太陽光発電を設置したら、定期的なメンテナンスが必要なのよね?
住宅用でも産業用でもメンテナンスは義務付けされているよ!
購入した販売店にお願いしたら、メンテナンスも対応してもらえるのかな?
太陽光のメンテナンス専門の会社もあるから、まずはどんなメンテナンス会社があるか確認しよう!
太陽光発電メンテンナスの依頼先
太陽光発電を長期間利用するためにはメンテナンスが欠かせず、その依頼先は複数の選択肢があります。
- 太陽光発電を購入した販売店
- 一般のメンテナンス業者
- 日常点検なら自分でも可能
状況によって依頼先を使い分けることも可能ですので、ひとつずつ確認していきましょう。
太陽光発電を購入した販売店
太陽光発電のメンテナンス先として真っ先に検討いただきたいのが、太陽光発電を購入した販売店です。
太陽光発電を購入した販売店であれば、発電設備の周辺環境、施工時の状況など詳細に把握しているため、異常があればすぐに問題を見つけることが可能です。
販売と施工だけでメンテナンスは行っていないというケースも存在するため、その場合は一般のメンテナンス業者を検討すると良いでしょう。
一般のメンテナンス業者
太陽光発電のメンテナンスを専門に行っている業者も全国各地に存在します。
事業者毎にメンテナンス時の点検項目やメニュー内容が違いますので、どのようなメニューがあるのか、点検後の報告はどのようにしてもらえるのか、などを確認して比較検討すると良いでしょう。
一般のメンテナンス事業者にメンテナンスを依頼する場合は、点検時に必要な設置時の下記書類があると話が早いです。
- 太陽光パネルのレイアウト
- ストリング図面(パワコンとパネルの配線状況が分かる図面)
- 取扱い説明書
日常点検なら自分でも可能
発電に影響しない簡易的な内容であれば、ご自身でも点検可能です。
日常点検は、目視できる範囲で機器に汚れが付着していないかを確認したり、監視システムで発電量、売電量のグラフに異常がないかを確認するなどの専門店な知識が必要ない範囲で行うのがお勧めです。
発電状況のチェックを習慣化していれば、少しの変化にも気が付きやすく機器故障などの異常を早期に発見することができます。
住宅の屋根の上に設置している太陽光発電の点検は高所での作業になり、非常に危険ですので自分では絶対に行わず、必ず専門の業者に依頼するようにしてください。
太陽光発電メンテナンス会社選びのコツ
基準を持たずにメンテナンス会社を選んでしまうと、きちんとメンテナンスを実施してくれなかったり、高額なメンテナンス費用を請求されることにもなりかねません。
下記のポイントを確認してメンテナンス業者を選ぶことで、余計なトラブルを防げるでしょう。
- メンテナンス費用は妥当か?
- 専門的な知識と経験を持つ有資格者が在籍しているか?
- 営業所が発電所に近い場所にあるか?
- 対応が迅速かつ丁寧か?
- メンテナンスサービスの種類は豊富か?
- 全国展開しておりどこからでも依頼できるか?
- 依頼した人のネットの口コミは良いか?
大切な太陽光発電を守るために、メンテナンス業者もしっかりと選びましょう。
メンテナンス費用は妥当か?
事業者によって、メンテナンス費用の設定も様々です。
太陽光発電は周辺環境によってメンテナスの条件が異なるため、費用について一概には言えませんが、一般的な住宅用の太陽光発電のメンテナンス費用の相場は次のとおりです。
作業内容 | メンテナンス費用 |
---|---|
通常のメンテナンス | 1~2万円 |
太陽光パネルの清掃 | 3~6万円 |
パワーコンディショナーの修理 | 5~10万円 |
パワーコンディショナーの交換 | 壁1面分で8万円 |
足場代 | 壁1面分で8万円 |
産業用の太陽光発電のメンテナンス費用は、おおよそ次のとおりです。
kW数 | 年間メンテナンス費用 |
---|---|
50kW未満 | 10~15万円 |
50~2,000kW | 100~200万円 |
住宅用か産業用かのほかに、産業用では発電の規模によってもメンテナンス費用が異なります。
専門的な知識と経験を持つ有資格者が在籍しているか?
太陽光発電のメンテナンスに関する資格を持った作業員が在籍しているかどうかも、業者選定の基準になります。
「この資格を持っている人がいたら安心」という太陽光発電メンテナンスに関わる資格を紹介します。
- 太陽光発電メンテナンス技士資格
- 太陽光発電メンテナンス技士補
- 第1種技術認定
- 第2種技術認定
「第1種技術認定」は2日間、「第2種技術認定」は1日、太陽光発電検査協会(PIA)の講座を受講すると認定を受けられます。
資格を持っているということは太陽光発電検査協会の認定を受けたということですので、正しい検査スキルを有している証明になります。
営業所が発電所に近い場所にあるか?
自宅の太陽光発電にしても、メガソーラーにしても、太陽光発電設備から近いメンテナンス会社を選ぶことをおすすめします。
メンテナンスは今後も断続的に実施する必要がありますし、急なトラブルの際にもメンテンナス会社に訪問してもらうことになりますので、そういった際に太陽光発電設備の近くの営業所のほうが対応が早いです。
少しの問題でもすぐに見に行ってもらえる利点は、太陽光発電を管理していく上で非常に大きなアドバンテージになります。
対応が迅速かつ丁寧か?
発電所で何かしらのトラブルが発生した場合、解決するまで不安に感じると思います。
点検やメンテナンスを依頼した際に、駆け付けできる日程を素早く決めてもららえるだけでも安心できますよね。
点検終了後すぐに「起きていたトラブルの内容と原因」「どう対策したのか」などを簡易的でも電話やメールで報告してもらえたら、たとえトラブルがその日に解決できなくても信頼できます。
対応が迅速かどうか、オーナーに寄り添った丁寧な対応をしてもらえそうかどうかも業者選定のポイントになります。
全国展開しておりどこからでも依頼できるか?
設備の種類・太陽光発電設備の環境にかかわらず、広い範囲でメンテナンスを対応してくれる事業者への依頼が望ましいです。
住宅用の太陽光発電と産業用では、保守点検ガイドラインで義務付けられているメンテナンス項目が異なります。
一般のメンテナンス会社では、保守点検の費用が年間契約で設定されている事例が多いので、年間のメンテナンス実施の頻度や、メニュー内容が支払う金額に見合っているかを見極めることも重要です。
全国展開しておりどこからでも依頼できるか?
太陽光発電のメンテナンス会社選びでは、事業所の所在地も大事なポイントになります。
全国に拠点がある事業者と対応エリアを限定している会社に分かれますが、全国展開している事業者なら太陽光を設置している自宅や発電所がある場所を気にすることなくメンテナンスを依頼できて便利です。
依頼した人のネットの口コミは良いか?
実際にサービスを利用した人の声を、SNSや口コミサイトで確認することも有効です。
事業者のホームページや見積比較などでは分からなかった、リアルな情報を知ることができます。
ただし、口コミには投稿者の主観が混じっていることもありますので、参考程度に留めるのが良いでしょう。
太陽光発電のメンテンナンス会社の探し方
太陽光発電のメンテナンス会社を探すには、「地域名+太陽光発電+メンテナンス会社」などのKWでGoogleで検索し、まずはお近くの地域にある太陽光発電サービス業者を探し出すことから始めると良いでしょう。
例えば大阪の太陽光発電メンテナンス会社を検索すると、こちらのような結果となります。
ネットでの検索の場合、あわせて口コミや評判なども参考にしつつ、料金面やサービスの品質なども重視するようにしましょう。
太陽光発電メンテナンスの重要性
太陽光発電は、設置から時間が経つほど劣化していきます。これはどの電化製品でも同じことですので、仕方ありません。
ただ、適切にメンテンナンスを実施することで長期間安定して稼働することを助け、早期段階での異常発見やトラブル防止を行うことが可能です。
発電効率の低下を防いで電力を無駄にしない
太陽光パネルに鳥の糞や飛来物、黄砂などの汚れが付着したまま放置していると、汚れの部分が影になるので発電量が低下してしまいます。
定期的にメンテナンスをしていれば、時間が経っても発電効率を保つことができます。
一定の発電量を維持できれば売電収入が安定し、太陽光発電購入のローン返済にも充てることも可能です。
ただし、屋根に設置している住宅用の太陽光パネルの洗浄は非常に危険ですので自分では絶対に行わず、高所作業ができるメンテナンスのプロに依頼するようにしましょう。
太陽光発電設備の経年劣化を防ぎ寿命を延ばす
太陽光発電の機器にも寿命があります。
太陽光パネルの耐用年数は一般的に20~30年と言われています。
屋外の自然環境の中、野晒しになっている状態で何の対策もせずに時間が経過すると、定期的にメンテナンスを行った場合と比べて機器が早く劣化してしまいます。
より長い期間機器に発電し続けてもらうためにも、適切なメンテナンスを行うことが経年劣化の防止に繋がります。
事故の防止して安全性を確保する
太陽光発電システムを適切なメンテナンスを行うことで、過度な劣化を防止し、システム全体の機能が安定した状態を維持できます。
定期点検で不具合箇所を早く発見できれば事前にトラブルへの対策ができ、パネル落下や架台転倒などの大きな事故になるのを防ぐことができるのです。
無資格工事の結果、台風によってパネル落下事故が発生した事例
引用:Big Street
また、定期的なメンテナンスを行うことで事故が軽減し、余計な出費が減らせれば、長期的な投資効果も高めることにつながります。
メンテンナンス義務化の責任を果たす
2017年4月に改正FIT法が施行され、全ての太陽光発電に対してメンテナンスが義務化されました。
固定価格買取制度が改正された理由の一つに、近隣住民とのトラブルが起きることが課題としてあがっています。
太陽光発電の普及に伴って発電所の数が増えていますが、比例してトラブルも増えており、見えてきた問題点からメンテナンスが義務化されたのです。
メンテナンスを怠ると罰則が課せられるからということだけではなく、メンテナンス義務化の責任を果たすことで近隣住民からの理解を得て、円滑な発電所運営をしていくこともオーナーの役割だと言えます。
メンテナンスを怠るとFIT認定が取り消される?
太陽光発電のメンテナンスが不十分だと発電所の近隣住民から行政にクレームが入り、行政から発電事業者に指導が入ることがあります。
2019年3月に経済産業省・資源エネルギー庁は固定価格買い取り制度(FIT)に基づく8件の太陽光発電の認定を取り消したことを発表しています。
取り消しになったのは、2013年2月と7月に認定取得したFITで、4件は連系済み、残り4件は稼働前でした。
この事例での取り消し理由は「農地法及び農振法(農業振興地域の整備に関する法律)に違反したこと」でしたが、行政が是正勧告をしても発電事業者が従わなかったため、最終的に経済産業省・資源エネルギー庁が認定取り消しを決定しました。
もしもメンテナンス事項について改善しない場合は、上記の事例と同じようにFIT認定取り消しという事態になりかねません。
発電量の維持や経年劣化防止にもなりますので、計画的に発電設備の点検、メンテナンスを実施するようにしましょう。
定期的なメンテンナスで事故や損を防ぐことができる
太陽光発電は、初期費用が高額なためローンを組んで購入する人も多く、決して安い買い物ではありません。
太陽光パネルで発電した電気を自宅で使用して電気代を節約したり、売電収入でローンを返済できたり用途やもたらしてくれる利益は様々です。
定期的に太陽発電のメンテナンスや点検をすることで、火災や落下などの事故防止、経年劣化のスピード緩やかにできれば機器を良い状態に保てて発電量を維持できるという観点からも太陽光発電のメンテナンスはとても重要です。