太陽光発電の導入を検討している家庭が増えている中、その影で悪質な訪問販売の手口が後を絶ちません。
悪徳業者に騙されるような形で契約をしてしまい、後悔や苦情を抱える消費者がたくさん存在するのが現状です。
本記事では、悪質な太陽光発電の訪問販売の手口について詳細な案内を行います。
安心して賢く太陽光発電を利用するためのお役立ち情報を、ぜひご覧ください。
訪問販売で太陽光発電を買っても大丈夫なのか？
訪問販売による太陽光発電の購入は、不安を感じる方も多いでしょう。
提案される契約内容の確かさや、業者の信頼性は特に注意が必要です。
全ての訪問販売業者が悪いわけではありませんが、軽はずみな判断で契約することは避け、十分な検討を行うことが重要です。
太陽光発電そのものは素晴らしいシステム
太陽光発電システムは、非常に素晴らしいものとなっているため、コストを抜きにして考えると、導入しない理由がありません。
初期費用やメンテナンス等のコスト面を考慮したとしても、損か得かと言われれば、長期的に見ればほぼ確実に得をするようにできています。
そのため、運営元が明確で実績がある業者であるなら、訪問販売で契約を行っても問題はありません。
悪質業者に騙されると大きな被害が出る
太陽光発電そのものは魅力的である一方で、素人施工を行う悪質業者に依頼してしまうと、大きな被害が出るトラブルに見舞われることも。
素人施工業者によるトラブル事例
無資格工事の結果、台風によるパネル落下事故が発生した事例。
出典：Big Street
このように太陽光発電システムの施工を任せる業者によっては十分な実績がない場合もあり、業者選びに注意が必要です。
台風のような強い風でも壊れないよう、しっかりとした施工実績のある業者を選びましょう。
買ってはいけない悪質業者一覧
太陽光発電の導入においては、慎重に悪質業者を避けることが不可欠です。
導入時も、導入した後のアフターサポートでも、親身になって対応してくれる業者を選びましょう。
間違っても選んではいけない太陽光発電の悪質業者については、以下の記事で紹介しているので、必ず確認しておいてください。
太陽光発電の訪問販売の手口
予期せぬトラブルに巻き込まれないためにも、太陽光発電の訪問販売の手口を知っておくことが重要です。
訪問販売員の提案には様々な手法があり、純粋に商品を売りたいというよりも、契約を取り付けるための計略が隠されている場合があります。
太陽光発電の訪問販売における様々な手口を理解し、適切な選択をするための対策を見ていきましょう。
初めの訪問の際に目的を告げない
- この周辺の日照について調べている
- 太陽光発電のお知らせをしに来た
- 各家庭の省エネに関して聞いて回っている
このようなうたい文句で警戒心を解こうとします。
そこから「省エネするなら太陽光発電です！」「日当たりが良いなら太陽光発電がオススメです！」など太陽光発電に話をもっていきます。
何故これらの行為が要注意かというと、法律（特定商取引）で正しくルールが定められているからです。
事業者の氏名等の明示（法第3条より）
事業者は訪問販売を行うときには、勧誘に先立って、消費者に対して以下のことを告げなければなりません。
- 事業者の氏名（名称）
- 契約の締結について勧誘をする目的であること
- 販売しようとする商品（権利、役務）の種類
引用：特定商取引法ガイド
太陽光発電の販売を行う際には、販売目的をはっきりと伝えることが法律で定められています。勧誘の際、この義務を怠ったり、法に反する行為を平然と行う販売業者は、将来的なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
家庭用の太陽光発電や蓄電池を安心して導入するためには、適切な情報と一緒にしっかりとしたサポートを提供する信頼できる業者から購入することが肝心です。
即決を迫ってくる
- 今日だけの特別価格です
- 年度末特別価格です
- モニターはあと1組だけです
このように、その場ですぐに判断を下してもらうような即決文句を迫ってくる訪問販売には要注意です。
太陽光発電は高額な買い物になりますので、本当に親切な営業マンなら、しっかりと検討してくれる時間をくれるものです。
仮に悪質業者ではなかったとしても、そういった担当者から契約すると後からトラブルになるのは目に見えているといえるでしょう。
過剰な値引き交渉の演出
訪問販売員は時に、定価を大幅に下回る驚異的な値引きを提案することがあります。
これは客の心理をくすぐり、頑張って勉強していると見せかける手口です。
実はその値引きは最初から折り込み済みで、元の価格は明らかに相場よりも高い金額であり、そこから本来の価格に値引きしたように見せかけているだけのケースが少なくありません。
発電シミュレーションの実現度が低い
太陽光発電システムの訪問販売時には、将来の発電量を予測して見せる発電シミュレーションが行われることがあります。
しかしながら、そのシミュレーションの実現度はしばしば低く、実際の電気代削減効果が大幅に過大表示されるケースも。
想定される発電量や経済効果を鵜呑みにせず、他社のシミュレーション結果や実際に運用しているユーザーの声を調査することが大切です。
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追加の費用や維持費を伝えない
太陽光発電設備を設置する際には、初期投資だけでなく保守や維持にも費用がかかります。
販売員が最初に提示する見積りには、これらの費用が含まれていないこともあり、後から追加請求が来る場合があるので注意が必要です。
- 登録や申請の手数料
- 家庭用蓄電池の費用
- 関連機器の費用
- 定期的なメンテナンス費用
といった、あらゆる追加コストを明確にし、一切の隠れコストがないことを確かめることが肝心です。総額の確認を怠らないようにしましょう。
偽の地域限定プロモーション
特定のエリアや時期を対象にしたと称する「地域限定プロモーション」を打ち出す場合があります。
あたかもお得な機会であるかのように見せかけ、キャンペーン期間中の契約を求めるもので、実際には地域に関わらず同じようなキャンペーンが行われている可能性があります。
メリットばかりを並べる
太陽光発電はメリットが多い投資先ですが、当然デメリットもあります。
初期費用もかかりますし、定期的なメンテナンスも必要です。
メーカーごとに強みがあるソーラーパネルを出していますので、その人その人に合ったメーカーというものもあります。
そういったデメリットの事実を十分に伝えないまま営業を続けるような営業マンがいる会社は、その会社自体に問題ありだと判断できるでしょう。
悪質業者の嘘を見破る3つの方法
悪質業者の嘘を見破る方法も知っておきましょう。
以下のどれか１つでも当てはまれば、嘘をついている可能性が高いと言えます。
- 資料や見積書、名刺を置いていかない
- 「ほかではこの価格で買えませんよ」と言う
- 年間の発電量が1KWあたり1500KWHを超えている
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
資料や見積書、名刺を置いていかない
太陽光発電の訪問販売営業マンが「また来ます」と言った際に、資料などを全て持って帰るときは、ほぼ間違いなく嘘があると思ってください。
何故なら、嘘の証拠が残ってしまうことを恐れているから。
余計な証拠が残らないように、持ち帰るのです。
「ほかではこの価格で買えませんよ」と言う
「ほかではこの価格で買えませんよ」と言う営業マンも、非常に怪しいです。
訪問販売は人件費が多くかかるので、他では買えないほど安く太陽光発電を提供できません。
このセリフをいう営業マン全てが嘘をついているとは言えませんが、ほとんどの場合は嘘なので疑ったほうがいいでしょう。
そのほかに怪しむべき似たようなうたい文句がこちら。
- 今回のみの特別価格です
- この地域のモニターになっていただきたいのでこの価格です
- 工事費用を無料にします
このように言われて提示された金額も、そこまで安くないことが多いので警戒しましょう。
「本当に安い価格なのかな？」と判断に迷った場合は、太陽光パネル1kWあたりの単価で考えると分かりやすいので、そちらで判断するといいでしょう。
年間の発電量が1kWあたり1500KWHを超えている
太陽光発電の発電量は利用者（設置者）にとっては経済的メリットとなりますので、悪徳業者はその心理を利用して発電量に関して嘘をつくことが多いのです。
シミュレーションできる資料がある場合、以下の計算式で算出してみてください。
平均的な発電量は、どんなに良くても１KWあたり1500KWHを超える発電量はありません。
シミュレーションはあくまで予測値になりますので、実際はもう少し発電するのですが、発電量を多めに見積もるのは危険ですので注意しなければなりません。
このように明らかに嘘がついていることが明確な場合、論破するような切り返しトークを行うことで、ボロが出る可能性があります。
太陽光発電のクーリングオフの方法
もし訪問販売悪徳業者から太陽光発電を購入してしまった後で、相場よりも高い金額だった場合、契約を破棄したいと考えると思います。
その場合、契約後から一定期間内であれば契約を破棄できるクーリングオフ制度が利用できます。
クーリングオフの手順にて詳しく紹介しますが、事業者に送るクーリングオフの書類も準備していますので、活用ください。
クーリングオフ制度とは？
クーリングオフとは、定められた期間内であれば事業者に申し込みまたは締結した契約を、無理由、無条件で撤回・解除できる消費者保護の制度になります。
クーリングオフの期間
訪問販売でのクーリングオフ期間は8日と定められており、契約書が不備なく記載された日を1日目としての8日間がクーリングオフの期間となります。
クーリングオフの手順
クーリングオフの手順を
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STEP1期間の確認訪問販売で契約を行った場合、契約日を含めて8日間であれば契約の解除が可能です。
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STEP2通知書の作成電話だけで終わらせず、必ず履歴が残る書面で事業者に通知を行いましょう。契約解除書類となる通知書には、次の内容を記載してください。
- 契約解除を希望する旨
- 契約した日付
- 契約内容
- 連絡先
- 担当者名
通知書の作成が簡単に行えるテンプレートもご用意しているので、活用ください。
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STEP3契約解除書類の送付レターパックや簡易書留など、郵送記録が残る方法で送ります。
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STEP4返金の確認支払った代金が返金されれば、契約の解除が完了です。事業者と連絡が取れない場合は、消費者センターへ連絡しましょう。
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訪問販売で太陽光発電を契約する前に確認すること
色々ご紹介してきたけど、全ての訪問販売業者が悪徳業者とは限らないよ。
とは言え、それでも心配だと思うから、契約する前にチェックしてほしいことがあるの。
全ての訪問販売業者が悪徳業者とは限らないとはいえ、実際に悪徳か優良な業者なのかどうやって判断すればよいのか不安かと思います。
日本訪問販売協会（JDSA）に加盟しているか
日本訪問販売協会とは、特定商取引法の遵守・会員企業が守るべき「倫理網領」の徹底を指導する公益法人です。
契約する前に優良な業者なのかどうか1つの指標として「日本訪問販売協会（JDSA）」に加盟しているかどうか確認してみてください。
加盟しているかどうかは、日本訪問販売協会の会員一覧からも確認できます。
日本訪問販売協会（JDSA）に相談してみる
日本訪問販売協会（JDSA）は悪質な営業を繰り返す企業に対して指導し、指導後にも悪質な営業を続けた場合は除名となる仕組みです。
相談窓口もありますので、「訪問販売の営業を受けたけどなんか不安に感じた」などあれば相談してみるのも一つの手です。
相談先は、フリーダイヤル0120-513-506となっております。
訪問販売による太陽光発電の被害報告
訪問販売による太陽光発電の消費者からの被害報告は多岐にわたり、これらの問題に対応するための情報提供と対策が求められています。
相談件数は年々増加している
2016年～2019年において国民生活センターに寄せられた太陽光発電の工事を含むリフォーム工事の相談件数の推移がこちらになります。
| 年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
|---|---|---|---|---|
| 相談件数 | 6,596 | 6,385 | 7,219 | 7,467 （前年同期6,699） |
相談内容の一例
- 自宅に上がりこまれて強引に契約させられたのですが、解約できないでしょうか
- 契約後に業者と連絡がつかなくなった
- 今月中に契約すれば10万円の割引が受けられると言われ不信感を持った
- 契約日がおかしい
全ての太陽光発電を扱っている訪問販売業者が悪いわけではありません。
しかし、実際に契約の解約の相談が多いのは、それだけ強引な勧誘が行われているということなのです。
訪問販売で太陽光発電の導入を検討できる最低条件
以下の条件を満たす場合には、訪問販売であっても太陽光発電の導入を検討しても良いと言えます。
- 会社の実績が十分にあるか？
- 保証内容は明確で充実しているか？
- 営業マンが嘘をついていないか？
それぞれ、詳しく見ていきましょう、
会社の実績が十分にあるか？
必ず確認したいのは、その会社の施工数です。年間にどれくらいの家の施工を行っているのか、確認してみましょう。
年間で1,000件にも満たない場合には、企業規模が小さいことが考えられますので、実績や保証内容に不安が残ります。
- 「会社名 評判」
- 「会社名 口コミ」
などでGoogle検索にかけてみることも忘れずに。
保証内容は明確で充実しているか？
正直なところ、太陽光発電の設置に関しては、どんな業者でも行えます。
設置後の太陽光パネルを見たところで、初心者には施工のうまい・下手は分かりません。
問題が発覚するのは、台風や地震、大雨が発生したときです。
無資格工事の結果、台風によるパネル落下事故が発生した事例。
出典：Big Street
ソーラーパネルの設置箇所から雨漏りが発生し、RCの鉄筋が錆び、コンクリートが爆裂した事例。
出典：Kamisei
このように、何かしらの災害が起こった際などに、施工の甘さが露呈します。
こういった際に、保証がなければ高額の修理費を自費で負担しなければいけなくなりますので、保証内容の確認は必須です。
ですが、太陽光発電に詳しくない一般の方が、提供される保証が適切かどうかを判断するのは難しいことがあります。
では、どうすれば良いのかというと、いくつかの会社から見積もりを取る「相見積もり」が役立ちます。
相見積もりを行うことで、各会社が提供する保証内容を比較検討でき、より良い条件を選べます。
例えば太陽光発電の機器が故障したときの修理費用が0円で済む保証や、ある一部の部品が停止した際にどのように対応してくれるのか、性能保証はどの程度かなど、細かい部分までチェックできるようになります。
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営業マンが嘘をついていないか？
言うまでもないことですが、営業マンの中には、自身の成績のために嘘を並べる人がいるのも事実。
こちらの知識が乏しいのを良いことに、詐欺まがいな嘘を並べられても、こちらにはその場で見抜く術はありません。
ですが、とても簡単に営業マンの嘘を見破れるので安心してください。
その方法とは、相見積もりをとることです。
どれだけ見栄えの良い言葉を並べても、複数の会社のサービス・保証内容と比較すれば、すぐに矛盾が見つかります。
見積もりはどれだけとっても無料ですから、「とらないと損をする」と考えておきましょう。
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太陽光発電の訪問販売の歴史
太陽光発電の販売は、2009年から始まった売電制度で急激に普及が進みました。
その理由としては、売電制度が太陽光発電設置者に経済的なメリットが出るように設計され、投資する商品として注目されたからです。
当時は訪問販売が主流だった
売電制度以前の太陽光発電は、ほとんどが訪問販売で売られていました。
強引な販売手法は昔からあった
実は当時の太陽光発電は設置者にとって経済的なメリットはほぼない状態で、以下のような点をアピールするしかありませんでした。
- 非常用の電源になる
- クリーンな発電
- 未来の設備
経済的なメリットがほぼないので、その当時の営業マンはかなり凄腕だったと言われています。
同時に「売らなければ会社での居場所がなくなる」などの理由で、かなり強引な手法で太陽光発電の販売が進められていたという話も少なくありません。
太陽光発電の訪問販売はじっくり会社を調べることが重要
太陽光発電は一般住宅においても利用が進み、気軽に導入できるようになりました。
しかしながら、訪問販売には注意が必要です。全ての業者が悪質とは限りませんが、中には顧客の利益よりも自身の営業成績や利益を優先するところも存在します。適正価格で安心して導入するためにも、業者選びはくれぐれも慎重に。
ご自身の疑問点に誠実に回答し、お困りごとを解決するサポート体制の整った会社を選ぶことが大切です。