ量の太陽光から多くの電力を生み出せるよ♪
発電効率を調べる際は、下記の2つの数値をチェックします。
- モジュール変換効率
- セル変換効率
それぞれの意味や計算方法について、詳しく見ていきましょう。
モジュール変換効率の計算方法
モジュール変換効率とは、ソーラーパネル1㎡あたりの変換効率であり、性能の比較をする際に用いる指標です。
モジュールとソーラーパネルは、呼び名は違うけど同じ意味だよ!
モジュール変換効率は、下記の計算式で算出します。
実際にパナソニック製品のモジュール変換効率を計算してみました。
四捨五入すると、記載どおりに20%というモジュール変換効率になりました。モジュール変換効率の平均は、14~20%と言われています。
ソーラーパネルの変換効率を調べたいときは、モジュール変換効率を計算してみましょう。
セル変換効率の計算方法
セル変換効率とは、太陽電池モジュールの最小単位であるセルの変換効率です。
PCモニターの画面そのものがモジュールだとすれば、画素(ピクセル)がセルというイメージだね♪
セル変換効率は、下記の計算式で算出します。
モジュール変換効率より高い数字が出ますが、フレーム部分の面積や、セル同士を繋げた際の電気抵抗を考慮していないからです。
そのため、モジュール変換効率よりセル変換効率を全面に出すような業者は、ユーザーのあやふやな知識に付け込んでいるともいえるため、信頼性が低いです。
太陽光パネルを選ぶ際は、数字の意味を見抜く冷静さが必要だね!
発電量の指標や単位について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
太陽光の発電効率における最高記録は上昇中
太陽光の発電効率は、最高記録を更新し続けています。
国立研究開発法人NEDOによる「新エネルギー技術研究開発」プロジェクトで、シャープが変換効率の世界記録を樹立しました(参考:シャープ公式サイト)。
年 | タイプ | 変換効率 |
---|---|---|
2009 | 研究 | 35.8% |
2011 | 研究 | 36.9% |
2016 | 実用サイズ | 31.17% |
2022 | 実用サイズ | 32.65% |
シャープは2030年までに、モジュール変換効率を40%まで押し上げる目標を掲げており、研究し続けています。
太陽光発電の発電効率は低いといわれているけど、これからの研究次第では、どんどん進歩していきそうだね♪
発電効率が高いメーカーについては、下記の記事でランキング形式でまとめています。
太陽光発電の発電効率は、これからより向上していくという期待感が持てますが、ほかの再生可能エネルギーと比較すると見劣りしてしまうのも事実。
次の項目では、再生可能エネルギーの発電効率と、太陽光発電を比較していきます。
再生可能エネルギーの発電効率と比較
再生可能エネルギーの発電効率を、以下の表にまとめました。
エネルギー種類 | 発電効率 |
---|---|
水力 | 80% |
風力 | 40% |
太陽光 | 20% |
地熱 | 10~20% |
水力や風力と比較すると、太陽光発電の効率は半分以下なんだね!
とはいえ、水力や風力は設置場所が限定的だから、太陽光発電は導入しやすいというメリットがあるよ!
例えば水力発電は、高所から水が落ちるパワーで発電するため、山間部に多く設置されています。
それに比べると太陽光発電システムは、日射量さえ確保できれば都市部でも導入できるため、設置数の面で有利です。
太陽光の発電効率が低下する原因
太陽光の発電効率は、使用しているうちに低下していきます。
この項目では、太陽光の発電効率が低下する原因について、下記の5つをまとめました。
- 気象状況
- 経年劣化
- 塩害
- 汚れ・影
- 電圧上昇抑制
気象状況
太陽光の発電効率は、下記のような気象状況で低下します。
- 夏日(25度以上)
- 雨や曇り
- 雪
- 台風・強風
- 落雷
気象状況で、最も太陽光パネルの働きに悪影響を与えるのは、夏日の高温です。
太陽光パネルは高温が弱点であるため、夏日は発電効率が低下します。
25度以上だと、1度の上昇で、約0.5%も発電効率が低下するといわれるよ!
日射量が減る雨や曇りの日も、発電効率が低下する原因となります。
また、雪が降ると太陽光パネルが覆われてしまうため、発電効率がほとんどゼロに低下。
さらに積雪量が多くなると、重みのせいで太陽光パネルが破損してしまう可能性もあります。
台風や落雷による自然災害も、太陽光パネルの水没や破損につながるため、発電が一時的に停止する原因となります。
以上の点を総合すると、太陽光発電に最も適した季節は、雨雪が少ない春といえるでしょう。
経年劣化
ソーラーパネルの寿命は20~30年といわれますが、導入当時の発電効率をそのまま維持できるわけではなく、経年劣化は免れません。
水産庁による「漁港のエコ化方針(再生可能エネルギー導入編)」では、太陽光発電の劣化率は年間で0.5%であると記載されています。
ソーラーパネルの寿命を迎えるまでに、発電効率は85~90%ほどに下がる計算です。
とはいえ、メーカーは発電量が下がったときのために出力保証を付けているから、必要なときは交換を依頼できるよ!
塩害
塩害を受けると、ソーラーパネルの劣化につながります。
塩害は、海水に含まれる塩分によって引き起こされる被害のこと。
海岸地域からおおむね2km圏内が被害を受けるといわれているよ!
ソーラーパネルが塩害を受けると、腐食や樹脂部分の劣化につながり、内部配線が錆びてしまいます。
海岸地域に近い住宅では、塩害対応モデルのソーラーパネルを導入すると、塩害を防止できるよ♪
汚れ・影
ソーラーパネルの汚れや影も、太陽光が十分に当たらなくなるため、発電効率が低下する原因です。
影になっている部分だけ発電効率が下がるイメージを持ちやすいですが、太陽電池は直列につながっているため、パネル全体の発電に関わります。
ソーラーパネルに影が落ちないように、設置場所を工夫する必要があるね!
また、鳥のフンや花粉などでソーラーパネルが汚れると、電気の流れが止まり、ホットスポット現象が起こる可能性があります。
ホットスポット現象とは、ソーラーパネル内で大きな抵抗が起き、一部分が熱を持つことです。
引用:石川商店
ホットスポット現象は、長期間続くと発火につながるよ!
発電効率の低下だけでなく、火災を防ぐためにも、ソーラーパネルの定期的な掃除が重要です。
ただ、素人が行うと落下や破損のリスクがあるため、プロに依頼してメンテナンスしてもらいましょう。
電圧上昇抑制
発電量が一時的に低下する原因として、電圧上昇抑制も挙げられます。
電圧上昇抑制とは、発電量の増加によって電圧が適正値以上に高くなってしまった場合、発電を抑制する機能です。
パワーコンディショナーが自動で抑制してくれるんだね!
安全に電気を使用するための機能だから、故障ではないよ♪
電圧が適正値に戻れば、抑制も解除されるから、安心してね!
ここまで、太陽光の発電効率が低下する原因について解説してきましたが、実際に導入するなら、できる限り予防していきたいところ。
次の項目では、発電効率を低下させない対策について見ていきましょう。
発電効率を低下させないための対策
太陽光の発電効率を低下させない対策として、下記の3つを解説していきます。
- 自然災害に対応した太陽光パネルを選ぶ
- 最適な設置場所を選ぶ
- 定期的にメンテナンスを行う
自然災害に対応した太陽光パネルを選ぶ
発電効率の低下を防ぐには、積雪や高温などに対応したソーラーパネルを選びましょう。
自然災害に対応したソーラーパネルには、下記のようなものがあります。
- 高温対応:ヘテロ接合型ソーラーパネル
- 塩害対応:各メーカー
- 積雪対応:カナディアンソーラー
居住地で起こりうる自然災害を把握したうえで、適切なソーラーパネルを選んでください。
最適な設置場所を選ぶ
最適な場所にソーラーパネルを設置すれば、発電効率の低下を防げます。
ソーラーパネルの設置条件について、下記の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
角度 | 南向き |
屋根の傾斜度 | 地域による 北海道:34.8度 沖縄県:16.7度 |
影 | 無い方が良い 夕方をメインにチェック |
日射量 | 多い方が良い 梅雨の時期も換算する |
住宅の状況をチェックし、ソーラーパネルの設置に適しているか確認してみましょう。
定期的にメンテナンスを行う
発電効率を低下させないためには、定期的なメンテナンスも重要です。
住宅用の太陽光発電システムであっても、年2回のメンテナンスや保守点検が義務付けられています。
太陽光発電を導入する際は、メンテナンスやアフターサービスの項目もチェックしたうえで、業者を選ぶと良いでしょう。
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発電効率の低下にすぐ気づくチェック方法
発電効率の低下にすぐ対処するためには、日頃から発電量を記録しておくことが重要です。
発電量を記録しておけば、効率の低下にすぐ気づけるため、早期対処につながります。
多くのメーカーでは、発電量がチェックできる計測モニターもあわせて販売しています。
例えば京セラやパナソニックの計測モニターでは、記録内容をパソコンにダウンロードすることも可能です。
天候や気温も記録しておけば、前年の数値がなくても、発電効率の低下に気づけるでしょう。
発電量の記録を手動で取っておく場合は、自動でグラフにしてくれるアプリもおすすめだよ♪
操作に慣れているなら、Excelでの管理もアリだね!
発電効率が低下した場合の対処
実際に発電効率が低下した場合は、下記の流れで対処します。
- 施工業者に点検を依頼する
- 修理が必要であれば保証書を準備する
- 保証期間内であれば無償で修理・交換してもらえる
保証書や施工業者の連絡先は、すぐ分かる場所に保管したうえで、家族全員で情報を共有しておくと良いでしょう。
太陽光の発電効率を維持するには日頃のチェックも大事
本記事では、太陽光の発電効率について、計算方法や低下する原因にも触れながら解説してきました。
太陽光の発電効率を調べる指標は2つありますが、性能を比較する際は、モジュール変換効率の数値を用います。
水力や風力などの自然エネルギーと比べると、太陽光発電は効率が悪いといわれますが、モジュール変換効率の記録は更新し続けており、今後も期待できる方法です。
太陽光の発電効率は、経年劣化のほか、気象状況や汚れなどによっても低下してしまうので、定期的なメンテナンスが重要です。
アフターサービスが充実した業者で太陽光発電を導入すれば、安心して点検やメンテナンスを依頼できるでしょう。
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