
せっかく太陽光発電を設置したのに、全然発電されないことってあるのかな?

予想していたより発電量が少ないとか、発電自体がされないケースだってあるんだよ!

そんなの困るよ!
一体、何が原因なのかな?

太陽光発電が発電しない「理由」と「解決策」を解説していくね!
太陽光発電が発電しない7つの理由
多額の初期費用を投資した太陽光発電ですが、実際に稼働させると、思うように発電しないことがあります。
なぜなら、電気機器というのは、環境を整えなければ、その能力を最低限に発揮することができないからです。
太陽光発電が発電しない理由には、以下の7つが考えられます。
- 住んでいる地域の日照時間が短い
- 太陽光パネルに汚れがある
- 太陽光パネルに影ができている
- 屋根が北向きである
- パワーコンディショナーが故障している
- 太陽光パネルが経年劣化している
- そもそも屋根の形状が不向き

理由1 住んでいる地域の日照時間が短い
発電効率を上げるには、日当たりが重要だということは先に述べました。
日照時間は地域によって異なりますが、日照時間が短い地域ですと、思うように発電ができないことがあります。
以下の図を見ていただくと、地域ごとに日照時間に大きく差があることが分かります。
発電量は日照時間に直結していますので、導入前には、必ず設置エリアの日照時間をしっかりとリサーチするようにしましょう。

理由2 太陽光パネルに汚れがある
太陽光パネルに汚れが付着していると、発電量が低下することがあります。
一言で汚れと言っても、砂埃などの細かい汚れではありません。
そういったものは、付着しても、雨や風が自然と洗い流してくれます。
問題となるのは、鳥の糞や、飛来物が太陽光パネルに付着してしまうことです。
引用:エコでんち
付着部分は、太陽光が遮られてしまったり、影となって発電量を低下させてしまいます。
こういったトラブルは、定期的に清掃を行うことで解消できますが、太陽光パネルが屋根にある場合は、必ず専門の業者にメンテナンスを依頼してください。

落ちたら命に関わるから、絶対に屋根には上るのは止めてね!

契約内容に、無料でメンテナンスをしてくれるオプションが含まれている場合もあるから、アフターサービスが充実している業者を探してね!
理由3 太陽光パネルに影ができている
太陽光発電を設置する際、周囲の背の高い建物や、樹木がないか入念にチェックをします。
なぜなら、そういった障害物が、太陽光パネルに影を生み出してしまうからです。
電信柱の影により発電量が減少しているソーラーパネルの例
引用:日経BP
影ができてしまうと、その部分に太陽光が思うように当たらず、発電量が低下する原因となります。
事前に障害物の有無を確認することで、こういったトラブルを未然に防ぐことができます。
ですが、周辺環境というのは、自分でも予測をしなかった形で変化していきます。
例えば、老化によって近隣の住居が取り壊され、新たに背の高い住居が建てられてしまったり、ニュータウン開発の一環で、見栄えの良い街並みを演出するために、突然大きな樹木が植えられてしまうことだってあります。
こうした予測不能の変化は、不運としか言いようがありませんが、最低限、設置の段階で障害物の有無は確認しておきましょう。
理由4 屋根が北向きである
太陽光発電を設置する際、どの方位に設置するかは非常に重要です。
仮に太陽光発電を屋根の北側に設置した場合、発電量は大きく落ちてしまいます。
なぜなら、北側というのは、最も日当たりの悪い方位であり、太陽光が少ないからです。

太陽光がソーラーパネルに当たらなきゃ、発電はできないからね!
では、どの方位が選択肢としてベストなのでしょうか。それは南向きです。
太陽光発電の発電パフォーマンスを最大限に引き出せる方位が、南向きだと言われています。
南向きが最も日当たりが良く、多くの太陽光をパネルに当てることができるからです。
引用:太陽光ポータル
一般家庭の住居でも、家族が団欒するためのリビングや、洗濯物を干すためのベランダは、日当たりの良い南側に設けられているケースが多いです。
一日のうちで最も太陽光が強いのは正午ですが、この時間帯に南側の面に太陽光パネルがあれば、かなりの発電量を期待することができます。
また、南向きの発電量を100%とした場合、その他の方位の発電量は、以下のとおりです。
方位 | 発電量 |
---|---|
南向き | 100% |
南東向き | 96% |
南西向き | 96% |
東向き | 85% |
西向き | 85% |
北向き | 66% |

南と北では、発電量にかなりの差があるね!
理想的な発電量を確保したいのなら、太陽光発電を北側に設置するのは、避けるのが賢明ですね。
理由5 パワーコンディショナーが故障している
皆さんは、パワーコンディショナーとはどんなものかご存じですか?
JPEA太陽光発電協会では、パワーコンディショナーとは、太陽電池モジュールで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換するための装置だと説明しています。
引用:CHANGE
つまり、発電した電力を消費するためには、必ず必要となる機器ということです。
発電において、非常に重要な役割を持つパワコンですが、消耗パーツが多く組み込まれており、一般的な寿命も、太陽光パネルや蓄電池より短い10年だと言われています。
もし、パワコンが故障したまま放置しておくと、消費量や売電量が低下するだけでなく、発電自体が止まることや、停電したり、場合によっては、直結している太陽光パネルにまで不具合が生じる可能性があります。

パワコンは突然故障してしまうケースが多いから、事前の予測ができないけど、壊れたらすぐに取り替えてね!
パワコンにはメーカー保証が付いており、10年以内であれば、無償で交換できるケースが多いです。
工事には「第二種電気工事士」の資格が必要になりますので、工事費を浮かせるために、自分で交換作業をするようなことは絶対に止めてください。

下手にいじると、メーカー保証の対象から外される場合があるから注意してね!

施工業者によっては、保証期間が短いところもあるから、複数の業者に見積もりを依頼してね!
理由6 太陽光パネルが経年劣化している
太陽光パネルも電気機器である以上、経年劣化を避けることはできません。
どのくらいの年数で、どの程度発電量が低下するとは一概に言えませんが、メーカーによって、毎年少しずつ低下するケースもあれば、5年や10年など、ある程度まとまった年数が経過することにより、低下するケースもあります。

日本には四季があり、一年を通して気候が大きく変化していきます。
地域ごとにその差は大きく、雪の時期が長く続く地域もあれば、年中気温が暖かい地域もあります。
そういった環境の変化に、太陽光パネルが耐えられず、性能がガクンと落ちてしまうのです。

お住まいの地域によって、設置に適した太陽光パネルがあるから慎重に選んでね!

同じメーカーの商品でも、業者によって価格や工事費が異なってくるから、必ず複数の業者に見積もり依頼をしてね!
理由7 そもそも屋根の形状が不向き
理想的な発電量を得るには、屋根の形状も重要なポイントとなってきます。
日本の住宅には、様々な屋根の形があります。
近年は、オシャレな外観を意識してか、複雑な形状の屋根も数多く存在しますよね。
具体的にどのような形状の屋根が、向き不向きに該当するのでしょうか。
太陽光発電の設置に向いている屋根は、以下の3種類です。
屋根の種類 | 特徴 |
---|---|
切妻屋根(きりづまやね) | ・日本で最も多いタイプ ・二つの傾斜面が本を伏せたような山形の形状 ・雪が落ちやすい形状から、東北地方に多い ・一面が広く、太陽光パネルの設置に適している。 |
陸屋根(ろくやね・りくやね) | ・屋根の傾斜がほとんどない、フラットな形状 ・面積が広く、屋上を歩くような感覚で屋根に上ることができるので、太陽光パネルの清掃がしやすい ・多くの太陽光パネルを設置できるが、傾斜がないので、追加で工事費用が発生する場合がある |
片流れ屋根(かたながれやね) | ・近年の住宅デザインで増えているタイプ ・屋根の片側だけ面積を広く取っており、多くの太陽光パネルを設置することができる ・南向きであれば、かなりの発電量が期待できる |
太陽光発電に向いている屋根の特徴は、とにかく一面の広さが確保されており、太陽光パネルを多く設置できる建築構造になっていることです。

太陽光パネルをたくさん設置するのは、発電効率を上げるための基本だよ!
太陽光発電の設置に不向きな屋根は、以下の4種類です。
屋根の種類 | 特徴 |
---|---|
寄棟屋根(よせむねやね) | ・四方向に屋根があるデザイン ・太陽光パネルを設置する際、方角の選択肢は多いが、一面が狭いため、サイズの大きな太陽光パネルが設置できない |
方位屋根(ほういやね) | ・四方向に屋根がある、ピラミッド型のデザインが特徴 ・寄棟屋根と同様に面が分かれているため、一面に設置できる太陽光パネルの枚数が少ない |
入母屋屋根(いりもややね) | ・古くから日本で用いられてきた伝統的な屋根の形状 ・近年は、あまり見かけなくなった ・一面の面積は広いが、古いがゆえに屋根の耐久度が不安視される ・太陽光発電を設置するには特殊な工法を用いる必要があり、追加料金や、メーカー保証が適用外になるといったデメリットがある |
越屋根(こしやね) | ・洋館のような瀟洒なデザインが特徴 ・採光や風通しのための屋根の上に、さらに小さな屋根組をのせた形状 ・構造が複雑で、太陽光パネルを設置するには、工事費が高くなる可能性がある ・小さな屋根組が邪魔で、太陽パネルの設置枚数が制限される |

設置に向いている形状とは逆に、一面が狭いのが特徴だね!
屋根は四方向に面しているので、太陽光パネルを設置する方角の選択肢が多いですが、一面に対して多くのパネルを設置できないというデメリットがあります。
理想的な発電量を確保するには、北側以外の面に、高性能の太陽光発電設備を設置する必要がありますが、その分費用も掛かってしまいます。
複数のメーカーや、施工業者に見積もりを依頼して、少しでも導入コストを抑えるように検討してください。
太陽光発電をしっかり発電させるポイント
ここまで、太陽光発電が発電しない理由を見てきましたが、発電させるポイントを押さえておけば、そのような自体も防ぐことが可能です。
発電のポイントを、詳しく見ていきましょう。
ポイント1 年間平均日照時間を調べる
あらかじめ、お住まいの地域の日照時間を調べておくことで、太陽光発電設置後に、どの程度の発電量を得ることができるか予測をつけることができます。
日照時間は「気象庁|アメダス」で調べることができます。
事前に日照時間を把握しておくことで、設置後、期待外れ感にがっかりするような事態は避けることができます。
また「NEDO日射量データベース」で日射量を調べることにより、発電シュミレーションによる、売電収入の予測を立てることもできます。
ポイント2 年間発電量のシュミレーションをする
発電量のシュミレーションをしておけば、事前に売電収入の目安が分かるので、ローンの返済プランを検討するのに役立ちます。
発電量のシュミレーションには、以下の計算式を用います。
年間予想発電量=年間平均日射量×損失係数×太陽光発電システム容量×365÷標準日射強度
引用:農林水産省
では、実際に例を用いてシュミレーションをしてみます。
今回は、地域を東京、年間平均日射量が10、太陽光発電システム容量を5だと仮定して、計算してみましょう。
地域 | 東京 |
---|---|
年間平均日射量 | 20 |
太陽光発電システム容量 | 5 |
損失係数 | 0.73 |
標準日射強度 | 1 |
損失係数・標準日射強度参考:農林水産省 太陽光パネル緊急導入事業
年間で13,322kWhが発電できる計算となります。
これを、現在の固定価格買取制度(FIT)に当てはめてみます。
19円(2021年度の10kW未満の買取価格) × 13,322kWh = 253,118円
年間で253,118円の売電収入を得られる計算となりました。
この情報をもとに、無理のない返済プランを検討することが大切です。
ポイント3 屋根の面積を調べておく
屋根にソーラーパネルを設置できるだけの面積があるか、確認しておきましょう。
屋根の面積は、少なくとも24㎡は必要となります。

詳しい計算方法を見ていくよ♪
一般的に「住居用」の太陽光発電の容量は、4~5kWが理想的だと言われています。
この発電容量を、太陽光パネルの枚数や、設置面積に換算するには、以下の計算式を用います。
太陽光パネル1枚の面積 × パネルの枚数 = 総面積
どこのメーカーの太陽光パネルを使用するかで数値は異なってきますが、ここでは「シャープ」と「パナソニック」のスタンダードモデルを用いて試算してみましょう。
シャープの場合ですと、5kWの発電量を得るには、太陽光パネルが19枚。設置面積は、およそ24.7㎡を要する計算となります。
パナソニックですと、太陽光パネル20枚の設置面積は、およそ24㎡となりました。

結構な枚数が必要なんだね!

これだけの面積だと、狭い屋根には乗りきらないね!
理想的な発電容量を得るには、太陽光パネルを多く設置する必要があります。
ですが、屋根が狭く、太陽光パネルの設置枚数が少ないと、容量不足で期待していた発電量を得られないという事態に陥ってしまうのです。
こういったケースを防ぐためには、専門の業者に、自宅の屋根の設置面積を調べてもらう必要があります。
施工費用が業者によって異なるので、必ず複数の業者に見積もりを依頼してください。
面積が不足する場合には、庭に設置するという選択肢もありです。

ソーラーパネルが発電しない理由まとめ
最後に、まとめて内容を振り返っておきましょう。
ソーラーパネルが発電しない理由
- 屋根が太陽光発電の設置に向いていない
- 太陽光パネルに不具合がある
- 太陽光パネルに影ができている
- パワーコンディショナーが故障している
- 住んでいる地域の日照時間が短い
ソーラーパネルを発電させるポイント
- 屋根の面積が狭い
- 屋根の形状が不向き
- 屋根が北向き
- 太陽光パネルの汚れ
- 太陽光パネルの劣化
- 太陽光パネルに影ができている
- パワーコンディショナーを交換する
- 年間平均日照時間を知らべる
- 年間発電量をシュミレーションする
太陽光発電は、決して安い買い物ではありません。
トラブルを解決することで、しっかり元が取れるようにしていきましょう。