太陽光発電の過積載って、メリットがあるって聞いたから、私もやってみようかな♬
ちょっと待って!太陽光発電の過積載には、規制があるってちゃんと知っているの?
規制!?そんなの初耳なんだけど!具体的にはどんな内容なの?
太陽光発電の過積載の規制条件から、過積載のメリットやデメリットまで、みんなが気になる情報をお届けするね!
太陽光発電の過積載の規制とは?
太陽光発電の過積載を簡単に説明すると、既に設置してある太陽光パネル(太陽電池)と、新たに追加で設置した太陽光パネルの合計発電出力が、パワーコンディショナーの定格容量を超えた状態で接続されることです。
よく、太陽光発電の増設と過積載を混同して考える人がいるけど、正確には別の意味だからね!
増設っていうのは、確かにソーラーパネルの枚数を増やすことだけど、パワーコンディショナーの出力を超えない限りは、過積載にならないからね!
太陽光パネルの発電出力を上げることで、電力の発電量を増やし、更には、最初の太陽光パネル設置時のFIT買取単価を維持できることで、売電収入を増やせると、太陽光発電の過積載は、密かなブームを巻き起こしました。
ですが、2017年8月31日のFIT法施工規則改正により、事後的な過積載については、規制が掛かることになりました。
具体的には、事後的(事前に計画のない)な過積載については、太陽光発電設置時のFIT買取単価ではなく、過積載を実施後の低いFIT買取単価が適用されることになるのです。
つまり、2015年に住宅用太陽光発電を設置したら、33円 / kWhの買取価格が適用されていたのに、2020年に過積載を行ったことによって、買取価格が21円 / kWhにまで下落しちゃうんだよ!
これじゃ、いくら発電量が上がっても、期待していた売電収入の増加なんて見込めないよね!
太陽光発電の過積載で規制を受けるには、条件があります。
具体的には、以下のとおりです。
- パネルの合計出力を増やす場合
- パネルの合計出力を減らす場合
それぞれ、詳しく解説をしていきます。
パネルの合計出力を増やす場合
パネルの合計出力を増やして規制を受ける条件は、以下のとおりです。
太陽光パネルの合計主力を増やすと、最初の太陽光パネルを設置したときに認定された事業計画書について、認定変更を受ける必要があります。
この場合、認定変更が終了した時点のFIT買取単価が適用されることになります。
つまり、安い買取単価に引き下げられるということです。
注意点としては、新たに追加で設置した分の太陽光パネルだけが規制の対象となるわけではなく、設置している太陽光発電システム全体が規制対象となります。
せっかく高い費用を投じて太陽光パネルを増やしても、買取単価が下がったら意味ないね!
パネルの合計出力を減らす場合
パネルの合計出力を減らすことで規制を受ける条件は、以下のとおりです。
ちょっとちょっと!何で太陽光パネルの出力を減らした場合も規制を受けるハメになるの!?
FIT法改正に伴い、事後的な過積載によるFIT単価の引き下げを恐れて、最初に設置する太陽光パネルの発電出力を、あらかじめ多く申告する問題に対処するためです。
つまり、本当は10kWの太陽光パネルしか設置していないのに、15kW設置したと偽ることで、数年後に15kWから3%、もしくは3kW以内の過積載を行っても、申請上は規制の対象外となります。
これって違法だよね!いつの世にも、悪知恵が働く人はいるもんだね!
こういった事態を防ぐため、出力の減少にも認定変更の制度を設け、太陽光パネルの出力を減らす場合は、事前の事業計画の数値から20%以内にしないと、FITの買取単価を引き下げられることになります。
太陽光発電の過積載の規制対象外となる条件
太陽光発電の過積載の規制対象外となる条件は、以下のとおりです。
- 太陽光発電の設置前の段階で過積載を計画している
- 発電出力が10kW未満であること
それぞれ、詳しく解説をしていきます。
太陽光発電の設置前の段階で過積載を計画している
今回、規制の対象となるのは、あくまで事後的過積載です。
つまり、FITの認定を受ける際に、事前に設置する太陽光発電システムが、過積載であることを申告していれば、問題はありません。
発電出力が10kW未満であること
今回のFIT法改正では、発電出力が10kW未満の家庭用太陽光発電に関しては、規制の対象外となりました。
つまり、規制の対象となる、2つの条件を満たしても、合計発電出力が10kW未満であれば、FITの買取単価を引き下げられるといった制裁を受ける心配はありません。
これは朗報だよね!10kW未満であれば、高いFIT単価のまま発電量を増やすことができるよ♬
発電量が増加すれば売電収入も増えるね!まずは、ソーラーパネルの増設にどのくらいの費用が発生するか調べてみよう!
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太陽光発電の過積載はなぜ規制されるのか
これまで政府は、太陽光発電の事後的な過積載を問題視していながら、何も手を打ってきませんでしたが、2017年のFIT法改正に伴い、まるで抜き打ちのような形で規制案を盛り込んできました。
では、なぜ太陽光発電の事後的な過積載は問題となるのでしょうか。
その答えは、以下のとおりです。
- 再エネ発電賦課金が値上がりすることで国民の負担が増える
- FITの設備認定時より安い機器を設置する
再エネ発電賦課金が値上がりすることで国民の負担が増える
事後的な太陽光発電の過積載を行うことにより、再エネ発電賦課金が値上がりする可能性があります。
再エネ発電賦課金っていうのは、下の図のように、月々の電気代から徴取されているお金のことだよ!
FIT(固定価格買取制度)の財源になる、貴重なお金なんだよ!
引用:エネリークス
再エネ発電賦課金は、FITのコストを見据えて価格を定めています。
太陽光発電の過積載により売電量が増えれば、当然FITの財源が逼迫してしまい、再エネ発電賦課金の値上がりに繋がるというわけです。
再生可能エネルギーは、地球環境に優しいからなるべく早く普及させたいけど、月々の負担が重くなるのは困るよね!
FITの設備認定時より安い機器を設置する
FIT認定を取得するには、経済産業省から設置した太陽光発電設備が法令で定める要件に適したものであるかチェックをしてもらい、認可を受ける必要があります。
これを、設備認定と言います。
事後的な太陽光発電の過積載では、設備認定を終えてFITが適用された後に、認定時よりも安い機器を設置することがあります。
この新たに設置(増設)した分の機器も、設備認定時に申請した価格で、法令で定める要件をクリアした機器を前提としたFITが適用されるのです。
つまり、後付けする機器は、多少値下げされた安いものでも、一度高い機器で認定を受けているから、FITの買取単価が下げられることはないってことなんだよ!
太陽光発電の過積載のメリット
太陽光発電の過積載のメリットは、発電量が増加することです。
ソーラーパネルの枚数を増やすんだから、発電量が増えるのは当然だよね!
もちろん、発電量が増えれば売電収入も増えるよ♬
新たに太陽光パネルを増やす場合は、導入費用は発生してしまいますが、維持費に関しては、そこまで増えません。
太陽光パネルの洗浄に関しても、パネルの枚数が増えれば、その分料金も高くはなりますが、パネルのメンテナンス自体、そこまで頻繁にやる必要もありません。
せいぜい、発電量が大幅に低下したときや、数年に1度のペースでしょう。
また、発電出力が10kW未満の家庭用太陽光発電であれば、FITの買取単価を下げることなく、売電収入だけを増やすことができますので、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
太陽光発電の過積載のデメリット
太陽光発電の過積載のデメリットは、以下のとおりです。
- 新たに設置する太陽光パネルの導入費用が掛かる
- メーカー保証が受けられなくなる可能性がある
- パワーコンディショナーによるピークカット量が増える
それぞれ、詳しく解説をしていきます。
新たに設置する太陽光パネルの導入費用が掛かる
当然の話ですが、新たに太陽光パネルの枚数を増やすには、導入費用が発生します。
経済産業省資源エネルギー庁の発表では、1kWの発電量を得るには、約28万円の費用が発生するとされています。
発電量が増加して、売電収入が増えれば、増えた分の収入を、導入費用の返済に充てることも可能ですが、なるべく安く太陽光パネルを購入できるように、色々なメーカーや、業者で見積もりをしてみてください。
見積もりシュミレーションを活用すれば、手軽に導入費用を知ることができます。
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メーカー保証が受けられなくなる可能性がある
事後的に太陽光発電の過積載を行った場合、元から設置していた太陽光パネルとは、別のメーカーの製品を後付けすることで、メーカー保証が受けられなくなる可能性があります。
太陽光パネルを設置すると、出力保証や製品保証といった、メーカー保証を受けることができます。
保証期間は、それぞれのメーカーによって異なりますが、最低でも10年以上の保証を付けてくれるのが一般的です。
海外メーカーだと、最長で40年の保証を付けてくれる企業もあるから驚きだね!
1つの屋根に異なるメーカーの太陽光パネルが混在していると、メーカー保証から外されてしまうことがあるのです。
また、太陽光パネルのメーカーは同じでも、設置の施工業者を増設時に変えてしまうことで、メンテナンスや修理がスムーズにできなくなる可能性もあります。
太陽光パネルを増設する際は、なるべく同じメーカーの製品を選んで、取り付け時も同じ施工業者に依頼するのがいいね!
また、意図的にパワーコンディショナーの容量を超えた発電出力を接続するのですから、過積載が原因でパワーコンディショナーが故障しても、やはりメーカーの保証が受けられなくなる可能性があります。
パワーコンディショナーによるピークカット量が増える
太陽光発電の過積載で、パワーコンディショナーによるピークカット量が増えてしまいます。
ピークカットとは、パワーコンディショナーの設計に関することで、太陽光パネルが発電した電力量がパワーコンディショナーの容量を超えてしまうと、自動的に消費や売電ができない分の電力をカット(削減)します。
引用:まじめデンキ
太陽光パネルの枚数が増えれば発電量は増加しますが、パワーコンディショナーの出力はそのままなので、ピークカットされる電力は過積載前よりも増えてしまいます。
それって、電力ロスが増えることだよね!もったいないじゃんよ!
発電した電力を無駄なく使い切りたいなら、パワーコンディショナーの出力も上げるのが1番だね!
太陽光発電の過積載の規制 まとめ
ここまで、太陽光発電の過積載の規制について解説をしてきました。
まとめると、以下のようになります。
太陽光発電の過積載で規制を受ける条件
- 太陽光パネルの出力が合計で3%以上、もしくは3kW以上の増加
- 太陽光パネルの出力が20%以上の減少
太陽光発電の過積載で規制の対象外となる条件
- 太陽光発電の設置前の段階で過積載を計画している
- 発電出力が10kW未満であること
太陽光発電の過積載はなぜ問題となるのか
- 再エネ発電賦課金が値上がりすることで国民の負担が増える
- FITの設備認定時より安い機器を設置する
太陽光発電の過積載のメリット
太陽光発電の過積載のデメリット
- 新たに設置する太陽光パネルの導入費用が掛かる
- メーカー保証が受けられなくなる可能性がある
- パワーコンディショナーによるピークカット量が増える