蓄電池って元が取れないって聞いたけど本当？
損しないために何かいい方法があれば知りたい！
蓄電池は元が取れないって本当？
蓄電池の相場は、本体と工事費込みで80万円～200万円が相場となっており、決して安いものではありません。
そのため、太陽光+蓄電池の購入を検討している多くの人が、初期投資した金額を回収できるのかどうか不安を感じていることでしょう。
結論からいうと、蓄電池の購入は元が取れます。
仮に100万円で設置した場合、年間の電気料金が10万円削減できると仮定すると10年で初期費用を回収できる計算となります。
蓄電池の寿命は30年以上であることから、元を取ってから長期に渡り恩恵を得られるということです。
また、太陽光発電をはじめとする自家発電で売電を利用すれば、その分の収入が得られるため、それをローンに充てることもできるでしょう。
もちろん蓄電池やその他設備に対してメンテナンスをはじめとするランニングコストも発生しますが、このように工夫次第では10年ほどで元が取れるため心配いりません。
蓄電地の元を取るには太陽光発電の設置が必須？
蓄電池は単体でも導入することは可能ですが、太陽光発電設備と併用することでより多くのメリットがあります。
ここでは、太陽光+蓄電池を組み合わせることで得られるメリットについて解説していきます。
売電収入でローンの返済ができる
太陽光発電では、自宅で使用しなかった分の電気を電力会社に買い取ってもらう「売電」という仕組みがあります。
買い取り価格はFIT制度によって変動しますが、パナソニック「エネピタ試算結果」によると売電の平均収入は月に約5,400円。年間で約65,000円の収益であるため10年で65万円の収入となります。
売電で得た収益を蓄電池購入時のローンに充てることで、より早く返済することが可能となるでしょう。
また、太陽光発電システムで作られた電気を自宅で使用できるため、電力会社から供給される電気の使用量が減少するため、その差額で月々の電気代も浮くのです。
つまり、売電によって収入が得られ、太陽光発電によって支出を抑えるといった経済効果が期待できるということです。
売電を上手く活用できれば、蓄電池のローンに充てるだけではなく、老後の収入源としても対応することもできるでしょう。
深夜の安い電力を貯めて電気代を削減
あまり知られていませんが、太陽光発電や蓄電池を使用していると、電力会社が提供する深夜帯の低価格な電力を購入することができます。
低価格な電力を深夜帯に蓄電池に貯めておき、昼間にそちらを使用することで通常の電気代よりもお得に電気を使用できるのです。
また、売電は自宅で使用しなかった分を電力会社に販売できるため、蓄電池で自宅の電力を賄えれば売れる電力が増えるため収入も増加します。
夜間割りプランに申し込むためには条件を満たす必要もあるため、興味がある人はそちらから確認してみましょう。
災害時のリスク回避
太陽光発電と蓄電池などの機器を設置しておくことは、停電や災害時などの状況におけるリスク回避にも繋がります。
災害によって電力会社からの電力が供給されず停電してしまっても、太陽光発電があれば自宅で電力を作ることが可能です。
また、昼間に作った電力を蓄電池に溜めておくことで夜間での使用も可能となります。
数多くの電化製品に囲まれて生活しているため、災害時でも電気が使えることは大きな安心に繋がるといえるでしょう。
太陽光発電をつけてよかったという声の中でも、災害時に電気が使えた点は大きな理由として挙げられています。
太陽光発電と蓄電池を併用する場合の注意点
売電収入によるローン返済や電気代の削減、災害時のリスク回避といったメリットがある太陽光発電と蓄電池の組み合わせですが、その一方で注意点もあります。
ここでは、太陽光発電と蓄電池を併用する場合の注意点を解説していきます。
償却の計算をしておく
太陽光発電や蓄電池を設置する際には、償却（減価償却）の計算を行うようにしましょう。
例えば150万円かけて太陽光発電と蓄電池を設置した場合、年間の電気代削減が10万円だったとします。
この場合、150万円÷10万円で15年で元が取れることが分かります。
元が取れるようになる年数を逆算し、目標を実現するためには太陽光パネルや蓄電池の種類、設置位置や発電条件などを考慮して選ぶことが重要です。
太陽光発電と蓄電池の容量を合わせる
太陽光発電と蓄電池を併用する際には、それぞれの容量を合わせることもポイントです。
例えば容量が大きければそれだけ充電に時間を要し、使いきれずに無駄にしてしまう可能性があります。反対に、容量が小さければ発電した電気を貯めておけず、消失させてしまうこともあるでしょう。
このように無駄を発生させないためには、1日に自宅でどれくらい電気を使用しているのかを把握し、太陽光発電と蓄電池のバランスを合わせて導入するのがおすすめです。
蓄電池の性能を慎重に検討する
蓄電池を設置する際には、その性能を慎重に検討することも重要です。
蓄電池には単機能型とハイブリッド型の2種類があり、どちらを選ぶかによって電気の効率性がことなります。
単機能型の場合、別途パワーコンディショナーを接続して電気の切り替えを行わなければならないため、発電した電気を無駄にしてしまいますが、ハイブリッド型はパワーコンディショナーと一体化しているため効率性が高いです。
「それならハイブリッド型一択なのでは？」と思われがちですが、高性能なものはその分初期費用が高くなるため、元を取るためには時間を要します。
このように、性能の違いによっても投資した費用の回収に大きく影響を及ぼすため、しっかりとシミュレーションを行うようにしましょう。
変わり種の選択肢として、日産リーフを蓄電池の代わりとして利用する手法も流行っています。
知らないと損！蓄電池の元を取るための裏技
蓄電池の元を取るためには、電気代の削減や売電の活用が挙げられますが、それ以外にも方法があります。
ここでは、蓄電池の元をより早く取るための裏技を紹介していきます。
保証期間内に初期費用を回収できるようプランを組む
蓄電池の元を効率良く取るためには、保証期間内に初期費用を回収できるプランを組むことです。
保証期間内であれば、万が一の故障が発生しても修理費を補償してもらえるため、余計な費用を発生させる心配がいりません。
逆に、保証期間を経過してから回収するプランにしていると、補償もなく出費もかさんでしまうため、元を取るまでに時間を要してしまいます。
このような事態に陥らないためにも、蓄電池購入の際には保証期間や制度もしっかりとチェックしておきましょう。
補助金を申請する
初期費用が高額な蓄電池ですが、導入においては補助金が利用できます。
こちらの補助金は、経済産業省が運営するSiiが管轄しているもので、設備と工事費の総額3分の1まで受け取ることが可能です。
ただし、対象となるのは「太陽光発電設備」「蓄電池」「HEMS（電力使用最適化の仕組み）」の3つが揃っていなければならないので、補助金利用を検討している人は注意しましょう。
相見積で優良業者を探す
蓄電池に限ったことではありませんが、設置する際にはいきなり1社で即決することはせず、複数社から検討することもポイントです。
本体代や工事費だけではなく、保証期間やその内容も検討材料となります。
また、太陽光発電や蓄電池は長期間使用するものであるため、倒産する心配のない業績の良い事業者を選ぶのもポイントであるといえるでしょう。
料金プランを検討する
蓄電池を設置していると、電力会社が提供するお得な料金プランを利用することが可能です。
夜間帯に安い金額で電気を購入し、それを蓄電池に貯めておいて日中帯の金額が高い時間帯に使用することで電気代を浮かすことができます。
また、こうしたプランを利用することは単に電気代の節約できるだけではなく、電気の使用量で算出される再エネ賦課金の金額を抑える効果も期待できるため、より早く元を取ることができるでしょう。
FIT終了後は電力を自家消費に切り替える
FIT制度（固定単価買取）終了後は、安い金額での売電となるため収入が減ることが見込まれます。
FIT中では自宅使用しない分を売電に充てて収入を増やしますが、終了後は蓄電池に貯めて自家消費に切り替える方がお得です。
太陽光発電ができない夜間帯や早朝に蓄電池に貯めていた電気を使用することで、電気代を節約する効果が期待できるでしょう。
オール電化住宅にする
オール電化住宅にすると、全電化住宅割引が適用されるため電気代の5％が割り引かれるメリットがあります。
電気代が高い日中帯には蓄電池に貯めた電気を使用し、夜間帯は割り引かれた電気代で電気が使用できるため、お得に電気を利用できます。
これから住宅の購入を検討している人は、オール電化住宅も候補に入れてみると良いでしょう。
蓄電池導入のQ&A
蓄電池導入にあたり、さまざまな疑問を感じている人も多いことでしょう。
ここでは、蓄電池導入において多くの人が感じる疑問をQ&A形式で解説していきます。
蓄電池導入のベストなタイミングとは？
蓄電池導入のベストなタイミングは、太陽光発電を設置する際に同時に導入することです。
太陽光発電と同時に導入すれば工事費の支払いも1回で済むほか、電力会社から供給される電気の購入が少なく済むからです。
年々電気代が高騰しているため、電気代が上がったと感じている人は、少しでも購入する電気を少なく済ませられるよう、蓄電池は太陽光発電と同時に導入するようにしましょう。
ライフスタイルによっては電気代が高くなる？
蓄電池を導入し、夜間帯に安い料金で電気を購入できるプランを利用していても、ライフスタイルによっては電気代が高くついてしまいます。
例えば日中帯も在宅していることが多い場合には電気の使用料も増えるため、蓄電池に貯めた電気だけでは賄えない場合もあります。
もちろん蓄電池に貯めた電気を使用する分の電気代は安くなりますが、日中帯を不在にしている家庭よりも恩恵は小さくなるといえるでしょう。
蓄電池で電気代は安くならない？
蓄電池を導入することで、電気代は安くなります。
これまで紹介してきたように、夜間の安い電気代で蓄電池に電気を貯め、電気代の高い日中帯に貯めた電気を使えばその分の電気代が安くなります。
また、全国民が支払っている再エネ賦課金は電気の使用量によって金額が算出されますが、蓄電池を利用することでこちらの金額も抑える効果があるためお得であるといえるでしょう。
蓄電池はやめたほうがいい？
蓄電池を導入して後悔するケースには「容量が合わなかった」「発電量が足りない」など、見通しが甘かった場合に起こり得ます。
太陽光発電とのバランスや補助金制度、夜間割引などを上手く活用すれば電気代を抑えられるだけではなく、災害時に備えることも可能です。
蓄電池の導入で後悔しないためにも、事前のリサーチは十分に行うようにしましょう。
活用方法次第で蓄電池は十分に元が取れる
蓄電池は初期費用が大きいため投資額の回収が難しいと考えられがちですが、活用方法次第では十分に元が取れます。
100万円の投資で年間10万円の電気代削減や売電による収入をローンに充てれば10年以下で完済することができ、蓄電池の寿命が約30年であることを考慮すれば以降の生活ではダイレクトに家計へ反映されます。
また、蓄電池や太陽光発電を導入する際には相見積もりを行ったり、補助金を活用したりすることでも恩恵が得られるため、制度を上手く活用して早期に元が取れるよう工夫していきましょう。